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「iPhoneのカメラからの入力をリアルタイム処理する」ための実装を超簡単にする ofVideoGrabber

Last updated at Posted at 2013-12-10

iPhoneのカメラからの入力をリアルタイムに取得し、何らかの画像処理を行う、つまり iOSアプリで動画処理を行う のは、なかなか面倒です。

下記記事を見るとわかりますが、

シャッター音の鳴らないカメラアプリの実装方法 - Over&Out その後

AVFoundation を用いて、 カメラからの入力を毎フレーム取得しようとするだけで、かなりやることが多い です。デリゲートメソッドに渡されてくる画像データが CMSampleBufferRef という型で渡ってくるのも(個人的には)ハードルを感じる部分で、毎回「どう取り扱うんだっけ?」とググってしまいます。

さらに、毎フレーム送られてくる画像情報をリアルタイムに処理をしようとすると、やっぱり OpenGL ベースで処理 する必要が出てきて、これまた(個人的には)気が重くなってしまうところです。

ところが、videoGrabberExample という openFrameworks に同梱されているサンプルのソースを見ると、実にシンプルな実装で、カメラからの入力のリアルタイム処理が実現されていました。

openFrameworks for iOS のサンプル一覧 - Qiita [キータ]

こりゃ便利そう、ということで、その使い方と、チラッとソースをのぞいてみた内容を以下にまとめます。

実装

こんな感じで、カメラからの入力に対してリアルタイムに反転処理をかけ、左下に表示するための実装手順です。(基本的には videoGrabberExample のコードをシンプルにしてコメントつけただけです)

セットアップ

メンバ変数に

ofVideoGrabber grabber;
ofTexture tex;
unsigned char * pix;

を定義しておき、

void testApp::setup(){

    // ofVideoGrabberを初期化
    grabber.initGrabber(480, 360, OF_PIXELS_BGRA);

    // テクスチャをallocate
    tex.allocate(grabber.getWidth(), grabber.getHeight(), GL_RGB);

    // バッファ確保
    pix = new unsigned char[ (int)( grabber.getWidth() * grabber.getHeight() * 3.0) ];
}

カメラからの入力を取得して画像処理

void testApp::update(){

    // カメラからの入力を取得
    grabber.update();
    unsigned char * src = grabber.getPixels();

    // 画素数 x チャンネル数
    int totalPix = grabber.getWidth() * grabber.getHeight() * 3;

    // 反転処理
    for(int k = 0; k < totalPix; k+= 3){
        pix[k  ] = 255 - src[k];
        pix[k+1] = 255 - src[k+1];
        pix[k+2] = 255 - src[k+2];        
    }

    // テクスチャデータ生成
    tex.loadData(pix, grabber.getWidth(), grabber.getHeight(), GL_RGB);
}

上記コードではフレーム毎の入力を取得して、そこに各画素値を反転させる処理を行っています。

描画

void testApp::draw(){    

    // カメラからの入力を描画    
    grabber.draw(0, 0);

    // 生成したテクスチャを描画
    tex.draw(0, 0, tex.getWidth() / 4, tex.getHeight() / 4);
}

ソースの中身をのぞいてみる

先日書いた こちらの記事 で、一部の oF クラスに、 単なるラッパー疑惑 を抱いたのですが、これはその逆ですごく便利なので、どんな感じにラップされてるのかソースの中身をみてみました。

AVFoundationVideoGrabber

ソースは addons/ofxiOS/src/video/AVFoundation にあるのですが、AVFoundation まわりの諸々はこの AVFoundationVideoGrabber というクラスでラップされてました。

ofxiOSVideoGrabber

このクラスのソースは addons/ofxiOS/src/video にあります。

上記の AVFoundationVideoGrabber へのポインタを持っています。ofBaseVideoGrabber を継承していて、オーバーライドしている各メソッドの中身では、AVFoundationVideoGrabber のメソッドを呼んでいます。

ofVideoGrabber

ソースの場所は libs/openFrameworks/video

iOS環境の場合に、ofxiOSVideoGrabber をインスタンスとして持つように実装されています。

#ifdef OF_VIDEO_CAPTURE_IOS
    #include "ofxiOSVideoGrabber.h"
    #define OF_VID_GRABBER_TYPE ofxiOSVideoGrabber
#endif
if( grabber == NULL ){
    setGrabber( ofPtr<OF_VID_GRABBER_TYPE>(new OF_VID_GRABBER_TYPE) );
}

AVFoundation 以外 の諸々(OpenGLのテクスチャとしての描画とか)はここに実装されています。

いずれ調べる

iOS アプリで OpenGL で画像/動画処理をする場合、GPUImage を利用することが多いので、それと併用するにはどうやるのがいいか(何かしらの共通フォーマットにすればいいと思うので、それを、どのタイミングで、どのフォーマットにするのがいいか)というのをいずれ調べようと思います。

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