ドレスト光子で量子コンピュータはつくれるか?(2) 電気自動車用ワイヤレス給電

ドレスト光子で量子コンピュータはつくれるか?(1) の続きです。

 EV用ワイヤレス給電規格85KHからのアプローチ

ドレスト光子は、電磁波の近傍界の振る舞いを活用するものです。電磁波ならば、どの波長ももっている性質です。可視光になると量子力学の世界に踏み込むので更におもしろくなります。でも、可視光だと、ドレスト光子の大きさは、50から70ナノくらいの大きさなので、扱いがそこそこ面倒です。そこで、85KH の電磁波を数値シミュレーションを視野にいれて調べるのはどうでしょうか? 85KHだと、近傍界は、約580メートルです。かなり大きいので、近傍界用の構造をつくるのもおそらく可視光よりは楽だと思われます。また、85KHは、電気自動車(EV)用のワイヤレス給電の規格周波数なので、研究も広くされており、関連の素材も豊富です。また、簡単な工夫で効率をあげる結果がでれば、注目があつまります。

 まずは、磁界測定から

近傍界は、磁界が主に機能している領域です。ワイヤレス給電は、いままでは、磁界をそのままつかう電磁誘導が主でしたがMITが提唱した近傍界の磁界の特性を活用した磁界共鳴方式がほぼ優勢になりました。磁界共鳴方式は、電磁誘導に比べて、離れていても効率よく送電可能で、しかも水中でも送電できます(水と空気の透磁率に差がないため)。ハピネットから、電飾用のLED送電を行うクロスベースという商品が販売され話題になっています。磁界共鳴方式が優勢になったことで、磁界強度の測定が盛んにおこなわれるようなっています。すでに、測定サービスが提供されるほど、市場が形成されており、Wave Technologyという会社が測定サービスをやっています。磁界強度測定やシミュレーション用ツールやノウハウは、蓄積されている状況でしょう。プローブと、安価な磁気センサーの組み合わせで、精度は低くても簡易に近傍界の3次元での磁界強度測定が可能です。まずは、この種の磁界測定からはじめるのがいいでしょう。

 しずくのイメージ

ドレスト光子の世界では、直感的なイメージとして光のしずくを使います。磁界共鳴の場合は、直感的なイメージは、共鳴を強調してメトロノームを使うことがあります。ワイヤレス送電の効率を考えるなら、しずくイメージの方が良いでしょう。蛇口(送信コイル)からでた水(磁界エネルギー)が、伝播せず、しずくのようになっているのを、スポンジ(受信コイル)が吸収するイメージです。

 しずくをつくる(メタマテリアル)

まずは、しずくをつくるところからです。よくある磁界共鳴のコイル構造は単純で、ただ並べているだけです。磁界エネルギーをしずくのようのためておく構造は意識されていないようです。コイルのまわりに、磁界を遮蔽する構造物を配置して、磁界エネルギーが伝播せずに、空間にどんどん蓄積されるような仕組みをまずは、さぐってみましょう。磁界の遮蔽は、メタマテリアルを使うのがよさそうです。共振型メタマテリアルは、閉じていないコイルで、作るのは簡単のようです。メタマテリアルは、85KHで使うことはあまり想定されていないので、研究している人もすくないでしょう。早いもの勝ちかもしれません。うまく、磁界エネルギーのしずく状態をつくることができたら、どのくらいの速度で空間に磁界エネルギーを送り込めるのか、実験で試して見ましょう。効率のよい送信コイル、メタマテリアルの組み合わせが見つかれば、まずは成功です。

 しずくをシミュレーションする

実験で、正解がわかったら、次はシミュレーションです。可視光の領域まで応用できる数値シミュレーションができたら大成功です。数値シミュレーションには、FTDT法がよくつかわれますが、CIP法もよいかもしれません。まずは、単純なコイルからはじめて、しずくをつくりやすいコイルをさぐり、遮蔽物(メタマテリアルなど)をなんとか扱えて、実験結果とある程度整合性がとれれば、かなりの成功です。

 しずくを維持する(エアバッテリー)

蛇口を閉じても、しずくは残ります。磁界共鳴で送電側で、電源のスイッチをオフにしたらどうなるのでしょうか? ドレスト光子の世界では、ナノ構造に光がまとわりつくと表現されていますが、同じようなことは、磁界共鳴の周波数帯でもおこるのでしょうか? 電源を切っても、磁界エネルギーが十分な量が空間に残り、しばらく維持されるとするならば、空間にエネルギーをためているとも言えます。命名するなら、エアバッテリーでしょうか? コイル周辺の遮蔽物(メタマテリアル)の構造によっては、面白い現象がありえるかもしれません。

 しずくをスポンジ(受信コイル)ですいとる

空間に広がっている磁界エネルギーをスポンジのようにすいとる効率のよい受信コイルをさぐるのが、次のステップです。受信コイルは、しずくを作る必要はないですが、効率よく広い範囲の磁気エネルギーを吸い取る必要はあります。ここまで、できて、効率がよい可能性が提示できれば大成功でしょう。

 しずくの量子化

この議論の最終的な目的は、ドレスト光子で量子コンピュータをつくることです。そこで、このしずくをつかって、量子コンピュータができるかの可能性をさぐりたいところです。しずくをレーザーのように、いわばボーズ凝縮した状態として扱うことができれば、巨大なので、扱いは楽です。量子相関があるまま、しずくを小分けすることができたりするならば、もしかすると量子コンピュータをつくれるかもしれません。

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