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DS-LiteでiPv4してPS4する

Last updated at Posted at 2017-03-31

通信系に弱いのに通信系の話をしてみる

なぜやるのか

DS-Liteを利用したより良い回線環境でPS4をプレーしてもなお強烈なラグが発生するゲームを中古で売りたかったから。

IIJmioひかりのIPoEオプション

DS-Liteを用いた回線環境向上にあたり、まず「IIJmioひかり IPoEオプション」を追加契約した。
https://www.iijmio.jp/imh/ipoe/
月800円。これでIPoE接続方式によるIPv6接続を利用できるようになる。
(もちろん、PPPoE接続方式によるIPv4接続も引き続き利用できる。)

IPv6 IPoEには現状帯域制御がなく、アクセス回線のスペック上限まで使用することができる。
これにより、フレッツ光との契約が下り200Mbpsコースだったとしても、下り最大1Gbpsで利用可能になる。

また、回線速度低下の原因の一つとしてNTTビル内の網終端装置の混雑が挙げられるが、
IPv6 IPoEを利用することで、NGNとISPの接続時に網終端装置を通過することなく通信が可能になるため、
回線速度の改善が期待できる。

これらの恩恵は、IPv6対応したサイト(YouTubeやNetflix)との通信時にのみ享受することできる。
DS-LiteでiPv4するまでは。

PS4とIPv6

実はPS4はまだIPv6に対応していない。PS4 PROもまた同様である。
そして、大手ゲーム会社の出している作品内の通信もまた、IPv6対応しているとは言えない。

「現時点ではP2P通信環境で、IPv6とIPv4が混在して問題なく機能するまでにいたっていません。 」
from 接続問題に関するトラブルシューティング

以上のことから、PS4のゲームプレイ時にはIPv4接続での回線速度を重視しなければならない事がわかる。

DS-Liteとは

そこで、DS-Liteである。(画面が2つある携帯ゲーム機のことではない)
IPv4に関する通信方式であるDS-Liteでは、以下のような流れでIPv4接続を行う。

  1. ブロードバンドルータがIPv4パケットをIPv6で「カプセル化」
  2. そのパケットをIPv6のデータとして扱うことでNGN網を通過
  3. その後MFEEDのネットワーク内にある機器でカプセル化を解除
  4. インターネット上のIPv4ホストと通信

つまりDS-Liteとは、「IPv4で通信するために、IPv6を使う」通信方式なのである。
こういった通信方式は「IPv4 over IPv6」とも呼ばれ、ほかにMAP-Eや4rd/SAMといったサービスが存在する。
このDS-Liteを利用することで、先に述べたようなIPv6 IPoEによる恩恵を一部IPv4でも享受することができるようになる。

DS-LiteでIPv4してPS4を遊ぶことで、より良い通信環境でゲームが楽しめるようになるのである。

DS-Lite対応した環境構築

DS-Liteを利用するためには、DS-Liteに対応したルーターが必要になる。
……が、実はほとんど選択肢がない。

DS-Liteについて
https://www.iijmio.jp/guide/outline/ipv6/ipv6_access/dslite/#devices
IPv6接続動作確認済みサービス/機器一覧
http://buffalo.jp/taiou/kisyu/network/ipv6/

以上の資料を参考に、Buffalo WXR-1900DHP2を購入した。
設定時には以下の資料を参考にした。

Buffalo WXR-1900DHP
http://www.mfeed.ad.jp/transix/ds-lite/contents/buffalo_wxr1900dhp.html

やったこと

  1. 「IIJmioひかり IPoEオプション」を追加契約
  2. Buffalo WXR-1900DHP2を購入、DS-Liteの初期設定

やった結果

PC スマホ PS4
下り:850Mbps程度 下り:350Mbps程度 下り:400Mbps程度
上り:250Mbps程度 上り:250Mbps程度 上り:200Mbps程度
C77jKOFVAAEAb0_.jpg C77jKtUVUAE8t0B.jpg C77jJ5XVUAEBrZQ.jpg

まとめ

想定していた以上に回線速度が向上したのでよかった。

一つ注意すべきことがある。DS-LiteによるIPv4接続は、MFEEDのネットワーク内にある機器環境に依存した形での通信方式であるため、
PPPoEによるIPv4接続が網終端装置の混雑を原因に回線速度低下を起こしているのと同様のリスクが存在しているということである。

IPv6への移行に伴い、DS-Liteの利用者は今後増えていくことが想定される。
必要に応じて、DS-LiteによるIPv4接続とPPPoEによるIPv4接続を切り替えて利用する必要は出てくるかと思う。

参考文献

IPv6 IPoE に思いを馳せながら ISP をどうやって選定するか考える話
http://qiita.com/soprano1125/items/65295cd8c371abc6ebe8
IIJmioひかりのIPoEオプション
https://www.iijmio.jp/imh/ipoe/
IPv6専用スピードテストサイト、公開しました
http://techlog.iij.ad.jp/archives/428
DS-LiteでIPv4してみませんか?
http://techlog.iij.ad.jp/archives/1254
IIJmioひかりの混雑の理由とバイパス手段(IPoE・DS-Lite対応)
http://techlog.iij.ad.jp/archives/1879
フレッツ光、200Mbpsコースなのに1Gbpsになる方法が!? IPv6で意外なメリット
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/574106.html
DS-Liteについて
https://www.iijmio.jp/guide/outline/ipv6/ipv6_access/dslite/#devices
IPv6接続動作確認済みサービス/機器一覧
http://buffalo.jp/taiou/kisyu/network/ipv6/
Buffalo WXR-1900DHP
http://www.mfeed.ad.jp/transix/ds-lite/contents/buffalo_wxr1900dhp.html

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