2169
2283

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

初心者プログラマーのための変数/関数/メソッドの英語命名規則

Last updated at Posted at 2022-06-13

はじめに

「なんか、レビューのたびに変数名を指摘されてる気がする...」
「日本人なんだから、英語で命名とか無理...」
こんなお悩みありませんか?

この記事では、「プログラマーが英語の命名で悩んだ時にどうすれば良いか」をフローチャート形式で解説します!
これであなたも駆け出しエンジニアを卒業できるかも!?

※本記事はLaravel,Vue.jsのプロジェクトで運用されているルールを元に解説しています。
プロジェクト内だけの内輪ルールも含まれていますので、ご了承ください。

対象者

この記事は下記のような人を対象にしています。

  • 駆け出しエンジニア
  • プログラミング初学者
  • PHP(Laravel),JavaScript(Vue.js)で英語のネーミングに苦戦中

前提知識

下記のような中学・高校で学ぶ内容については理解していること前提で解説します。悪しからず。

  • 三単現のsって何?
  • 5文型(SV/SVC/SVO/SVOO/SVOC)って何?
  • 品詞(名詞/形容詞/動詞)って何?
  • ~ingとか~edで形容詞になるってどういうこと?

結論

下記のフローチャートに沿って命名しましょう。
英語命名.png

(A)動詞+at/on

日時を示す場合は下記の通りです。

// atだと、日時を示す
updatedAt // 更新日時
importedAt // インポートされた日時

// onだと、日付を示す
deletedOn // 削除日

(B)形容詞+名詞

booleanではない値を代入する場合はほぼこのルールになります。

// 例

// 形容詞+名詞
specialCategory // 特別なカテゴリ

// 形容詞は動詞の受動態(~ed)かing形でもOK
importedPlayerNames // インポートされた複数の来場者名
deletedPlayers // 削除された複数の来場者
payingPlayer // 支払い者

// 形容詞がなくても明確に示せる場合は名詞のみor「名詞+名詞」もOK
errorCode // エラーコード
centerImageFilePath // 中央画像のファイルパス
terminalIdsArray // 端末IDが複数格納された配列

// 名詞+without/before/after~もOK
userWithoutPermission // 許可なしのユーザー
itemTypeBeforeUpdate // 更新前の商品タイプ
quantityAfterOrder // 注文後の数量

詳しいテクニックは形容詞名詞のテクニックの項目をご覧ください。

(C)show+名詞

表示/非表示を切り替えるフラグの場合は下記のようになります。

// 例
showConfirmationModal
// true:確認モーダルを表示
// false:確認モーダル非表示

名詞の部分には(A)のように形容詞+名詞を入れることも可能です。

(D)名詞+enabled

何かの機能のON/OFFを切り替えるフラグの場合は下記のようになります。

// 例
autoScrollEnabled
// true:自動スクロールON
// false:自動スクロールOFF

disabledでも可能ですが、二重否定になるので分かりづらいため、避けた方が良いでしょう。
名詞の部分には(A)のように形容詞+名詞を入れることも可能です。

(E)名詞+exists

存在するかどうかのフラグの場合は下記のようになります。
語順が異なる点に注意です。

// 例
soldOutItemExists
// true:売り切れ商品が存在する
// false:売り切れ商品が存在しない

名詞の部分には(A)のように形容詞+名詞を入れることも可能です。

(F)has/contains+名詞

持つ/含むかのフラグの場合は下記の通りです。

// 例
containsCheckedOutPlayers
// true:チェックアウト済みの来場者を含むか
// false:チェックアウト済みの来場者を含まない

名詞の部分には(A)のように形容詞+名詞を入れることも可能です。

(G)is+形容詞

booleanフラグのベーシックな形です。

// 例
isNew
isImported // インポートされたかどうか。動詞の受動態(~ed)は形容詞と同じ
isOrderable // 注文可能かどうか。動詞+ableもあり

is~のisは省いてもいい?

形容詞だけでも意味はわかるので、isはなくても良いのでは?という意見もありますね。
プロジェクト内で統一してあればOKだと思います。

// 例
imported // インポートされたかどうか
deleted // 削除されたかどうか
updated // 更新されたかどうか

(H)on+名詞+形容詞

フロント側で使用されることが多いです。
イベント関連の関数の命名によく使われます。

onRowClicked // 行をクリックしたら
onPaginationChanged // ページネーションが変更されたら
onDeleteButtonClicked // 削除ボタンをクリックしたら
onItemDisabled // 商品が無効化されたら

// 対象物が明確な場合はon+動詞の受動態(~ed)もあり
onClicked // クリックされたら
onSubmitted // 送信したら

// 「on+動詞」が良い、という流派もあるそうです。
onClick // クリックされたら
onSubmit // 送信したら

(I)to+名詞

何かを変換する時に省略形で命名することも可能。

// NG...ではないけど、長い... 
const convertTimeFromSecondsToMinutes = (time) => {...}

// OK. 引数で秒数がくることが明確なので、秒→分に変換する関数だとわかる。
const toMinutes = (seconds) => {...}

(J)動詞+目的語+形容詞

対象物の状態を変化させる関数の場合。

// レシートを印刷済にする
// receipt = printed の関係。
setReceiptPrinted 

(K)動詞+目的語

最もメジャーな関数の命名法です。

joinStrings // 文字列を結合する
switchTableWidth // 表の幅を変更する
sortCategories // カテゴリを並べ替える
toggleArchivedItems // アーカイブ商品を切り替える

目的語には(A)と同様に、名詞だけ、名詞+名詞、形容詞+名詞もOKです。

品詞別テクニック

ここからは、命名する種類に関係なく使えるテクニックを品詞別に解説します。

名詞に関するテクニック

名詞+名詞もあり

文法的には「名詞of名詞」みたいな感じで書くのが正しいです。
...が、めっちゃ長くなるのでおすすめしません。
名詞だけでも2~3単語くらいなら強引に繋げて書いても意味わかります。

// NGではないけど長い...
codeOfError
pathOfFileOfCenterImage

// OK
errorCode
centerImageFilePath

id,name,code,response,request,path,url...などを語尾に持ってきて、頭に別の名詞をつける、という命名はよく使うのでおすすめです!

