CTOという職業の人を採用するときに気をつけるべきこと
このポストを書こうと思ったのは、先日参加したIVS CTO Night & Day 2015 Winter powered by AWS で「アンカンファレンス」がきっかけ。IVS CTO Nightに参加しているので自分も当然CTO(テモナ株式会社)なのだが、衝撃だった。
※他の登壇やインタビュー記事はWantedlyから見てください。
アンカンファレンスでは以下の画像のようなコンテンツに分かれてワークショップに参加した。
その中で自分は「経営者としてCTOがすべきこと」というお題目にも参加したのだが、CTOという職業ほど、CxOといわれるオフィサーの中でも幅が広い役職は無いということを痛烈に感じた。
一般的に高給ポジションであるにも関わらず、求めている人物像とミスマッチングが起こるポジションだなと思ったのである。少しでもミスマッチな採用により、不幸せな人が増えぬようCTO採用を検討している企業はここを気をつけようという話を書いておきたい。
ちなみに自分がIVSで発表したのはこちら
http://qiita.com/devopsCoordinator/items/9e3164101b9fb07a44d7
##このお話の対象
- CTOを採用しようと思っている人
- CTOというキャリアパスを考えている人
- CTOってなんぞっていう人
CTOとは
まず初めに、世の中一般的なCTOという定義について、「◯◯とは」というキーワードを掲載しているサイトを見ていきましょう。「コトバンク」、「e-words」、「wikipedia」をあげてみてみましょう。
コトバンクさん
CTO. 最高技術責任者の意。 自社の技術戦略や研究開発方針を立案、実施する責任者のこと。 オフィサー制度のなかの役職の一つで、製造業やIT業界など、技術力がコアコンピタンスである企業においてはCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)などと並んで極めて重要な役割を持つとされる。
引用:CTO(しーてぃーおー)とは - コトバンク(https://kotobank.jp/word/CTO-3955)
e-wordsさん
CTOとは、企業内の役職の一つで、科学技術や研究開発などを統括する役員のこと。業種や企業によって職務は様々だが、技術戦略の策定・執行や、研究開発部門の統括などを担うことが多い。IT系の企業では情報技術が技術の中心であるため、情報戦略、情報技術の責任者であるCIO(最高情報責任者)と役割が重複することがある。
企業内での位置づけとしてはアメリカ型の企業統治機構における執行役員(officer)の一種で、CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)などと並んで設置される。法的な定義や設置基準などはなく、各企業が内部で独自に設けた役職である。日本では執行役を置いている企業では執行役が、それ以外では取締役が任命されることが多い。
引用:CTO - IT用語辞典 e-Words (http://e-words.jp/w/CTO.html)
最高技術責任者
最高技術責任者(さいこうぎじゅつせきにんしゃ)(chief technical officer または chief technology officer、CTOと略す)は ビジネス幹部のポジションで、会社における技術的な役割に焦点をあてたものである。研究開発ディレクターの立場を拡張したものとして、アメリカでは1980年代に登場した。
ドットコム時代と、1990年代のコンピュータブームの際に、多くの会社が主要な技術的人物に最高技術責任者という肩書を用いた。MISとITコミュニティはしばしば最高情報責任者(CIO)の同義語として、または、複雑な技術に精通した最高情報責任者の部下として、最高技術責任者という肩書を使った。最高技術責任者の役割は企業、産業の間で様々である。しかし、大体の場合、技術に関連している。以下のような役割が含まれる。
- 短期間の(戦略的な)技術的方向性決定
- 研究開発のビジネス的な監督
- 企業内でのソフトウェアの利用
引用:最高技術責任者 - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E6%8A%80%E8%A1%93%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E8%80%85)
こうやって一般的な定義をみると面白い。
自分的に気になる所を太字にしてみた。
それで自分が思ったこと
自分がワークをして思った事としては、CTOの系統として大きく3つ存在すると感じた。
- テック系CTO
- 非テック系CTO
- 雑草CTO
テック系CTO
所謂、技術が得意ですというCTO。技術大好き、自分もゴリゴリ趣味でも書いちゃう。口を出すだけでなく、自分もプログラムを実際かけるCTO。
キャリアパス
- プログラマ → リードエンジニア → CTO
- インフラエンジニア → アーキテクト → CTO
- 研究機関 → CTO
非テック系CTO
マネジメントが得意なCTO。エンジニアの心を理解し、しっかり文化醸成を行う事を得意とする。Sierに入り、プログラマ経験はあまりないまま、PLなどを経験するなどある程度のIT知識が多い人。プログラム理解はしつつも実際にはそれほどプログラムを書けない場合が多い。
キャリアパス
- プログラマ → フィールドエンジニア → CTO
- Sier → SE → CTO
雑草CTO
なんか気が付いたらCTOやってました的なCTO。何においても守備範囲が広く、ビジネスサイドも理解し、技術も嫌いじゃないというCTO。中にはマーケティングも行う雑草ぶりの人も。自分が毎回半端ないなと思う人は えふしんさん (http://f-shin.net/fsgarage/)
キャリアパス
- プログラマ → 社長 → CTO
- 教員 → PL/PM → CTO
- ? → CTO
CTOと言っても一概に同じではないのね。
CTO実際調査
CTO 100人実態調査と称して、CTOばかりにアンケートをした結果を一部公開したいと思います。
※OK頂いている範囲で
後からジョインしたCTOの方が多い。
ちょっと生々しいので自主規制ありで。
気になる給与だが、1000万〜3000万がボリュームゾーン。高給取りですね。
転職回数は4社、5社〜9社なんて当たり前。腕一本でブイブイ言わしている方ばっかです。
まとめ
CTOという肩書はオフィサー制度の中でも一番ふわっとしている。会社の規模やステージをしっかり確認することが必要だと思う。何が出来て、何が出来ない。何が好きで、何が嫌いかをしっかり聞きましょう。CTOに具体的に期待している事も含めて共有し、納得してもらった上で採用をしましょう。CTOという職業は凄く夢のある職業。CTOという職につくことが目的ではなく、CTOとして何を為すか、ここが大事。
というわけで採用をする側の人は以下5点を抑えましょう。
- CTOといっても幅広いので現在の職務内容をしっかり聞く
- 転職回数が多いから取らないとか愚の極み
- 経験している会社のステージや状況、経験値をしっかり聞く
- CTO経験者であった場合には、今後のビジョンや希望を聞く
- CTOをやっていたから大丈夫だろうはない。
あとがき
エンジニアの生存戦略として、なんとなく書けるエンジニアではなく、意図を持って書けるエンジニアになってほしいなと
思って教育資料をたっぷり書き始めました。興味ある人はぜひ