時間に意味をつける
一般的な腕時計が示す時刻には数字あるいは針の角度という情報しかありませんが、Apple Watch が示す時間には意味があります。
Apple Watchは、あなたのカレンダーや連絡先と連係するので、ただ時間を知らせるだけでなく、その時間があなたにとってどのような意味があるのかを把握しています。
引用: http://www.apple.com/jp/watch/timekeeping/
Apple Watch では、それが示す時刻に関連する情報も含めて「時間」と定義されます。
タイムマシン
watchOS 2で解禁された機能に Complications(コンプリケーション)というものがあります。ざっくりいうと、時間に合わせて文字盤に何らかの情報を表示できる機構です。Complications に表示すべき情報は時計の針が指す時刻と連動したものでなければなりません。WWDC15のセッションビデオを見るとその本質が見えてくるのですが、まず時間軸があって、竜頭でその時間軸を移動して、針が示すその瞬間に関連する情報を表示する、というものです。例えばスポーツであればその瞬間の試合の得点状況、株式であればその瞬間の株価を表示するという使い方ができるでしょう。
今までの時計というのはあくまでも時刻を示す、あるいは時を計るための機械でした。腕時計の竜頭は狂ってしまった針を正しい位置に戻すための機構でした。なので時間を操作するという概念はありませんでした。
一方 Apple Watch の竜頭は時間軸上の座標を操作するためのタイムマシンのようなものです。このタイムマシンを使うと時間軸に沿って情報を遡ったりすることができます。あるいは先の情報があれば未来の情報も参照することができます(明日の予定など)。そしてこれらの情報は Apple Watch を日常的に使うほどに価値が生まれます。情報が蓄えられるのは過去の情報ですが、将来的には機械学習によってある程度の予測もできるようになるのかもしれません。
Apple Watch の価値のひとつは、日常的に使用して情報を蓄え、意図的に時間を操作することでその情報に意味付けをするというところにあるのかもしれません。