Mac OS X Elcapitan において「Sublime Text 2 で LatexTools が動かない」という問題が生じたため、対策方法をメモ。
※ Yosemite 以前からアップデートすることによりTeXがコンパイルできない場合が本記事の対象です。
※ Elcapitan にて新規にTeX環境を構築する場合は こちら を御覧ください。
環境
- OS
- Mac OS X Elcapitan （※ Yosemite からのアップデート）
- Version：10.11.4
- Sublime Text 2
- Homebrew Cask にて導入
- Version：2.0.2, Build：2221
- MacTeX
- インストーラにて導入
- Version：2014
症状
.tex ファイルを Sublime Text 2 の LatexTools を使ってでコンパイルしようとすると、
[Compiling コンパイルしたいファイル.tex]
TraditionalBuilder: Your custom command does not allow the engine to be selected
Invoking latexmk... done.
Errors:
/usr/local/texlive/2015/texmf-dist/tex/platex/jsclasses/jsarticle.cls:38: LaTeX Error: This file needs format `pLaTeX2e' [\NeedsTeXFormat{pLaTeX2e}]
[Done!]
というエラーが出て、 TraditionalBuilder.py を修正しても症状が改善されない。
※ TraditionalBuilder.py は、~/Library/Application Support/Sublime Text 2/Packages/LaTeXTools/builders にある、設定ファイルです。これも必要なので要設定 [1]。
原因
そもそも、なんで動かないのか。
Elcapitan からは、新しいセキュリティの方式である System Integrity Protection （SIP、 rootless）が動作しているらしく、/System, /bin, /sbin, /usr 以下において、ユーザは sudo をしようが何をしようが、作業ができないらしく、/usr/local の下にファイルを置いていた色んなソフトウェア（MacTeXもHomebrewも）が軒並みお亡くなりになったということらしい [2]。
TeX界においても、Elcapitan アップデートに伴う影響がたくさん出た模様 [3]。
対策方法
-
MacTex （TeX Live）を最新版（2015）にアップデートする（インストーラでも、Homebrew使っても） -
TeX Live ユーティリティ.appのパスを更新 -
TeX Live ユーティリティ.appで、「更新分」 となってるリストをアップデートする - 日本語フォント関連の設定をする
-
Sublime Text 2の設定でTeXのパスを更新する
1. MacTex （TeX Live） を最新版にアップデートする
MacTeXを最新版（2015）にアップデートします。結構容量が重い（3GB弱）ので注意。
アップデート方法は、以下のようなものがある。
- インストーラを使う（http://tug.org/mactex/）
- Homebrew Cask を使う [4]
2. TeX Live ユーティリティ.app のパスを更新
MacTex のインストールが終わると、TeX Live ユーティリティ.app というアプリケーションが入るので、アプリを開く。環境設定（⌘,）を開いてパスを以下のとおり変更する。
/Library/TeX/texbin
3. TeX Live ユーティリティ.app で、「更新分」 となってるリストをアップデートする
パスを更新すると、TeX Live ユーティリティ.app上、「更新分」タブにアップデートリストが出るので、アップデートする。リポジトリは、ftp://ftp.kddilabs.jp/CTAN/systems/texlive/tlnet/ だった。 ⌘a + 右クリック → アップデート すれば全部アップデートできる（このアップデートは長い時間を要するので注意）。
※ tlmgr を使ってやる方法も存在するが、tlmgrを使うにもパスを通す必要があるので注意 [5]。 ちなみに tlmgr を使ってアップデートするときは以下を実行する。
$ sudo tlmgr update --self --all
4. 日本語フォント関連の設定をする
ヒラギノフォントを出力したPDFに埋め込むためには以下のコマンドを実行する [6]。
$ cd /usr/local/texlive/2015/texmf-dist/scripts/cjk-gs-integrate
$ sudo perl cjk-gs-integrate.pl --link-texmf --force
$ sudo mktexlsr
$ sudo kanji-config-updmap-sys hiragino-elcapitan-pron
5. Sublime Text 2 の設定でTeXのパスを更新する
最後に Sublime Text 2 の LatexTools において TeX のパスを更新する [7] [8]。
パスが記載されているファイルの場所は以下のとおり。
~/Library/Application Support/Sublime Text 2/Packages/LaTeXTools/LaTeXTools.sublime-settings
LaTeXTools.sublime-settings を以下のとおり変更。
// ------------------------------------------------------------------
// Platform settings: adapt as needed for your machine
// ------------------------------------------------------------------
"osx": {
// Path used when invoking tex & friends; MUST include $PATH
// "texpath" : "$PATH:/Library/TeX/texbin:/usr/texbin:/usr/local/bin:/opt/local/bin"
// ↓ 以下に変更
"texpath" : "$PATH:/Library/TeX/texbin:/usr/local/bin:/opt/local/bin"
// Path to PDF viewer, if needed
// TODO think about it. Also, maybe configure it here!
},
以上で TeX ファイルがコンパイルできるようになりました。
参考サイト
- This file needs format 'pLatex2e'のエラー | Qiita
http://qiita.com/gash717/items/f9417fd50385e0350366 - HomebrewはEl Capitanへアップグレードする前に入れておく | Qiita
http://qiita.com/riocampos/items/525ec4b35744ad586c5a - TeX界の El Capitan 迎撃戦記 | TeX Alchemist Online
http://doratex.hatenablog.jp/entry/20151008/1444310306 - El Capitanの前TeX環境を消してTeX Live 2015をインストールしてみた | Give shape to ideas
http://harulabo.net/?p=1389 - [TeX] El Capitanでtlmgrコマンドが使えないときの対処 | Qiita
http://qiita.com/hnlcol/items/1a89b693e11b24b8d8bf - 2015年10月9日 | にっき♪
http://abenori.blogspot.jp/2015/10/el-capitantexplatex-dvipdfmxpdflatexmac.html - ElCapitanでLatexToolsを使う | Qiita
http://qiita.com/sanofc/items/4494f3a57f19cc1546cb - Mac OS El Capitan - Compile Fails #531 | Github
https://github.com/SublimeText/LaTeXTools/issues/531