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IBM API Connect 使ってみた〜APIを作る〜

Last updated at Posted at 2016-03-22

IBM API Connectとは

一言で表すと,企業内で保持するビジネスアセットをAPIとして公開するためのソリューションである。

  • IBMは,2015年にStrongLoop社を買収を発表し,2016年2月には買収を完了
  • 3月末には,IBM API ManagementとStrongLoop(ゲートウェイやLoopBackなど)と統合し,IBM API Connectというソリューションとなる
  • StrongLoop機能の追加によって,「APIを管理する,保護する」に加えて,「APIを作る」部分も兼ね備えるようになった

API公開のメリットや,そのためにクリアすべき前提条件については,他の方の投稿に頼らせて頂くことにし,本稿では「APIを作る」ことにフォーカスした超入門を紹介する。

API Connectでやれること (ざっくり抜粋)

  • APIを作る
    • loopbackフレームワークを使ったREST API作成 (Swagger)
      • CLI (apicコマンド + loopbackで作成)
      • GUI (API Designerで作成)
  • APIを実行する
    • Node.jsやJavaランタイム上でAPIアプリを実行
    • Node.jsやJavaランタイム自体の運用管理
    • 作ったAPIを任意の環境にデプロイ (Bluemix上も選択可)
  • APIを管理する
    • API利用におけるポリシー定義
    • 利用状況の取得・分析
    • API提供者側の管理ポータル
    • API利用者側のための開発者ポータル
  • APIを保護する
    • 認証・認可
    • OAuth

環境

  • Mac OS X El Capitan v10.11.3
  • Xcode v7.2.1
  • Node.js v4.2.2
  • npm v2.14.7 v3.8.5

Node.jsのバージョン管理は,nodebrewを使っている。
そちらに関しては別記事にて。(MacでNode.jsのバージョン管理)

API ConnectでAPIを作ってみる

1. apiconnectモジュールのインストール

$ npm install -g apiconnect

2. loopbackフレームワークでひな形REST APIアプリの生成

apicコマンドで,インタラクティブにひな形アプリを作成できる。デフォルトのままの場合は,EnterでOK

$ apic loopback <任意のアプリ名>    // apiconnect v2系から使用不可
$ apic loopback    // 変更後

(2016/06/07追記)
※コマンド実行時にアプリ名を入れるのはNGになった模様
※この他の微妙な変更箇所は,差分まとめ記事(6/5)を参照

  • 任意のアプリ名 : capsmaltApp (デフォルト)
  • アプリタイプ : サンプル(hello-world)を含む形式 (デフォルト)

スクリーンショット 2016-03-24 0.14.21.png

ひな形に含まれるpackage.jsonの中身に従って,npm installで依存するNodeモジュールが自動ダウンロードされる (完了まで十数秒待つ)
スクリーンショット 2016-03-24 0.14.50.png

下記の画面まで進めば,ひな形アプリは完成。
次のステップとしてガイドが表示される。

  • cdコマンドで作ったアプリ内に移動 <--- 重要。忘れずに
  • 「モデル作成」
  • 「GUIコンソール(API Designer)の起動)」
  • 「アプリの始動」の
    スクリーンショット 2016-03-24 0.16.52.png

3. Modelを作成

上図のガイドに従って,以下のように入力

$ cd capsmaltApp

$ apic create --type model

Model作成もインタラクティブに行えるので,必要な情報を入力する

  • モデル名: Cat
  • データソース: db (memory)
  • モデルの基本クラス: PersistedModel
  • REST API: Yes
  • Custom plural: ブランクのままEnter
  • Common or server only: server
スクリーンショット 2016-03-24 0.36.23.png
  • 1つめのプロパティーを設定 (猫種の名前)
    • プロパティ名: name
    • データ型: string
    • 必須か否か: No
    • デフォルト値: (blank)
スクリーンショット 2016-03-24 0.38.18.png - 2つめのプロパティーを設定 (毛色) - プロパティ名: color - データ型: string - 必須か否か: No - デフォルト値: (blank) スクリーンショット 2016-03-24 0.39.04.png

4. API ConnectのGUI画面で確認 (API Designer)

API Designerを起動

$ apic edit
スクリーンショット 2016-03-24 0.47.57.png

自動でブラウザが立ち上がる (http://127.0.0.1:9000)
「製品・API・モデル・データソース」の「API」のページが開く

図の中央あたりに,
capsmaltApp 1.0.0 という先ほど作成したAPIが確認できる
スクリーンショット 2016-03-24 0.48.26.png

「モデル」を開くと,先ほど作成したモデルのCatが確認できる (noteはデフォルトで作成されている)
スクリーンショット 2016-03-24 0.48.54.png

