以前、Jupyter Notebookでギリシャ文字を入力する方法を紹介しました。
Jupyter Notebookでギリシャ文字を簡単に入力するには - Qiita
その時はたまたま発見して変わった機能があるなと思ってとりあえず記事にしたのですが、数式をプログラムに書くことが多いので案外便利だということに気がつきました。
むしろ、小さなプログラムでは積極的に使っていくべきだと思うようになりました。
ギリシャ文字を使うことのメリット
1. 数式と見た目が同じになる。
プログラムがほぼ数式の通りになるので、数式との対応関係を把握しやすくなります。
対応する数式や参照先の資料をコメントとして明記している必要はあると思います。
2. 変数名が短くなる。
alpha
もα
もそれ自体では変数の意味がわかりません。
どうせわからないなら短い方がソースコードを読みやすくなります。
3. LaTeXの入力を覚えることにつながる。
下にあげた開発環境では入力方法はLaTeX合わせてあります。Jupyter NotebookでもQiitaでもLaTeXが使えるので覚えておいて損はないでしょう。
Qiitaの数式チートシート - Qiita
ギリシャ文字を使うことのデメリット
1. 文字コードが原因の問題が起こる可能性がある
どんな問題が起こる可能性があるのかはわかりません。
プログラミング言語がUnicodeに対応していればプログラム自体に問題が発生することはないと思いますが、ライブラリや周辺ツールで問題が起こる可能性は考えられます。
それと、Windowsはデフォルトの文字コードがShift-JISなので要注意です。よくわからないならWindowsではギリシャ文字を使わないほうが無難です。
2. 打ち込むキーが増える
アルファベットを打つよりわずかにキー入力が増えます。
アルファベットに加えてバックスラッシュとTabキーが必要です。
補完が効くので逆にキー入力が減る場合もあります。
3. 編集に困る可能性がある
自分以外の人が編集する場合に文字の入力方法がわからずに困る可能性は考えられます。
ギリシャ文字が使える開発環境
- プログラミング言語:
- Python 3
- Julia
- REPL:
- Python: Jupyter Notebook、Jupyter QtConsole、IPython
- Julia: Julia標準のREPL、IJulia
- テキストエディタ:
- Sublime Text + UnicodeMath
入力方法はどれも以前の記事に書いた方法と同じです。バックスラッシュに続けてアルファベットを入力してTabキーです。
例:\alpha
+ Tab → α
ギリシャ文字を使うための前提条件
1. プログラミング言語がUnicodeに対応している。
当然ながらプログラミング言語がUnicodeに対応していないと話になりません。
Unicodeに対応していないなら諦めましょう。
2. ギリシャ文字を素早く入力できる方法がある。
いちいち日本語入力にして変換していたんではさすがに面倒です。
入力を支援する機能がある開発環境を使いましょう。
3. プログラムが小さい。
予想外の不具合を避けるため、使い捨てのプログラムや規模の小さいプログラムから徐々に使っていくべきでしょう。