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Google I/O 2016まとめ(Web的視点)

Last updated at Posted at 2016-06-20
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このスライドについて

このスライドは、2016年6月20日にGoogle東京オフィスで行われた、第66回 HTML5とか勉強会「Google I/O 2016特集」にて使用されたものです。


自己紹介


Increments Introduction (ja).png


  • Qiitaというプログラマのための情報共有サービスを運営しているIncrements株式会社にて、プロダクトマネージャをしています。
  • 以前は、GoogleでChromeのエンジニアリングマネージャをしていました。
  • その前は、MicrosoftでWindowsの開発マネージャをしていました。

Increments株式会社では、一緒に働く仲間を求めています!


Google I/Oとは


IOTshirt.png


Googleが年次で行っている開発者会議。

  • 2008年から開始され、今回で9回目。
  • 今年のI/O Tシャツには、2006年と2007年も開催していたかのように書かれているが、2006年と2007年はGoogle I/Oとは呼んでいなかった。

昨年までとの違い





昨年までの会場は

技術者カンファレンスが良く行われている、San FranciscoのMoscone Center。


moscone.png


 


今年は、
Shoreline Amphitheatre。

「えっ、どこそれ?」
「Googleオフィスのすぐ裏です」


 スクリーンショット 2016-06-19 14.24.44.png


毎年参加している人の反応






なんか失敗しか想像できない :scream:


結果は






悪くなかった :tada:


:octopus: 良かったベスト3


1) 自然を満喫できた


配布されたサバイバルキット

SurvivalKit
(Google is having its big event outside this year, so attendees are getting a 'survival kit' with sunscreen and a water bottle


天気

5/18 5/19 5/20
天気 :sunny: :partly_sunny: :cloud:
最高気温 28° 22° 18°
最低気温 16° 13° 12°

:point_up: 夜は冷える :snowflake:


Amphetheter


hot


cold


気分は野外フェス :guitar: :microphone:


hot


IMG_6514-COLLAGE.jpg






開発者カンファレンスで野外フェスの雰囲気を味わえたり、自然の脅威を再発見できた :tada:


結論: 自然って素晴らしい。






気づかせてくれたGoogle、ありがとう!






でも、雨降ったらどうするつもりだったんだろう 😥


2) ネットワーキングできた


事実

  • 来場者数(主催者発表): 7,000人
  • ドーム/テント数: 10

簡単な計算: 7,000人÷10=700人

:point_up: 1ドーム/テントに平均700人入れないと全員は収容できない。
:point_up: 1つのドーム/テントはそんなに大きくない(大きいところは大きいが)


結果、何が起きたか

cannotgetin


newrecord






希望のセッションに入れないとか聴けないとか言っている人、多数。


だが、ちょっと待て

  • セッションはYouTubeにすぐあがる
  • 英語が不得意の場合はそのほうが自分のペースで見れる
  • むしろ現地でないと体験できないことを体験すべきでは?

:point_up: Office Hourへの参加
:point_up: Code Labで質問してみる
:point_up: 他の参加者と知り合う


結論: ネットワーキングの機会ができた!






Google、ありがとう!


3) 経験はプライスレス


Google I/Oと言えば、従来、高価なお土産 (Giveaway) で有名だった。

お土産
2009 HTC Magic
2010 HTC Evo 4G
HTC Nexus One
2011 Samsung Galaxy Tab
Samsung Chromebook
2012 Samsung Galaxy Nexus
Asus Nexus 7
Nexus Q
Samsung Chromebox
2013 Google Chromebook Pixel
2014 LG G Watch or Samsung Gear Live
Motorola Moto 360
Google Cardboard
2015 HTC Nexus 9
Google Cardboard

今年は…


前日

スクリーンショット 2016-06-19 16.04.45.png

スクリーンショット 2016-06-19 16.05.16.png


初日

スクリーンショット 2016-06-19 16.08.32.png


2日目

スクリーンショット 2016-06-19 16.10.56.png


3日目




誰も話題にしなくなった


priceless


結論: 現地の経験はプライスレス






気づかせてくれたGoogle、ありがとう!