5.「実行」でLoopBackアプリケーションを始動 (API Designer)

右側にある「実行」を選択し,その後「始動」を選択する
下図のように,ローカル環境でAPIのランタイムが始動する
==> **「実行」**では,APIアプリの始動・停止が行える

スクリーンショット 2016-03-24 0.49.23.png

ちなみに,コマンドで始動・停止する場合は,以下のようにする

$ apic start         // コマンドを実行したプロジェクト内のMicroGatewayとアプリケーションを始動する

$ apic stop          // コマンドを実行したプロジェクト内のMicroGatewayとアプリケーションを停止する

$ apic stop --all    // 全てのプロセスを停止する (どのディレクトリで実行してもOK)

6.「探索」でCRUD操作をテスト (API Designer)

プロセスが始動している状態で,右側にある「探索」を選択する

  • 「Catモデル」のCRUDが既に作成済で用意されている (図の左側のリスト)
  • 各メソッドの要約,パラメータ,応答を確認できる (図の中央部分)
  • 作成したAPIを呼び出すためのサンプルコードを確認できる (図の右側部分)
    • cURL,Ruby,Python,PHP,Java,Node,Go,Swift

==>**「探索」**では,APIのCRUD操作が行え,API呼び出しの実装コード例を確認できる
スクリーンショット 2016-03-24 0.57.26.png

  • 左側リストの中から「POST /Cats」を選択する
  • 右側のAPI呼び出しサンプルコードの部分で,アイテムを追加する
    • 「スキーマの表示」を選択
    スクリーンショット 2016-03-24 1.16.01.png - 「生成」を選択 (図では,Singapura / Sepia / 1 を入力) スクリーンショット 2016-03-24 1.19.48.png - 「操作の呼び出し」を選択 スクリーンショット 2016-03-24 1.23.28.png - 下図のように,「要求,応答,結果のjson」が確認できる スクリーンショット 2016-03-24 1.22.35.png - 「GET /Cats」で実行した場合の結果は以下 - 上述の手順とは別に,「Scottish Fold / Cream / 2」をPOSTで追加済 - 合計2匹の猫が登録されていることが確認できる スクリーンショット 2016-03-24 1.31.59.png

まとめ

  • 誰でもすぐに作れる
    実際に触ってみてわかったことは,やはり簡単なAPIの作成は非常にスピーディーに行える。apiconnectモジュールをインストール済の場合,$ apic loopback アプリ名 $ apic loopback$ apic create --type modelの2つのコマンドだけで,CRUD構築済のAPIが手に入る。特に,作成したAPIの利用にあたり,NodeやJava,Ruby,Pythonなどの各言語用のサンプルコードを得られるため誰でもとっつきやすく,すぐに試すことができる。もちろんバックエンドのDBやRESTなどをデータ・ソースとして設定することも可能で,$ apic loopback --type datasourceのコマンドでインタラクティブに行える。シンプルな内容であれば,GUI(API Designer)でも同様のことが実施できるのも魅力の1つかもしれない。

  • StrongLoop(LoopBack)のスキルが活用できる
    ちなみに従来のStrongLoopを利用する場合との違いの1つは,コマンド名の違いである。従来は,slc loopbackのようにしてひな形アプリを作成していたが,API Connectでは,apic loopbackと入力する。また,GUIでモデル作成や管理をする際にも従来はslc arcと入力してStrongLoop Arcを起動していた。API Connectでは,apic editと入力し,API Designerを起動する。この部分に関しては,若干コマンドは変わるものの,StrongLoopのloopbackに慣れている方はそのままスキルが活用できる。

今後は「API Connectを使用して,APIを公開する」部分についても記載予定。また,「APIが稼働するNodeランタイム自身の管理」についても触れる予定。


※本稿は,IBMのマニュアルサイト(KnowledgCenter)がまだ存在しない時期(2016/3/22深夜)に,npmモジュールを利用して確認した内容を投稿したものです。このため,一部使い方の変更点があるかもしれません。

apiconnectモジュール v2系では,GUIやLoopBackアプリ作成時のコマンドオプション(e.g. コマンド実行時にアプリ名を指定しない形式に変更)等,一部修正点があります。この差分については,差分まとめ記事(6/5)を参照ください。(2016/06/07追記)

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