React開発の第一歩として、基盤となる概念と開発環境の準備について解説します。
🚀 Reactとは
Reactとは、Meta(旧Facebook)が開発した UI構築に特化したJavaScriptライブラリ です。
- SPAに特化したライブラリであり、ページの必要な部分だけを効率的に更新します。
- UIを部品化(コンポーネント化)して再利用する コンポーネント指向 です。
- 仮想DOM(Virtual DOM) という独自の仕組みを採用し、高速な描画を実現しています。
🌐 SPA(Single Page Application)とは
Single Page Application(シングルページアプリケーション) の略。
ページの遷移ごとに全画面を再読み込みする従来の方式とは異なり、Web アプリの形式として、必要な部分だけを動的に書き換える仕組みです。
メリット
- ページ遷移が速い:画面全体を再読み込みしないため、アプリのようなスムーズな操作感を提供します。
- 通信量の削減:必要なデータだけを通信するため、アプリケーションが軽量になります。
デメリット
- 初回読み込みが重くなる場合がある:最初のアクセス時に必要なJavaScriptファイルなどをまとめて読み込むためです。
- SEOに弱い:JavaScript実行前にクローラーが内容を取得しづらい特性があります。(※サーバーサイドレンダリング(SSR)やNext.jsで改善可能です。)
💡 仮想DOM(Virtual DOM)とは
Reactの高速な描画パフォーマンスの核となる仕組みです。
通常のWebページ描画(DOM操作)は処理コストが高く、頻繁な更新はパフォーマンスを低下させます。
仮想DOMでは、この問題を解決するために、
メモリ上に構築された軽量な仮想DOM(Virtual DOM)を更新し、実際のDOMへの反映は差分があった箇所だけ に抑えます。
[Image of Virtual DOM and Real DOM update comparison]
仕組みのポイント
- 仮想DOMの更新: データが変更されると、Reactはまずメモリ上の仮想DOMを更新します。
- 差分検出(Diffing): 更新後の仮想DOMと更新前の仮想DOMを比較し、変更された部分(差分)だけを高速に検出します。
- 実際のDOMへの反映: 検出された差分のみを、まとめて実際のDOMへ反映します。
👉 このプロセスにより、DOM操作が最小限に抑えられ、描画が高速になりパフォーマンスが向上します。
🛠️ Reactを使用するために必要なものと開発環境の準備
React開発を始めるには、まずJavaScriptの実行環境とプロジェクトの初期設定が必要です。
必須環境
-
Node.js: JavaScriptをサーバーサイドで実行するための環境です。これに付属する
npm(Node Package Manager) やnpx(Node Package Executor) を利用して、ライブラリのインストールやプロジェクトの作成を行います。
Reactプロジェクトの作成方法
プロジェクトを作成するための主なツールは2つあります。
1. create-react-app (CRA)
伝統的な方法で、すぐに開発を始められる環境を構築します。
npx create-react-app プロジェクト名
2. Vite (ヴィート) 【近年主流】
近年、React開発のビルドツールとして主流になりつつあるのがViteです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| Vite | 超高速・軽量・モダンなビルドツール。開発サーバーの起動やホットリロードが非常に高速です。 |
| Webpack + Babel | 柔軟だが設定が複雑。自分で細かく構築したい場合に利用されます。 |
Viteを使えば、より快適な環境で開発を始めることができます。