ここから本題(すでに半分過ぎてますが :sweat_smile:


主な発表

Google Assistant, Google Home, Allo, Duo, Daydream, Android Wear 2.0, Android Studio 2.2, Firebase, Android Instant Apps, Project Tango (Google Tango), Project Jacquard, Project Soli, Project Ara, Google Spotlight Stories, etc...


セッションの数

I/O Sessions


  • Misc: 16
  • Ads: 6
  • Android: 66
  • Cloud: 15
  • Design: 9
  • Firebase: 28
  • Game: 2
  • IoT: 2
  • Location & Maps: 6
  • Mobile Web: 33
  • Play: 10
  • Search: 9
  • TV & Living Room: 9
  • VR: 19

大きな流れとしては






モバイルファーストからAIファースト


  • Google HomeもGoogle Assistantのホームデバイス
  • AlloはGoogle Assistantが常駐するメッセージアプリ
  • Google CEO Sundar Pichaiの言葉
  • すでに、2016年Founder's Letterで言われていた

Looking to the future, the next big step will be for the very concept of the “device” to fade away. Over time, the computer itself—whatever its form factor—will be an intelligent assistant helping you through your day. We will move from mobile first to an AI first world.

すべての技術はAIへと






Google Cloud Platform Blog: Google supercharges machine learning tasks with TPU custom chip


  • クラウド技術は
    • 今まで、オンプレをパブリッククラウドに置き換える方向の進化
    • これから、クラウドでしかできないことを提供する方向に進化
  • クラウドでしかできないこと
    • Analysis & Intelligence
    • すべてのレイヤーでのスケールアップとスケールアウト
    • ⇒ TPU

関連情報: YAPC Asia 2015「Google Cloud Platformの謎テクノロジーを掘り下げる」のまとめ - Qiita


HTML5とか勉強会的注目


Japanese companies in the slide


Webは死んだか?






何度目の死だろう?


気になるアナウンス
  • Android Instant Apps
  • ChromebookでAndroidアプリが動作

Webアプリはどうなるの?






Google I/O: Return of the Web!
(posted on May 16 - Google I/Oの2日前)


This isn’t a “Web will kill apps!” moment, just as it wasn’t a “Apps will kill Web!” moment. Each has their place and trade offs. We keep seeing how the Web is gaining more native capabilities just as apps have gained more Web features, and this is all good.

2016 is the year to take a step back, look at your numbers, and reinvest in the Web.






Webはアプリとくらべて足りない部分を埋め、
アプリはWebとくらべて足りないを埋める。


技術補完計画
  • Web: WebからApp ⇒ PWA
  • App: AppからWeb ⇒ Android Instant Apps

Web/App: App Indexing / Deep Linking

* どちらが死ぬという話ではない。


少し冗長な解説(講演ではスキップ)

Chrome/ChromeOS/ChromebookかAndroidか、という話は良く聞かれる質問ですが、常に、「開発者が求める両方の技術を提供し、どちらが支持されるかを元に判断する」と回答されます。これは適当にごまかしているのではなく、実際そのようです。どちらもまだ欠けている部分がある限り、片方が片方を置き換える存在にはなりえません。

ChromeOS/ChromebookにもAndroidアプリを使えるようにしつつ、AndroidにおいてもWebを最高にするように技術を進化させています。


会場での注目






突然だが、






覚えているだろうか?






Spacesを


GoogleSpaces






アナウンスを聞いたとき、あなたも「どよ〜ん」とした気持ちになったはずだ。


I/O会場でのSpaces


PhysicalWeb2Spaces






Spacesはともかく :smile:
Physical Webの使い方としては参考になる。


Physical Web

UriBeaconにURIが埋め込まれる。
ChromeはPhysical Webをサポート。


  • 「資料はこちらのURLです!」
  • 「続きは、Webで」
  • 「クーポンはこちらからダウンロード」

こんなときに使える。

Android Instant Appsの使用例としても、NFCで誘導し、Android Instant Appsを使ってもらうというのがあったが。


開発者イベントとしての学び


時間

  • セッションがほとんど30分か40分程度で終了するようになっていた。
    • 次のセッションへの移動時間を考慮してという側面もあった
    • 聴講者の集中力やその後のスピーカーとのインタラクションの時間の確保という意味でも良かった

