PCビデオカード市場をリードするnVidiaは、社員数1万人前後を要する世界大企業だ。
しかし、nVidiaの最初の一歩はとても小さいもので
1993年 たったの3名で創業した。
創業者の名は黃仁勳(ジェン スン ファン)
現在もnVidiaの最高経営責任者CEOで、全米で第42位の大富豪でもある。
まだDirectXの影も形もない1993年にNV1の開発はたったの3人でひっそりスタートした。
当時、ちょうどLSIの「設計」と「製造」が分離されようとした時期だった。
つまり「設計」だけに専念するファブレス企業と
ひたすら「製造」だけに専念するファウンドリー企業とで
お互いに分業されはじめた時期でもあった。
そしてMicrosoftもWindows95のリリースに合わせてDirectXの開発を進めていたことも追い風だった。
黃仁勳はただ単に高速な3Dビデオカード作ってもただの箱であることを良く知っていた。
だからYUAN 3DS-100の発売時は、事前に当時のSEGAと直接交渉。バーチャファイターとパンツァードラグーンを移植&バンドルさせることに成功する。
それにしても天才LSI設計者 黃仁勳 とは何者?
黃仁勳は中国の青田県というところで生まれ、ほどなくして台湾に移民。
さらに家族と共に米国へ移民した。
渡米後の15歳の時、卓球を始めて全米卓球OpenのJr.ダブルスでなんと第3位。
その後、オレゴン州立大学へと進学。スタンフォード大学で博士号を取得。
大学卒業後、新卒で就職した会社はあのLSIロジック
その後、AMDに移籍しマイクロプロセッサの設計に携わる。
しかし黃仁勳は「CPUの時代は終りだ。GPUの時代だ。コンピュータは全てピクセルで出来ている」と確信しnVidiaを創業するのだ。
この時の回想は、中国でのテレビ番組でもインタビューという形で本人自ら語っている。
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=D3xB8M2GF7E
nVidia本社の中にもカメラを入れている興味深い番組に仕上がっている。
FPGAによる開発ではなく、スパコンでシミュレータを利用している様子らしき映像も流れている。
有名な話だが、nVidiaは10年ほど前からFPGAを一切使わずシミュレータのみで開発している。
番組中 卓球の腕前も披露している。
TSMCの40nm -> 28nm -> 16nm と製造ラインのロードマップを説明する黃仁勳
しかし、最近ではGPUの性能に対する需要も頭打ちだ。ブラウザとメーラを起動する用途ならば高速なGPUなどいらないのだ。
そこで、CUDAなどグラフィックス以外の用途に目を向けている。
TITANを利用した時のベンチマーク。
人工知能は久しぶりにおとずれたブームだ。いや一過性のブームではない。人類の英知の特異点が迫っているとも言われている。
スパコンもこの分野に力を入れている。
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Intelビビってる 世界最速スパコン神威太湖之光
http://qiita.com/homhom44/items/f91bb8962a40286171b0 -
nVidiaもビビってる 世界最速スパコン神威太湖之光
http://qiita.com/homhom44/items/4b03123920f4788dfca4
nVidiaはCUDAで対抗する。事実、nVidiaのGPUがスパコンに採用されているケースも多いのだ。
黃仁勳 率いるnVidiaはこの先どこに向かうのだろうか?今後も目が離せない。