この記事は、Fujitsu Advent Calender 2016の6日目の記事です。
はじめに
仕事柄、沢山の人が関わるお仕事の効率化に関心があり、プライベートで研究や開発をしています。システム・インテグレーションをはじめ沢山の人が関わるお仕事は、人海戦術で行なわれる事がよくあります。しかし、経験上ITが関わるお仕事の人海戦術はおすすめできません。効率面、品質面、労務管理の面で問題が発生する事が多いからです。
人海戦術にならないようにするには、「人間的な仕事」と「機械的な作業」を切り分けて、機械的な作業をIT化するのが近道ではないかと考えています。
ITの現場における機械的な作業の例
- 情報を記録する(課題とか、バグとか、更新履歴とか)
- 情報を探索する(あの資料どこだっけ?とか)
- 情報を収集する(進捗どうですか?だめですか?とか)
- 情報を転記する(メールからエクセルとか)
- 情報を伝達する(これやっといてとか)
- 情報を集計・分析する(定例会の前日は徹夜とか)
機械的な作業をIT化する際、ツールに求められる要件(経験則)
サクサク動く事
とにかく速度が重要です。上記のような作業は1日に数百件発生する事がありますので、1つの操作に10秒かかるようなツールでは仕事になりません。
汎用性・自由度
特定の業務に特化したツール(ガチガチ)では、仕事の変化や多様性に適合しません。一方、エクセルは汎用ツールの神様ですが、メールやファイルサーバと組み合わせて使うので、量が増えると使いにくくなる事が難点です。
オープンソースソフトウェアを作ってみた
上記のような課題認識から、大きな組織で情報共有するためのOSSを作ってみました。プリザンターといいます。快適とか楽しいとか、そういう意味で名付けました。ASP.NET, C#, jQuery, d3.js等を使用し、約2年くらい継続的に開発しています。ソースコード等はGitHubをご参照ください。
プリザンターはタスク管理、案件管理、問い合わせ管理などの業務を短時間でWeb化できます。また、編集項目、表示内容、集計方法等を自由にカスタマイズする事ができます。サクサク動く事と汎用性・自由度に拘って開発したので、沢山の人が関わるお仕事を快適に出来ると思います。(詳しくは下記リンク参照)
簡易な業務のWeb化に使えるOSS「プリザンター」作ってみた
画面イメージ
サクサク動く管理ツールで快適に仕事しませんか?
自由に項目をカスタマイズして色んな業務をWeb化しませんか?
進捗管理表を苦労して作るのもうやめませんか?
バーンダウンチャートで進捗の全体感をみたくないですか?
時間で変化がみたい(上司)とか言われてませんか?
いろんなカンバンでタスクをコントロールしたくないですか?
インターネットみたいにサクサク検索したくないですか?
目指しているところ
日本のサービス業は生産性が低いと言われています。個人的には、IT活用にも少なからず原因があると考えています。ITは導入しただけでは役に立ちません。ITの導入と併せて仕事のやり方を大きく変える必要があります。
プリザンターのような情報共有ツールを導入する場合、お客様を含む関係者全員で仕事のやり方を見直す事が重要です。「お客様のやり方と合わないから」と諦めてはダメです。今こそ強い意思をもって関係者全員が生産性の向上に向き合うべきだと思います。
具体的には、以下のような仕事のやり方があたりまえになる世界を目指します。
- 管理資料を全てデータベース化しノータイムでアクセスできるようにする。
- 会議用の報告資料を廃止し画面上だけで報告できるようにする。
- 進捗報告は毎朝短時間で行い、週次の進捗会議を廃止する。
- 徹底的にペーパーレス化を図り、印刷や印刷用資料への転記作業を廃止する。
- 電子メールを廃止しWebでコミュニケーションが完結できるようにする。
もちろん、大きな組織においては一筋縄でいかないと思います。それでも賛同者が増えれば少しずつでも変わっていけるのではないかと思います。
おわりに
沢山の人が関わるお仕事は苦労が絶えません。それでも工夫の余地がいっぱいあるので、すごくやりがいがあります。この取り組みが世の中の役に立つ日を夢見て、今日もVisual Studioでコードを書きたいとおもいます。皆様、よいクリスマスをお過ごし下さい。
GitHubにスターつけてもらえたら嬉しいです。
https://github.com/Implem