講演資料

  • 講演資料の出来が秀逸だった
    • いわゆるSJプレゼン的なイメージ写真などを多めにし、文字を少なめという見た目の良さもあったが、
    • デモやコーディングの部分をすべて埋め込んでおり、実際にライブで処理するというリスクを抑えながらも、コードの変更動作がわかるようになっていた
    • 資料とスピーカーの同期が素晴らしかった :tada:

まとめ


  • Googleは強運(来年も天気良いと良いですね)
  • 機械学習/AIがより進化
  • 他技術はそれとともに進化
  • Webとアプリもどちらも進化

参考情報


公式情報


Qiitaの投稿


その他


おまけ






ここから後ろはスライドモードではなく、通常の投稿記事形式で読むことをお勧めします。


ATAP

ATAPという組織がGoogleにはある。Advanced Technology And ProjectsだかProductsだか(Googleの公式情報でも統一されていなかったみたいで良くわからない)の略だが、2015年Google I/Oの隠れた主役だとも言われていた。

2015年のGoogle I/Oは初日と2日目のどちらともにキーノートがあった。私は初日のキーノートも悪いとは思わなかったが、かつてのように新しい技術をこれでもかと投入していた頃と同じような勢いを求めていた人にとっては物足りなかったかもしれない。そんなどんよりとした雰囲気も多少ある中、登場したのが、当時のATAPのヘッドであるRegina Duganであった。

Google I/O 2015 - A little badass. Beautiful. Tech and human. Work and love. ATAP. - YouTube


ReginaはEric Schmidtが口説き落としてGoogleに引き入れたとも噂される人で、DART初の女性のディレクターを務めた人だ。

GoogleのATAP率いるレジーナ・デューガン女史ってすごい人だったんだ:海外速報部ログ:オルタナティブ・ブログ

大音量でロックが鳴り、会場が高揚する中、MCの紹介の後に彼女は登場した。

"One year ago, on June 24, 2014, you met ATAP"(1年前の2014年6月24日、あなたたちはATAPに会った)とゆっくりとしたスピードで話しだす彼女が醸し出すカリスマ性は只者ではない。そこで紹介されたプロジェクトもどれもワクワクするものだった。

Google I/O 2015で紹介されたATAPのプロジェクトまとめ - dackdive's blog


Reginaが、そのATAPのヘッドを辞めたらしい1と聞いたのが今年の春。それと前後して、期待されていたプロジェクトの1つであるProject Ara(スマホのモジュール化)もまったく動きが見えなくなった。

今年のGoogle I/Oでも、新しい発表は特に無さそうだったので、どうなったんだろうと心配する声が多かった。特に、Project Araはサイトの中身がごっそり消され、本当に無かったことにされちゃうのかと心配していた。

projectara


しかし、彼らは生きていた。

3日目に、さほど大きくない会場で、昨年と同じ音楽が流れ、海賊旗がスクリーンには映しだされる。新しくヘッドとなったDan Kaufmanがステージにあがると会場は割れんばかりの拍手。私と同じように、ATAPファンが多いのだろう。

彼からは昨年までのプロジェクトの最新状況が報告された。

そのどれもが着実に進化していた。


生地にセンサーなどを埋め込むProject JacquardはLevisのジャケットとしての販売が決まった。微細なフィンガージェスチャーを検知できるProject Soliはスマートウォッチやスピーカーでの実用化を検討。

Googleとリーバイスが「つながった」ジャケットを共同開発。電話の応答、マップの利用などが可能に | TechCrunch Japan

Google、Projcet Soliのレーダーセンサーをスマートウォッチとスピーカーに塔載 | TechCrunch Japan


そして、サイトの中身が消えていてしまった、Project Araも、方向性に若干の変更はあったが、きちんと生きていた。生きていたというよりも、実用化に向けて、新たに進み始めていた。

モジュール構造で多様な機能に変身するスマートフォンProject Ara、Googl I/Oの歓声の中でデベロッパーエディションをデモ | TechCrunch Japan


結局は、これらも失敗に終わるかもしれない。

しかし、Google、いやAlphabetという大企業グループの中で、このような商用化がすぐには見えないプロジェクトに継続的に投資されているのは素晴らしいと思う。


