最近、GoogleのメールWebアプリInboxを、開発周りの情報や通知を受け取ったり管理するツールとして、かなり重宝しています。
今年の5月に一般公開されてから、Mailbox系のメールアプリとして紹介される記事はちょくちょく見かけますが、 開発周りのツールとしての視点からもかなり使いやすくて便利に思っています。
普通のメールアプリとしてのレビューとしては、ちょうど数時間前のこんな記事も:
[導入1ヶ月レビュー] 「Inbox」のおかげでメール返信のストレスが軽減!「スヌーズ」に「完了」に、やっぱりこれはオススメです : まだ東京で消耗してるの?
僕は去年のβ公開の時にちょっと使ってみて、Google Apps非対応という問題があって、シンプルなMailboxに戻っちゃってましたが、ここ1ヶ月くらいまた使ってみた結果、完全にInboxに乗り換えちゃいました。
今更メールどうなの?
メールでのやり取りは極力避けて、Slackやメッセンジャーなどに集約するのが流行りだと思いますし、僕も業務や個人的なやり取り含めて、普段のやり取りは完全にそちらに移行しています。
というわけで、メールアプリと言っても、送信はほぼせずに受信専用として使っています。
なので、右下に常にあるマテリアルデザイン特有の送信ボタンが邪魔だなと思ってたりします(´・ω・`)
ここでも言われてる:
Material Design: Why the Floating Action Button is bad UX design — Tech in Asia — Medium
どう使っているか?
GitHubの通知管理との相性が良い
開発上の重要な(特にストックしておきたい)やり取りはGitHub(や類似サービス)のIssue上で行うのが良いと思っています。
(+Slackでカジュアルなやり取り)
ただ、GitHubのWeb上の通知画面については、以下の問題を感じていました。
- 1回見ると既読化されちゃって未読に戻すことも出来ない
- 忙しい時にチラ見して、返信忘れちゃったり
- 酔っている時に通知来て気になって見て翌日忘れちゃったり
- GHFeedというiPhoneアプリも同様の挙動
- タイトル一覧だけじゃなくて、そのコメントも一覧上でざっと見たい
- そこだけざっと見るだけでIssueを見るまでもなく既読化しちゃってOKな内容もあるので
特に未読管理が思うように出来ない点が微妙に思っていて、以前はPocketに放り込んだりしてしのいでました。
Inbox導入によって、GitHubのWeb上の通知画面を見るのをやめて、メール通知設定をオンにしてそれらを管理するようにしています。
Inboxで見た場合は、以下のようにかなり良い感じに未読管理が出来るようになりました。
- doneを押さないとアーカイブされないので基本的にうっかり見落としが発生しなくなる
- pinで特に優先的に処理したい情報をまとめておいたり、reminderでそれにメモを付けられたり
- 何かしらの拘束条件で「明後日レスポンスしたい」みたいなことも、明後日にスヌーズ設定すれば一旦一覧から消えて明後日また現れる
確実な未読管理はとても重要だと思っていて、
例えば逆の立場だとして、GitHubのコメントでしばらく(数時間〜1日程度)返信無かった時に、考え中なのか見落としなのか分からず、催促も極力したくないので、前者を期待してしばらく待っちゃったりします。
この時、本当はただの見落としだった場合、その待っていた時間がとても無駄なので、僕自身そういうことが無いようにしたいです。
単に「気をつける」では不確実ですし余計な負荷かかるので、こういう便利なツールに頼って楽できるのは助かります(´-ω-`)
勉強会情報やメルマガ見てる
Swift - iOSアプリ開発情報の集め方 - Qiitaでもチラっと書きましたが、開発情報得るのにもけっこう使っています。
たまに面白そうなサービス登録した際、以下など送られてきたりしますが、実際に内容が良いのは受け取るようにしてけっこう目を通しています。
- 勉強会情報
- 技術系・デザイン系メルマガ
Mailboxと比べて優れている点
MailboxとInboxは、概念的にかなり似ていますが、Inboxの方が色々機能が多くて一見複雑に見えます。
確かにシンプルに使いたいならMailboxの方が良いなとも思いますが、僕はしばらく使ってみた結果Inboxの色々気が利いている点がかなり気に入りつつあります。
動作が安定している
OSXのMailboxアプリはたまにクラッシュしたり、iPhoneアプリも長文を開けなかったり、若干動作が怪しいところありましたが、Inboxは快調です。
グループ分けが便利
デフォルトで、6種類くらいに自動分類してくれて(精度も高い)、同じ類のメールを順に処理出来るのは頭の使い方としてすごくスムーズに感じます。
一覧としてもすっきり表示となってて、数十通程度なら貯まっても圧迫感が少ないです。
また例えば、プロモーション系のグループは毎朝7時に一斉受信というような設定も出来て、それらざっとお得情報知りたいけど一々通知来るのはイヤ、みたいな需要も満たしてくれます。
また、新たに任意のグループも作れて(Gmailラベル・フィルタ-と似たようなものですが)、僕は業務のGitHub通知がそこにまとまるようなものを作っています。
気の利いた表示をしてくれる
メールの内容によって、気の利いた表示をしてくれて地味に便利です。(Mailboxでも多少ありましたが)
これは一例で、ちょくちょく感心してます。
- 上に貼ったスクリーンショットの"VIEW ISSUE"ボタン
- Google Calendarのスケジュール調整用ボタン
使いこなすための設定
余計なメールが来ないようにする
通知がたくさん来るのもイヤですし、重要なメールが埋もれるのも良くないので、きちんと管理しましょう。
Mailboxでは、特定アドレスからの自動アーカイブ設定が簡単に出来たのでそうしていましたが、Inboxには無さそうなので、これを機に不要なメールに対してはきちんと購読解除処理をしました。
1週間くらい毎朝処理してたら、ほぼ必要なメールしか届かない状態になると思います。
購読解除処理が無さそうなものは遠慮無くSpamにしちゃってますʕ ·ᴥ·ʔ
Gmailをそのまま使っていた時代はフィルターで自動アーカイブ設定してたりしましたが、けっこう手間なのと微妙な運用な気がしてきたのでやめました。
毎日、最低1回はInbox zero状態にしましょう
便利とはいえ単なるツールなので、正しく使わなきゃ意味が無いです。
管理を怠って、目を通せなくない状態に陥らないようにしましょう。
「余計なメールが来ないようにする」さえ済ませれば負荷低いはずです。
不満点
デスクトップ用のクライアントアプリが無い
Boxy. Inbox by Gmail, finally on your Mac.という素晴らしいアプリがリリースされました!!
