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【数Ⅱ】文系卒社会人が統計・機械学習を理解するために勉強した

Last updated at Posted at 2016-11-05

サマリ

統計・機械学習を理解するために数学の知識が足らず勉強を始めました。その経緯などは「文系卒が統計・機械学習を理解するための数学勉強方法」を参照ください。
参考リンク
- 数Ⅰ:「【数Ⅰ】文系卒社会人が統計・機械学習を理解するために勉強した」
- 数A:「【数A】文系卒社会人が統計・機械学習を理解するために勉強した」
※2003年以前の学習指導要領に準拠しています。

項目 内容
総勉強時間 33.5h(約2.5か月)
使用教材 長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書数学 (考える大人の学び直しシリーズ)
数Ⅱは約250ページの内容です(数Ⅰの約2倍 :open_mouth: )。
勉強開始前の状態 数学の勉強は高校以来やっていない状態。数学は嫌いではないが、高校2年生くらいで授業についていくのが辛くなり始めていました。ちなみに高校が付属校なので大学受験はしていません。
数Ⅰと数Aは同じ教材で学習済み。

やった内容

1. 式と証明

整式の除法と分数式

**整式をとにかく割っていきます++。商と余りを求めたり、分数式にしたりです。おぼろげながらに高校でやった内容として覚えていました。

等式、不等式の証明

恒等式と等式、不等式の証明についてです。
「恒等式」なんて単語をまるで覚えていませんでしたが、どんな値を$r$に代入しても成り立つ式のことです(例:$x + x = 2x$)。
統計学で出てくる相加平均(算術平均)と相乗平均(幾何平均)はここで習います。相加平均(算術平均)は、一般的に使う平均のことで $\frac{a+b}{2}\ $で表せます。一方、相乗平均(幾何平均)は $ \sqrt{a b} $で表します。成長率のような指標を示すときには、相加平均(算術平均)より相乗平均(幾何平均)の方が適しています。

2. 複素数と方程式

複素数と2次方程式

$i^2=-1$となる$i$を虚数単位として定義します。高校時代に「何の役に立つのか?」と強く疑問に思った記憶があります。しかし、今では「何かの役に立ちそう!」くらいにまで推測できる程度に成長しました(笑)。
複素数自体は、教科書基本レベルでは通常の変数と同様に扱えるので難しくなかったです。

高次方程式

3次以上の方程式を解きます。複素数を使って解けるパターンが増えたことに少しだけ感動しました!

3. 図形と式

直線

座標上の内分点、外分点重心などについて学びます。また、直線の垂直・平行や対称点についても学びます。

$\bf (x-a)^2 + (y - b)^2=r^2$で表される円の方程式が基本です。そして、円に対して直線の共有点や接線・接点についてです。

軌跡と領域

与えられた条件を満たして動く点が描く図形を軌跡と言います。例えば定点Oから長さ$r$の点Pは円の軌跡と言います。また、座標上で不等式が表す領域もあります。図形が関連して、短くわかりやすく書けません:disappointed_relieved:リンク先等を参照ください。
「領域」の中では、線形計画法など統計で必要な概念も多々ありますので重要です。

4. 三角関数

三角関数

サイン($\sin$)・コサイン($\cos$)・タンジェント($\tan$)です。高校数学をすべて復習した時点で実感しているのですが、様々な分野に応用が利くため非常に重要です。微分・積分などで出てきます。数学Ⅰでも出てきますが、基本は以下の公式です。

\tan \theta= \frac{\sin \theta}{\cos \theta}\\
\sin ^2\theta+\cos ^2\theta=1\\
1+\tan ^2\theta= \frac{1}{\cos ^2\theta}

加法定理とその応用

角$\alpha$と$\beta$の和や差を三角関数で表した関係を加法定理と言い、以下の公式で表されます。加法定理もこの後の内容で、たくさん使います。

\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta\\
\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta\\
\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta\\
\cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta\\
\tan(\alpha+\beta)=\frac{\tan\alpha+\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}\\
\tan(\alpha-\beta)=\frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}\\

2倍角の公式は以下の通り。

\sin2\alpha=2\sin\alpha\cos\alpha\\
\cos2\alpha=\cos^2\alpha-\sin^2\alpha=2\cos^2\alpha-1=1-2\sin^2\alpha\\
\tan2\alpha=\frac{2\tan\alpha}{1+\tan^2\alpha}\\

半角の公式は以下の通り。

\cos^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1+\cos\alpha}{2}\\
\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}\\
\tan^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{1+\cos\alpha}\\

三角関数は別記事「基礎数学公式一覧【三角関数】」でまとめました。

5. 指数関数と対数関数

指数関数

指数は$a^n$で表せるN乗の部分です。
忘れがちな点をメモしておきます。ただ、こういうものだと覚えるだけです。

a^0=1\\
a^{-n}=\frac{1}{a^n}\\
a^\frac{q}{p}=\sqrt[p]{a^q}、とくに、a^\frac{1}{p}=\sqrt[p]{a}\\

対数関数

記憶がほとんど消えていた$\log$です。
$p=\log_a N$ は $N=a^p$のことです。
こちらも指数関数同様、覚えてしまえば大したことはないです。
重要な公式は以下の通りです。

\log_a MN=\log_a M+\log_a N\\
\log_a \frac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\\
\log_a M^r=r\log_a M\\

6. 微分法と積分法

微分係数と導関数

微分は別記事「基礎数学公式一覧【微分】」でまとめました。

ついに微分です。微分係数は以下のように表します。

f'(a)=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}

そして導関数は$(x^n)'=nx^{n-1}$です。
統計の基礎である回帰分析でも使いますので必ずおさえておきましょう。

導関数の応用

導関数を調べることで関数の接線の方程式を求めたり、極大・極小を求めたりすることができます。

積分法

基本的な考え方は微分の逆です。
積分定数であるCを用いて、$\int x^ndx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C$として不定積分を表せます。
※$\int$は「インテグラル」と呼びます。
また、積分定数を使わない定積分は$\int^b_a f(x)dx=\left[F(x)\right]^b_a=F(b)-F(a)$で表します。

感想

微分・積分が含まれて、徐々に難しくなってきました。当然ですが、数学Ⅲの前提となる知識なので消化不良を起こすと後でついていけなくなります。数学Ⅲの学習内容は微分・積分の割合が多いですが、指数関数や三角関数をその中で使うので、結局、数学Ⅱの範囲はすべて必要です。
正直、数学Ⅱでつまづきかけました。数学Ⅰ、数学Aと比べると難しく、勉強のスピード感がだいぶ落ちます。加えて仕事が忙しくなって勉強間隔が空いたため、効率悪かったです。忙しくても、毎日少しずつでも勉強すればよかったと後悔しています。また、理解度は落ちますが、問題に対してギブアップするまでの時間をもっと短くしてもよかったように思います。
「【数B】文系卒社会人が統計・機械学習を理解するために勉強した」に続きます。

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