Progressive Web Appとは
ServiceWorker、PushNotification、WebManifestをウェブアプリに導入することで、ネイティブアプリに近い操作性(パフォーマンスやユーザーエクスペリエンス)を提供することを可能にします。
また、これら機能に対応していないブラウザに対しては従来通りのウェブサイトとして提供されます。
環境構築
では、実際にProgressiveWebApp(以下、PWA)に対応した、サイト(シングルページレイアウト)を作っていきましょう。
ディレクトリ構成は以下のとおり
├── images
│ ├── bg.png
│ ├── building.jpg
│ ├── lake.jpg
│ ├── sky.jpg
│ └── tree.jpg
├── index.html
├── manifest.json
├── serviceWorker.js
├── scripts
│ └── index.js
└── styles
├── index.css
└── normalize.css
Web Starter Kitで環境構築(オプション)
Web Starter Kitとは、ウェブアプリプロジェクトの雛形を自動で構築してくれるものです。Web Starter KitではServiceWorkerの構築まで行ってくれるのでおすすめです。
https://developers.google.com/web/tools/starter-kit/
Firebase(オプション)
Firebaseとは、Key/Valueストレージのバックエンドサービスなのですが、ファイルをデプロイするとウェブ環境も提供してくれます。また、SSLも同時に提供されますのでおすすめです
https://www.firebase.com
Service Worker
それでは、Service Worker(以下、sw)を設置してリソースをキャッシュし、オフラインでもページを表示したり、キャッシュをコントロールしてウェブアプリのパフォーマンスを上げてみましょう。
index.htmlにJSを読み込ませます
...
<script src="scripts/index.js"></script>
</body>
読み込ませた、index.jsを編集していきます。
リクエストがhttpsまたは、localhostであるかの判定(swは、この環境でしか動かないので)
var isLocalhost = Boolean(
window.location.hostname === 'localhost' ||
window.location.hostname === '[::1]' ||
window.location.hostname.match(/^127(?:\.(?:25[0-5]|2[0-4][0-9]|[01]?[0-9][0-9]?)){3}$/)
);
swがサポートされている場合、serviceWorker.jsを登録します。
ここで登録されたserviceWorker.jsは、リクエストがきた時に、ブラウザのswが実行するものになります。
if (
'serviceWorker' in navigator &&
(window.location.protocol === 'https:' || isLocalhost)
) {
navigator.serviceWorker.register('serviceWorker.js')
.then(
function (registration) {
if (typeof registration.update == 'function') {
registration.update();
}
})
.catch(function (error) {
});
}
serviceWorker.jsにリクエストされたページをキャッシュする処理を書きます。
ブラウザのswが、serviceWorker.jsを読み込んだ際に、installイベントが発火します。その際に指定したリソースをキャッシュさせます。
urlsToCacheの配列にキャッシュしたいリソースをフルパスで登録します。
var CACHE_NAME = "my-portfolio-cache-v1";
var urlsToCache = [
"/",
"/styles/index.css",
"/scripts/index.js",
"https://maxcdn.bootstrapcdn.com/font-awesome/4.3.0/css/font-awesome.min.css",
"/images/bg.png",
"/images/building.jpg",
"/images/lake.jpg",
"/images/sky.jpg",
"/images/tree.jpg"
];
installイベント時に指定されたリソースをキャッシュします
self.addEventListener('install', function(event) {
event.waitUntil(
caches.open(CACHE_NAME)
.then(
function(cache){
return cache.addAll(urlsToCache);
})
);
});
次にリクエスがあった場合に発火されるfetchイベントにキャッシュを返す処理を書きます。
self.addEventListener('fetch', function(event) {
event.respondWidth(
caches.match(event.request)
.then(
function (response) {
if (response) {
return response;
}
return fetch(event.request);
})
);
});
responseをreturnするとキャッシュされたリソースを。event.requestをreturnするとリクエストされたリクエストを返します(キャッシュは使わない)
つまり、上記の例では、キャッシュがあった場合にキャッシュを返し、無かったらリソースを取りに行くという感じになります。
上記を少し変更して、イメージの場合はキャッシュ優先、その他の場合はネットワーク優先にしてみます。
self.addEventListener('fetch', function(event) {
if (isImage(event.request.url)) {
event.respondWith(
caches.match(event.request).then(function (response) {
return response || fetch(event.request);
})
);
}
else {
event.respondWith(
fetch(event.request).catch(function() {
return caches.match(event.request);
})
);
}
});
function isImage (url) {
return Boolean(url.match(/(\.png)|(\.jpg)$/));
}
その他にいろいろな形でキャッシュをコントロールすることが出来ます。
https://jakearchibald.com/2014/offline-cookbook/#serving-suggestions-responding-to-requests
まとめ
Service Workerを使ってキャッシュをコントロールすることで、これまで画像の読み込みやJS/CSSの読み込みでページロードが発生したものを改善することが出来ます。某賃貸サイトではService Workerの活用により、ページのロード時間が 0.8 秒から 0.2 秒に短縮されたそうです。
このようにキャッシュを利用するだけでも、ウェブアプリがネイティブアプリのようなパフォーマンスで動かすことが可能となります。次回は見た目とプッシュ通知を導入するところをやっていきたいと思います。