El Capitan / SierraでTeX環境をゼロから構築する方法

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  • Sierraでのインストールを検証したため、記事のタイトルと記述を変更しました。(2016-10-19)
  • MacTeX 2016公開に伴い記述を変更しました。TeXShopの設定方法も一部変更しています。(2016-06-09)

0. はじめに

2015年10月に公開されたOS X 10.11 El Capitanでは、セキュリティの強化やフォント管理方式の変更に伴って、従来のTeXインストールの方法が通用しなくなりました(詳しくは寺田先生による説明をお読みください)。ここでは、El Capitan以降のmacOSにTeX環境をゼロから構築する方法を、備忘録を兼ねて書き留めておきます。

ここで対象とするのは新たにTeXを導入するEl Capitan / Sierraユーザーです。Yosemite以前からのTeX環境を残したままEl Capitan以降にアップデートした場合の対応はここでは説明しませんので、他のエントリー(こことか)を参照してください。

OS XにTeXをインストールする方法はいくつかありますが、ここではMacTeXというパッケージを使います。MacTeXはTeX本体(ディストリビューション)であるTeX Live 2016と、いくつかのツール(アプリケーションを組み合わせたものです。MacTeXにはインストーラーが付いていますので、基本的にはそれを使ってインストールすれば良いのですが、インストール後にいくつかの作業をする必要があります。

大まかな手順は以下の通りです。
1. Ghostscriptとのインストール(homebrewを使っている場合のみ)
2. MacTeXのインストール
3. TeX Liveのアップデート
4. 日本語フォントの設定
5. GUIアプリケーションの設定

前提とする環境

  • OSX 10.11以降のOS X / macOS
  • TeX環境は構築していない
  • homebrew導入済(任意)

1. Ghostscriptのインストール(homebrewを使っている場合のみ)

TeXを使うにはghostscriptというソフトをインストールする必要があります。ghostscriptはMacTeXに同梱されていますが、別にインストールことも可能です。homebrewを使ってコマンドラインのツールを管理している場合、ghostscriptをあらかじめインストールしておくと、あとで問題が起こる可能性が少なくなります。homebrewを使っていない人やhomebrewが何か分からない人は、この項目は飛ばして、MacTeXと一緒にインストールしてください。なお、ghostscriptはTeXの出力をPDFに変換するために必要なソフトですが、TeXの内部で一連の処理を行いますので、インストール後はghostscriptの存在を意識することはありません。

homebrewを使ってghostscriptをインストールするには、Terminal(Launchpad→その他→ターミナル)で以下のコマンドを実行してください。

brew install ghostscript

2. MacTeXのインストール

2.1 MacTeX 2016のダウンロード

MacTeXからMacTeX.pkgをダウンロードします。

2.2 MacTeX 2016のインストール

ダウンロードしたファイル(mactex-20160603.pkg)を開いてインストーラーを起動します。そこから先の方法は、前項でghostscriptをインストールしたかどうかにより異なります。

  • Ghostscriptをインストール済みの場合は、[インストールの種類]では[カスタマイズ]をクリック。カスタムインストールの画面でGhostscriptのチェックを外して、[インストール]をクリックします。

  • Ghostscriptをインストールしていない場合は、[インストールの種類]では[インストール]をクリックします。

3. TeX Liveのアップデート

インストールしたMacTeX 2016を最新の状態に更新します。GUIアプリケーションの更新はあとに回し、ここではTeX Liveの更新を行います。Terminalで以下のコマンドを実行してください。更新には時間がかかります。

sudo tlmgr update --self --all

コマンド実行後、パスワード入力を求められるので、Macのログインパスワードを入力します。エラー(command not found)が出る場合は、Terminalから一度exitして、新しくTerminalを起動します。

4. 日本語フォントの設定

OS X標準の(美しい)ヒラギノフォントを使うため、Terminalから以下のコマンドを一行ずつ入力して実行します。

cd /usr/local/texlive/2016/texmf-dist/scripts/cjk-gs-integrate
sudo perl cjk-gs-integrate.pl --link-texmf --force
sudo mktexlsr
sudo kanji-config-updmap-sys hiragino-elcapitan-pron

5. GUIアプリケーションの設定

TeXShop、TeX Liveユーティリティ、LaTeXiT、BibDeskをアップデートし、必要な更新をします。

5.1 TeXShopの設定

TeXShopはTeXの統合環境(テキストエディタに、TeXの処理に便利な機能が付加されたもの)です。TeXで執筆をする際はこれを使うのが便利です。

  1. [TeX Shop]→[アップデートを確認]で最新バージョンに更新します。
  2. TeXShopの環境設定の[書類]タブの左下の[設定プロファイル]から「pTeX (ptex2pdf)」を選択します。 ss_texshop_shorui.png

5.2 BibDeskの設定

BibDeskはBibTeXの文献情報を管理するためのデータベースソフトです。
1. [BibDesk]→[Check for Updates]で最新バージョンに更新します。

5.3 LaTeXiTの設定

LaTeXiTは数式を画像で出力してくれるソフトで、数式をPowerPoint等に貼り付けるのに便利です。
1. [LaTeXiT]→[アップデートを確認]で最新バージョンに更新します。

以上でTeX環境は整備は完了です。

6. 付記

TeXのファイルは頻繁に更新されていますので、Terminalで下記のコマンドを随時実施してファイルを更新してください。

sudo tlmgr update --self --all

参考にしたサイト