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圏論の考え方でつくられていない、JavaScriptで動作する spinoza (スピノザ) - (3)

Last updated at Posted at 2015-01-24

前回に続き、関数、値、圏論、モナド、評価戦略、純粋関数型、その辺りの「数学的基礎」を教えるの圏論について言及している部分について、内容を検証していきます。

「数」というものは、
数と論理操作が、まったく同一である、ということ、
「数」そのものが無限に自分を参照して自分自身となっている構造、
無限自己参照構造体とも表現できる「何か」です。

誤りです。圏論で扱うトピックではありません。

この非常に精緻な構造をガチで語ろうとするのが圏論なんですね。
まあだから、圏論の圏の定義とかどうでも良いです。

誤りです。むしろ圏論から定義をとると何も残りません。

今わたしがこうやって話したことを
難しい言葉で表現すると、
..以下略..

wikipediaの引用ですが、正しい内容です。

「数」というものは、
数と論理操作が、まったく同一である、
操作と数、数と操作の区別が一切ないっていう構造、
「数」そのものが無限に自分を参照して自分自身となっている構造、
無限自己参照構造体とも表現できる「何か」です。

誤りです。圏論で扱うトピックではありません。

数っていうのが何か?っていう本質的議論こそが「圏論」です。

誤りです。圏論で扱うトピックではありません。

って、数の本質を語ること=圏論を語ることと同値なんです。

誤りです。

数と操作の区別なんてない、同じものだ、
それを論じるのが圏論で、

誤りです。

プログラミングの「ことば」、論理的にはまったく同じものを
勝手に違う言葉でいってるだけなんですが、言い換えると、

値と関数の区別なんてない、同じものだ、

ってことになります。

誤りです。圏論の適用による結果ではありません。

関数型プログラミングの根本である「集合写像」の数学概念が、
そのままコンピュータによる計算という「物質化」にそのまま当てはめることが不可能であるから、
より「集合写像」をより抽象化した「圏論」をもってその
「計算」=「物質化」を扱う必要があるということですね。

抽象化した、という記述は正しい内容です。圏論を利用する動機については誤りです。

を完全に論理的対象として扱えるようにした解決策としての「圏論」の具現化するならば、
実装は遅延評価でなければいけないし、遅延評価と不可分です。

誤りです。「a program is NOT a mapping」の解決策がモナドです。また、遅延評価にする必要はありませんし、圏論とは無関係です。

この圏論の導入は、
コンピュータのプログラミングが、
真に数学的と一致するような目的、
真に宣言的に記述できるようにするために導入されたのであり、
圏論を導入したコードというのであれば、宣言的にかけてアタリマエなんです。

誤りです。これは圏論ではなく、モナドを意味論に採用する理由です。

先行評価なら無限なんて宣言的に書けないんだから、そんなもんは圏論の実装ではない、ってことだし、

誤りです。遅延評価と圏論は無関係です。

純粋関数型を圏論が数学的基礎にあると語りながら、

純粋関数型と圏論は無関係です。Haskellが圏論の概念を多用しているだけに過ぎません。

これは、まさに圏論のことに他なりませんから、

遅延評価と圏論に関連はないため、誤りです。

IOモナドの理論的背景は圏論だ、ってことになります。

moggiの論文を元に実装されたものですから、正しい表明です。

ここまでの訳注

論理に対する記述は、圏論と直接関係があるわけではないので言及を避けています。

著者が頻繁に主張している「関数とは値」は、型無しラムダ計算のことを指していると考えられます。圏論の文脈ではCCCに $X \simeq X^X$ の同型を入れて作れますが、少なくともHaskellの理論的背景になっていません。

次回以降に続きます。

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