色んなプロジェクトを経験して意識するようになったことなど。
1 目的とアウトプット(成果物)を意識すること
企画やディレクションというものは数字に表すのが難しいし、また善し悪しの評価もしにくい。
とくにディレクションは触媒みたいなもので、ディレクション自体には成果物が無いことがほとんど。
(開発で例えるならコードの美しさとか、そういう感覚に近いのでは)
なので、どの仕事をする際にも、最終的なアウトプットを常に意識するようにしていた。
最終的なアウトプットからイメージする
機能の開発であれば、その機能を使うユーザーと、機能を使うユーザーの窓口になる営業を意識する。
デザイン案件であれば、最終的にどういうものをお客様に届けたいのか、
そのアウトプットをよりよく、より早く出すために、デザイナーにどうやって伝えたらいいか。
よいアウトプット=目的をより高い精度でクリアしたアウトプット
アウトプットというフワっとしたワードには色んな要素が含まれているが、
何よりも、よいアウトプット=目的をより高い精度でクリアしたアウトプットと言える。
アウトプットを軸に沿って評価する
で、目的をより高い精度でクリアしたアウトプットっていうとざっくりだし幅が広すぎるので、
例えばこういった軸でアウトプットを見て、評価する。
- PV/UUの高さ
- 開発コストの低さ
- 開発スケジュールの短さ
- 開発効率の良さ
- 品質
- 次の開発のしやすさ(技術的負債が少ない、ドキュメントが揃っているなど)
- そのアウトプット制作に関わったチームやメンバーの満足度、成長度
アウトプットは目的のためにある
繰り返しになるが、目的のためにアウトプットがあって、
目的を達成できたかどうかがアウトプットの一番の評価。
アウトプットとセットで「何のためにそれをやるの?」という目的は常に意識する。
2 良いフィードバックをすること
一度失敗したので、その後勉強して意識するようにした。
プラスのフィードバックをする
スイカを割るときに「そっちじゃない!あ~~そっちでもない!」ばかり言うと、「じゃーどっちに行けばいいんだよ!」ってなる。
「そっちじゃないよ」にプラスして**「あっ今の方向あってる!そっちそっち!」**と言われるとスイカにより近づくように、
出来なかったことだけじゃなくて、出来たことや良かったことをフィードバックする。
なにが出来たかが分かれば、再生産性が高まる。
批判だけで終わらせない
最終的なアウトプットのためには、批判+提案(対案)をするのがベターかなと思う。その方が話が早いし、発展しやすい。
指示やフィードバックは明確に、分かりやすく、受け取りやすく
相手にとって分かりやすい形でフィードバックしないと意味が無い。
「100万円のダイヤを贈ったのに全然喜ばれなかった」のパターンと同じ様に、
たとえとってもタメになる金言でも、相手が喜んで受け入れてくれないとまったく意味がない。
フィードバックの目的は、相手がよりよくなること。
相手をよく観察して、相手がよりよくなるために一番効果的なフィードバックを心がける。
理由を必ず添える、前提条件を話す、道筋を与える
有名な例だが、こんな2つのパターンで指示を出されたとしよう。
- 「穴を掘ってください。あっ、埋めてください。次ここ掘ってください。あっやっぱりそこも埋めて。次ここ掘ってください。…」
- 「最近金塊があちこちで見つかっているので、私たちも金塊探しをしたいと思います。このどこかに金塊が埋まっているという情報があったので、ここからそこまで、順に穴を掘って、何もなければ埋めて次、と繰り返してください。
上の二つのうち、どちらが言われてウンザリするかは明確。
なぜそれをしなければならないか。しなければならなくなった背景はなにか。どこがゴールか。
それらが見えないと、言われる方はとてもイライラしてくる。
最初に言うだけでイライラしなくなるので、特にキックオフのときに気を付ける。
3 開き直ること、スタートはゼロから評価すること
世の中は広いので、上を見たらキリがないし、また下を見てもキリがない。
自分も相手も、評価のスタートはゼロから始める。
凄腕のエンジニアでも、プラス100とかからはじめずに、ゼロから評価しはじめる。
まったく仕事の出来ない新人でも、マイナスからスタートしたくなるのは分かるが、ゼロから評価しはじめる。
自分にも相手にもヘンな期待は低く
もちろん、信頼という意味での期待は高く持っておいて良いが、
期待を裏切ったからマイナスにするような期待なら、あまり持たないようにする。
これは自分に対しても一緒。
人と比べて出来ないことに落ち込んだり、人と比べてデキることに奢ったりするのはけっこうしんどい。
「今ぜんぜんできないけど、それが何か?」「今すっごいできてるけど、それが何か?」
ゼロからはじめれば、出来ていても出来ていなくてもこうやって開き直れる。
常に前より少し良く、少し良く、して評価を高められるようにする
比べるのは以前の仕事、以前の自分。
ただし、これと成果物の評価は別にすること。
人についてはあくまでゼロベースだが、成果物は仕事なので、ゼロベースではない。
ボーダーラインをクリアしなければ仕事をしたとは言えない。ぐらいの厳しさは持っておきたい。
一定のラインをクリアしていない成果物は、前と比べて良くなったかどうかなどどうでもいい。
お金払って買ったら、買ったのがボタン一つついてないカッターシャツ
「でもね~以前より洋服っぽくなったんですよぉ~」なんて言われたらガチギレである。
シャツの体をまず成してからより良くする。
“仕事ができない自分”と、“今仕事ができていないこと”を区別する
このニュアンスは難しいかもしれないが、
「仕事ができない人」と「今、その仕事が出来ていないこと」はまったくの別物。
仕事をする方法は一つじゃないので、「今出来ていない仕事」を解決することにフォーカス出来れば、
仕事が出来ない自分ではなく、仕事が出来る誰かに依頼することで「今出来ていない仕事→今出来た仕事!」に変えられる。
「仕事ができない自分」に悩むのではなく、「今仕事が出来ていないこと」に悩むべし。
だから、仕事が出来ない自分であってもいい、と開き直る。