以下は過去の記述です。
OSX用では、chenasraf/gInboxを見つけて、良い感じに使っていましたが、El Capitan βにしたら起動中にSafariが挙動不審になる症状が出始めて、使うのやめちゃいました。
ちょうど、El CapitanでSafariのタブピン止め機能が搭載されたので、ピン止めして使っています。
chenasraf/gInboxは、ガワがObjective-C・Swiftで書かれているのでデバッグ・PRしても良いかもと思いつつ( ´・‿・`)
デスクトップ上で通知が来ない
環境によっては来るかも知れませんが、OSXのSafariで使っていると通知が来ないです。
しかし、これ自体は以下の理由で僕は問題に感じていません。
- iPhoneのInboxに通知は来るのでそれで問題無し
- そもそも、メールは朝昼晩・休憩・ビルド待ち時間あたりに読みに行けば良いと割り切って、通知来なくても良いくらい
- 個人的には、Slackのメンションはなる早で返答したいけど、他は目の前の作業を継続させることを優先した方が良いと思っている
iPhoneの通知はけっこう併用していて、特に僕はスタンドに置いているので、小さなサブディスプレイぽく便利に使えています。
こんな風に置くと通知がすぐ見れて、ちょっと手を添えるとそのまま操作出来て、便利です。
もちろん充電も出来ますし、開発中のデバッグ実行などもこうやって定位置に置いてあるだけでずっとやりやすいです。
おすすめのスタンド
これら全て持っていて、どれもオススメです。
-
Twelve South HiRise for iPhone/iPad
- 挿すと充電出来て便利です。ちょっと高いですが、かっこいい。
-
belkin ベルキン iPhone5s/5c/5対応 ドックスタンド
- 似た使い勝手で、こっちの方が少し安い
-
SANWA SUPPLY iPod、iPhone対応 デスクトップスタンド
- 安くてそれなりに使えてケーブルも一応挿せて良いです。
-
Anker コンパクトマルチアングルスタンド
- タブレット用としては良いです、横向きにしないと充電ケーブル挿せないですが。
ショートカット覚えるの面倒
キーボードで?
を押せばキーボードショートカットが見られますが、j
・k
など以外はけっこう独特な気がします。
例えばMailboxはEnter
でアーカイブだったのが、e
or y
になってたりして覚えにくいです(´・ω・`)
ここは普段よく使うのはがんばって覚えましたが(´-ω-`)
iPhoneアプリでのスワイプ操作はMailboxと同様けっこう直感的なので、done化はiPhoneアプリでやっちゃうというのも手だと思います。
あるいは、一括アーカイブなど、けっこう色々なボタンが並んでいるので、ショートカット使わずともボタンポチポチだけでも効率よく処理出来るので、それでも良いかも。
複数アカウントが完全に分かれて表示される
僕は個人アカウントと、Google Appsアカウントの2つを紐付けていますが、Mailboxの時はそれらが混ざって一覧表示されて取り回ししやすかったのですが、Inboxはアカウントを切り替える必要があります。
このせいで、今アクティブじゃない方のメールをしばらく放置しちゃったりします(´・ω・`)
分かれている方が良いと思う人もいると思うので、好みや用途次第ではありますが。
Google Appsでは設定が必要
Google Appsではデフォルト状態では、Inboxを使えないので注意です。
以前は、非対応でしたが、今は設定さえ変えれば問題なく使えます。
Inbox by Gmail early adopter program - Google Apps Administrator Helpの手順に従って、設定を有効にする必要があります。
管理者権限が無いと出来ないので、権限振ってもらうか依頼するかしましょう。