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Mac OS Xで、自作プログラムにmrubyを組み込み、C言語からrubyスクリプトを実行させ、rubyからC言語の関数を呼び出す

Last updated at Posted at 2013-06-26

組み込みrubyです。自作プログラムにmrubyを組み込みます。mrubyからCの関数を呼び出せるようにしておけば、自作プログラムをrubyで拡張できるようになります♪

Mac OS Xでmrubyをビルドしてみる」でインストールしたmrubyを使います。ビルド時のパスに気を付けてください。

1. rubyから呼び出されるメソッドを用意する

まずは、rubyから呼び出されるメソッドを用意しましょう。今回はサンプルなので、パラメータ無し、戻り値無し、文字を表示するだけのメソッドです。

// この関数を、Okaモジュールに追加し、ruby側から呼び出される関数
static mrb_value oka_func(mrb_state *mrb, mrb_value self) {
    puts("This is oka_func!") ;
}

見ての通り、mrb_value型を返す、oka_funcという名前の関数です。パラメータは2つあり、1つはmrb_state*型、もう一つはmrb_value型です。

2. C言語でmrubyを動かす

2.1. mrb_open()

最初にmrb_open()します。

mrb_state *mrb ;

mrb = mrb_open() ;

mrubyの実行環境は、このmrb_stateの中に入っているようです。これは、単なる構造体なので、複数の変数を用意すれば、それぞれ互いに独立したmruby実行環境となるようです。

2.2. モジュールの定義

mrbに対して、Okaモジュールを追加します。

struct RClass *mdlOka ;

mdlOka = mrb_define_module(mrb, "Oka") ;

これで、Okaモジュールが追加されました。でもまだメソッドが何もありません。追加しましょう。

2.3. メソッドの追加

Okaモジュールが追加されているmrbに、1.で定義したoka_func()を追加します。

mrb_define_class_method(mrb, mdlOka, "oka_func", oka_func, ARGS_NONE()) ;

2.4. rubyスクリプトを用意する

では、Okaモジュールのoka_func()メソッドを呼び出すrubyスクリプトを、C言語の文字列として用意しておきましょう。
今回はサンプルなので文字列をC言語プログラムに埋め込みますが、この部分をファイルから読み込みようにすれば、自プログラムをrubyスクリプトでカスタマイズできるようになるわけです♪

cosnt char* code = "Oka.oka_func()" ;

2.5. 実行する

あとは、動かすだけです。

mrbc_context *c = mrbc_context_new(mrb) ;
struct mrb_parser_state* st = mrb_parse_string(mrb, code, c) ;
int n = mrb_generate_code(mrb, st) ;
mrb_pool_close(st->pool);
mrb_run(mrb, mrb_proc_new(mrb, mrb->irep[n]), mrb_nil_value()) ;

3.ソース

全体のソースは、こうなっています。

mruby_oka.c
#include <mruby.h>
#include <mruby/proc.h>
#include <mruby/compile.h>

// この関数が、Okaモジュールに追加される
static mrb_value oka_func(mrb_state *mrb, mrb_value self) {
    puts("This is oka_func!") ;
}

int main() {
    // ruby script
    const char* code = "Oka.oka_func()";

    // mrubyの準備
    mrb_state* mrb = mrb_open() ;

    // `Oka`モジュールの定義
    struct RClass *mdlOka = mrb_define_module(mrb, "Oka") ;
    // 'oka_func()'メソッドを'Oka'モジュールに追加
    mrb_define_class_method(mrb, mdlOka, "oka_func", oka_func, ARGS_NONE()) ;

    // 実行!
    mrbc_context *c = mrbc_context_new(mrb) ;
    struct mrb_parser_state* st = mrb_parse_string(mrb, code, c) ;
    int n = mrb_generate_code(mrb, st) ;
    mrb_pool_close(st->pool);
    mrb_run(mrb, mrb_proc_new(mrb, mrb->irep[n]), mrb_nil_value()) ;
    mrb_close(mrb);
}

4.ビルド

$ gcc -I../Downloads/mruby-master/include mruby_oka.c ../Downloads/mruby-master/build/host/lib/*.a -lm -o mruby_oka.exe

Mac OS Xでmrubyをビルドしてみる」でインストールしたmrubyを使っているので、上記のようなパスを指定しています。ご自身の環境に会わせてパスを書き換えてください。

※ 自分で作成した実行ファイルは、拡張子にexeを付けるようにしています、Mac OS上やLinux上では。

5. 実行

できあがったmruby_oka.exeを実行します。

$ ./mruby_oka.exe 
This is oka_func!
$ 

これで、oka_func()が実行されているのがわかります。oka_func()は、文字列埋め込みしたrubyスクリプトから呼び出されています。rubyスクリプトはmain()の中で実行しています。
つまり、C言語→rubyスクリプト→C言語という順番で呼び出されています♪

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