現場でリモートワークを実践する方向けの「リモートワークで避けたいこと 2 つ」
から約 1 年半、もう少し実務に寄せられないかと思い、書く。上の記事を第一篇としておく。
私なりのリモートワークに対する見解
リモートワークをすると「自由になれる」「柔軟性を持たせられる」と思っていないだろうか。
具体的に「何が自由になる」だろうか。
具体的に「何に柔軟性を持たせられる」だろうか。
私が思うに 「働く場所の制約」がゆるくなるだけ だと思っている。
ただそれだけ。
「仕事をする概念がガラリと変わった」なんて誰も言ってない。
(ここには書ききれないので省くが、むしろシビアに「仕事っぷり」を見られる)
こういう思惑の上で、リモートワークで避けるべき行為を挙げようと思う。
リモートワークで避けるべき行為
1. 文章だけでやり取りする
文章は 伝達手段の一つ であることを思い出そう。
伝達手段は他にも、テレビ会議・音声通話、言うなれば電話もある。
文章伝達が「上手くいっていない」 と思った時点で切替えるべきだ。
よくあるチャット風景を見てみよう。
Mr.Z [13:38]
@you
先日の定例で A 様から頂いた要望を元に、仕様パターンを洗い出しました。
問い合わせ必要だと思う箇所があるので、
今日の 15:00 までに見てほしいです。
http://example.com/issue/1000
you [13:39]
確認します。
you [14:02]
@Mr.Z
コメントに回答しました。
先方と認識(意図)がずれていると思います。
回答含め、いくつか質問したので確認お願いしたいです。
http://example.com/issue/1000/comment/1
Mr.Z [14:21]
@you
確認しました。すみません、質問 B の件ですが「...」という解釈で良いでしょうか
you [14:30]
「解釈的」には正しいんですが。。
うーん。。
1時間のやりとりが発生し、さらに伸びそう。「まずい」と思うべきだ。
言うなれば you
は 14:02
時点で伝達手段を切り替えた方が良い。
you [14:02]
@Mr.Z
コメントに回答しました。
先方と認識(意図)がずれてるかもしれないです。
回答含め、いくつか質問したので確認お願いしたいです。
http://example.com/issue/1000/comment/1
↓
you [14:02]
@Mr.Z
テレビ会議ですり合わせしたいです。ご都合よいタイミングで。
先方と認識(意図)がずれてるかもしれないです。
コメントにひとまず回答と質問をしました。
http://example.com/issue/1000/comment/1
2. リモートを言い訳に何かと「出来ないのでは」と考えている
あなたがリモート開発で特別に与えられたのは 「場所」だけ。
逆を言えば、「場所以外に制約・影響を受けない」と他の人から思われている。
こういう自覚がないと現実的な話、きちんと仕事できるのか、と思われてしまう。
結果を出せているかどうか => 否、という観点から、具体的な例を挙げてみる。
言い訳1. どうやって進めれば良いか分からなくなったどうしよう
Ans. リモート先を巻き込め
「俺詰まってます。。まずいっす。。」を発信することからだ。
リモートワークだからって、自分だけで解決しろと誰が言った?
言い訳2. 今日予定のタスク終わったけど、開発メンバーに報告してよいものか
Ans. なんでもいいから、 報連相しろ
チャット・メール・電話、他に手段は使っただろうか。
リモートワークだからって、報連相しなくて良いと誰が言った?
言い訳3. 設計をしてみたけど、合意形成しなくてよいものか
Ans. なんでもいいから、合意形成や確認をしろ
チャット・メール・電話、他に手段は使っただろうか。
リモートワークだからって、確認を取らなくて良いと誰が言った?
言い訳4. リモート先が忙しいかもしれない から、相談しづらい
Ans. 聞け。聞けることに憶測を立てるな
憶測で仕事をして良いと誰が言った?
リモートワークだからって、人の忙しさを汲み取れるエスパーになれと誰が言った?
3. リモートワークが閉塞環境にあることに気づいていない
管理者向けへの話。
(管理者 = プロジェクトリーダーのような、進捗を管理しつつ、開発者をサポートする立場の人 を想定する)
リモートワークは閉塞環境にある
「同じゴールに向かっている人間が『その場』に一人」
「連絡を取り合う場所がチャットスペース」
開放的と言えるだろうか。むしろ閉塞だろう。
そのせいか、開発者の思考は自分の中だけで回り始める。閉塞は自己判断を生みやすい。
なので管理者は 「リモートワークには閉塞が発生する」ことを認知した上で、対策を講じる 必要がある。
ニッチなことはやめておき、どの現場でも必要だろうと思うことを挙げておく。
-
定常的に結果を出せているかを見る
- 閉じられた環境で、人は自分で完結する傾向がある
- => WIP でもソース差分のプルリクエストを日次的に依頼する
- => 仕様書の改訂はドラフト版でもレビュー依頼する
-
手詰まりを起こしていないかを知る
- 閉じられた環境で、人は自分が正常なのか異常なのか判断がつかなくなる
- => 15分以上手詰まりを起こしたら「アラート」として上げてもらう
- => チャットなら管理者だけ、取り決めたら開発者全員にでもいい
-
支援してくれる人への橋渡しをしてあげる
- 閉じられた環境で、人は目の前のことで手一杯になる
- 管理者が全体を見て誰が何をできるか、できたか、把握する
- => 管理者が他の開発者へ代わりに発信受信し、開発者間の情報橋渡しをする
最後に
繰り返しになりますが、私個人の見解では
リモートワークで得られるものすなわち 「働く場所の制約」がゆるくなることだけ です。
ところで、あなた何者
地方SI企業で 5年近くリモートワークをやっている者です。リモートワーク以外の経験も勿論あり(1年ぐらい)
それ以外は語ることはありません。
冒頭の見解について他に書く予定はあるか
書こうと思いますが、未定。気が向いたら。