GoogleXとの違いは、ATAPは2年という時間的な制約がある点だ。2年間で、結果を出し、どこかの製品開発プロジェクトに引き取られなければならない。例外的に延長はあるが、それでも時間的なプレッシャーは大きい。

必然的にフォーカスする領域を決め、無駄を排除しなければならない。

在籍していたときにも、その研究/開発プロセスをあまり知らなかったが、むしろ辞めてからのほうが気になる。

いつか、どこかで、どのようにプロジェクトを進めているかも聞きたい。


Project Tango (Google Tango)

ATAPを卒業したのが、Project Tango。屋内での3次元マッピングを実現するVR/AR技術だ。先ごろ行われたLenovo Worldで無事端末も発表され、米国では今月から販売される。

Google I/Oでは、このデモが凄かった。


Google VRのDaydreamは、話は凄いのだが、如何せん「モノ」が無いので、これが本当の白昼夢と皮肉も言いたくなる。その点、このTangoは実機があり、デモがあり、実際に自分でも手にして試すことができた。

YouTubeの動画でもわかると思うので、是非見て欲しい。


What's New with Project Tango - Google I/O 2016 - YouTube


あとは、Lenovo Worldに合わせて公開された動画も良い。

Tango: Re-imagine space around you. - YouTube

Tango: See more with a new kind of phone - YouTube


動画を見れない人のために、何ができるかを説明すると、例えば、自分の室内を3Dスキャンしたとする。3Dモデルができているので、Tangoのタブレットをかざしながら、ある1点からもう1点までの直線距離を知りたいとすると、それがすぐTangoの画面上でできる。


また、これが一番実用性を感じたのだが、家具を販売しているサイトがその家具の3Dモデルを用意していた場合、室内をTangoで見ながら、そのサイトの家具の3Dモデルをダウンロードし、画面に組み込むと、実際に家具を購入してそこに置いたかのようなシミュレーションができる。思ったより大きかったり小さかったりして、家具を返却した経験もあると思うが、そのようなときに有用な機能だ。家具が椅子だったとすると、色が部屋に合っているか、椅子を回転させても、周りと干渉しないか。そのようなことをTangoの画面で行えるのだ。


ほかにも、恐竜などを部屋に置いてみるというようなことも可能だ。

残念ながら、Lenovoのタブレット、Phab2 Proは日本発売は未定だそうだ。
もし技適を取っているようだったら、国外からでも入手したい。


Live Coding

Live Codingはいまやどこのイベントでも誰かがやっているくらい恒例となったものだが、Google I/O 2016のセッションの1つで面白いものがあった。"Cross Platform Coding Without a Net using Firebase"というタイトルのもので、Firebaseを使い、iOSとAndroidの2つのプラットフォームで同時にあるアプリケーションを開発し始めるというものだ。

Cross-Platform coding without a net - Google I/O 2016 - YouTube

IMG_20160519_110141.jpg


ステージには、iOS側を開発するエンジニア、Android側を開発するエンジニア、2人の書いているコードを解説するエンジニア、盛り上げ役兼会場からの質問などを受け付けるMCの4人が登場。日本のLTよろしく、小さな銅鑼も用意されていた。

セッションは技術がわからない人ならば、どこが面白いのかというものだが、スマホから写真を撮り、それをクラウドにアップロードして共有するというもの。認証など必要な機能ももちろん込みで。


途中、全然動かないときなどもあったが、最後は無事完成という流れ。

良くわからないところも多かったが、その間は2人の開発とは無関係に質問などもできるので、エンターテイメント性も兼ねたオフィスアワーのようにもなり、これはこれでありだなと思った。

私は盛り上げ役兼MCで手伝うので、日本でも誰か同じようなネタでやってみないだろうか :smile:


ServiceWorker

ServiceWorkerは在職時に私のグループで開発していたこともあるので、思い入れの強い技術だ。実装の進捗はblink-devというMLなどで把握は出来ていた。しかし、その関連のツールやライブラリの充実には不勉強ながら知らなかった。

"Great libraries and tools for great Progressive Web Apps"というセッションではそれらが紹介されていた。


スクリーンショット 2016-06-20 17.31.20.png


Great libraries and tools for great Progressive Web Apps - Google I/O 2016 - YouTube



今度こそ、本当におしまい :bow:


incrementsEndSlide.png

  1. Facebookに行った。

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