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【UiPath】モダンフォルダーを使ってロボットを共有する

Last updated at Posted at 2021-02-22

はじめに

UiPath Orchestratorを使っていて、複数のテナント間でロボットを共有できないかと悩んでいました。
先に結果を書いてしまうと、「複数のテナント間」では不可能なのですが、「モダンフォルダーによるフォルダー間」であればロボットを共有できることがわかりました。

モダンフォルダーについて

Orchestratorのリソースはフォルダー単位で管理されるものがありますが、フォルダーの種類として「クラシックフォルダー」と「モダンフォルダー」があります。

それぞれの違いについては、以下のUiPath Orchestratorのリファレンスを参照してください。
https://docs.uipath.com/orchestrator/lang-ja/docs/key-features-and-behavior

なお、クラシックフォルダーは将来的に廃止されることが決まっているようです。
つい最近リリースされたバージョン20.10LTSでもモダンフォルダーがデフォルトになっているようなので、今後はモダンフォルダーを使うことになるのでしょう。
詳しい違いなど、改めて記事としてまとめてみたいと思います。

やりたかったこと

・UiPath Robotサービスが実行されている端末を、複数のテナントで共有する。
・2つの端末がどちらもRPA実行中の状態で他の実行指示が来た場合は、終わるまで待っていてくれれば良い。
ということを考えました。

1つのテナントでシナリオを実行している時間が少ない(UiPath Robot端末の専有時間が少ない)のであれば、複数のテナント間で共有できれば、ロボットを効率的に使えるなぁと思ったからです。

image.png

テナント間では共有できない

Orchestratorにロボットを作るには、まずマシンを作る必要があります。
作成したマシンの「マシンキー」をRobotに設定しますが、そもそもマシンはテナント毎に作らなければなりません。
つまり、RobotにはひとつのテナントURLおよびマシンキーしか登録できないため、テナント間で共有することはできません。

モダンフォルダーを使ってやってみる

そこでモダンフォルダーの登場です。
モダンフォルダーであれば、ロボットは複数のフォルダーに所属することができます。

マシンテンプレートの作成

モダンフォルダーの場合、マシンは「マシンテンプレート」として作成する必要があります。

image.png

こんな感じで作ります。

image.png

今回はロボットを2つ用意する想定なので、同様に2つ目も作成します。

image.png

あとは、各Robot端末に、それぞれのマシンキーを設定します。
ここはクラシックフォルダーの時のマシンと同じです。

フォルダーを作る

今回はこのような構成にしてみました。

image.png

ユーザー(ロボット)を作る

クラシックフォルダーとモダンフォルダーの大きな違いの1つなのですが、クラシックフォルダーでは「ロボット」を作成していましたよね。
モダンフォルダーでは「ロボット」を作成しません。
というか、そもそもモダンフォルダーには「ロボット」を作成できません

ではどうするのかというと、「ユーザー」を作ります。
ユーザーを作ると、自動的にロボットが作成されます。

まずは作ってみましょう。
「ユーザー名」はOrchestrator上のユーザー名です。ここでは、「robot1」としています。
「ロール」には「Allow to be Automation User」を忘れずに指定します。

image.png

次に、「③ Unattendedロボット」に移ります。

「このユーザーに対してUnattendedロボットを自動的に作成する」をONにします。
「ドメイン\ユーザー名」と「パスワード」には、自動操作を行うOSアカウントのユーザー名とパスワードを指定します。

image.png

今回はロボットを2つ用意するので、同様に2つ目のロボットユーザーも作成します。

image.png

フォルダーにユーザーを割り当てる

モダンフォルダーでは、フォルダーにロボットユーザーを割り当てる必要があります。
A事業部フォルダーを選択し、「ユーザーを割り当て」ボタンを押します。

image.png

割り当てるロボットユーザー、ここではrobot1を選択します。
ロールには、「Automation User」を指定します。

image.png

同様に2つ目のロボットユーザーも割り当て、さらにB事業部フォルダーにも同様に割り当てます。

image.png

image.png

フォルダーにマシンを割り当てる

ユーザーと同様に、フォルダーにマシンテンプレートも割り当てる必要があります。
A事業部フォルダーを選択し、「マシンテンプレートを管理」ボタンを押します。

image.png

2つのマシンテンプレートを割り当てます。

image.png

B事業部フォルダーも同様に割り当て、以下のようになります。

image.png

image.png

これで準備OKです!

動かしてみる

以下はプロセスの実行画面です。
このまま「開始」を押すと、空いているマシンでシナリオが実行されます。

image.png

おわりに

「テナント間の共有」という目的は達成できていませんが、モダンフォルダーを使えば似たような構成ができますね。
そもそもクラシックフォルダーでは「サブフォルダー」という概念がありませんでした。
重要なのは「フォルダーの構成をどうするか?」なのかもしれません。

ちなみに、モダンフォルダーがリリースされたのが最近だからなのか、モダンフォルダーに関する技術的な情報があまりないんですよね。
このあと、もう少しモダンフォルダーに関する情報を記事にしたいと思います。

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