単数形と複数形を意識して

名詞を単数にするか、複数にするかだけでかなりの情報を込めることができます。

// 例1
getSystemConfigs // システム設定を複数取得する
updateSystemConfig // システム設定を一つ更新する

// 例2
playerCount // プレイヤー1人の人数は…常に1?どゆこと?定数?
playersCount // プライヤー人数が1個入るint型
playersCounts // プレイヤー人数が複数入る配列?オブジェクト?

できるだけ不可算名詞を使わない

単数形/複数形を使い分けることが有用なため、複数形がない名詞(不加算名詞)を使うのは得策ではありません。
できるだけ、加算名詞に置き換えるようにしましょう。

// 不加算名詞の例
data, code, information, software

getData // NG. 取得するデータが1つなのか、複数なのか不明確。
getTexts // OK. 取得するデータが複数であることが明確かつデータ型もわかる。

データ型を明示するのもGOOD

~Array,~Object,~String,~Collectionなど、データ型を示す名詞を使うのもスマートでおすすめです。

terminalIdsArray // 端末IDが複数入ってる配列

細かく書きすぎない

できるだけわかりやすいように...と命名が長くなってしまうこと、ありませんか?
名詞は単数/複数形の使い分けだけでかなりの情報を伝えられるので、あえて省略して短くすることもできます。

// NGではないが、長い...
someItems
allItems
individualItem

// OK.単数/複数だけで伝わる
items
item

without, before,after上手く使って

名詞の後ろにつけることで状況/条件を詳しく表現することもできます。
ここまで使えればマスターと言って差し支えないでしょう。

userWithoutPermission // "許可のない"ユーザー
itemTypeBeforeUpdate // "更新前の"アイテムタイプ
itemQuantityAfterOrder // "注文後の"在庫数

形容詞に関するテクニック

形容詞は動詞の受動態(~ed)でもOK

「~された」「~済みの」という表現の場合、動詞の受動態(~ed)を形容詞的に使うのが良いでしょう。

importedPlayerNames // インポートされたプレイヤー名 = インポート済プレイヤー名
deletedPlayers // 削除されたプレイヤー = 削除済プレイヤー
disabledItem // 非表示にされた商品 = 非表示の商品
limitedQuantity // 限定された数量 = 限定数量

ing形も形容詞になる

「~する」という表現の場合は動詞のing形を形容詞的に使うのが良いでしょう。

payingPlayer // 支払いをするプレイヤー = 支払い者

~ingと~edのニュアンスの違い

~ingの場合は「名詞が動詞する」or「これから~する」という感じ。
~edの場合は「名詞が動詞される」or「既に~済」という感じ。

payingPlayer // 支払う = 奢る側のプレイヤー or これから支払うプレイヤー
PaidPlayer // 支払われる = 奢ってもらったプレイヤー or 支払い済のプレイヤー

否定系の形容詞をうまく使おう

// NG (先頭にNot付けりゃ良いってわけではない)
notCategorized
notCompleted

// OK (ググればすぐ出てくる)
uncategorized
incomplete

二重否定使わないで

否定形の形容詞もわかりやすいのですが、if文と組み合わせると一気に解りにくくなるケースがあります。
否定形の形容詞と否定条件を組み合わせると、trueとfalseがごっちゃになって、非常に読みにくい+誤解を生みやすいコードになってしまいます。

// NG
if (!disabled) {...}

// OK
if (enabled) {...}

下記のような形容詞の肯定形/否定形を意識してif文を記述するようにしましょう。

肯定形 否定形
visible hidden
public secret
active inactive
enabled disabled
~ in~
~ im~
~ dis~
~ un~

動詞に関するテクニック

動詞は1つだけ!

Be動詞と普通の動詞を一緒に使うことはありません。
"isExists~"みたいな表記はありえないので気をつけましょう!

PHPとJSの頻出動詞

よく使う動詞(PHP)

  • delete(削除する)
  • filter(絞り込みする)
  • get(取得する)
  • store(保存する)
  • update(更新する)

たまに使う動詞(PHP)

  • archive(アーカイブする)
  • bulkUpdate(複数アップデートする)
  • cancel(キャンセルする)
  • count(数を数える)
  • download(ダウンロードする)
  • duplicate(複製する)
  • export(出力する)
  • hide(隠す)
  • import(取り込む)
  • reset(リセットする)
  • start(始める)
  • set(状態を変化させる。動詞+形容詞が基本。setDisabled、動詞+目的語+形容詞、setReceiptPrinted)

よく使う動詞(JS)

  • change(状態を変化させる)
  • click(クリックする)
  • join(文字列を結合する)
  • show(表示する)
  • sort(並べ替える)
  • submit(フォームを送信する)
  • switch(状態を変化させる)
  • toggle(ON↔︎OFFを切り替える)

おわりに

初心者プログラマーのための英語命名法についてまとめました。

参考記事

2169
2283
27

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2169
2283

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?