「もののインターネット」IoT。家電から向上の装置まですべてインターネットに接続することによって、遠隔にいても家や工場の製造状況が詳細にわかって便利に効率を向上させるということで、政府の第4次産業革命の主軸のひとつともなっていますが、そろそろさまざまな場所にIoTといえるものが入り込んできそうな状況になってきました。サプライチェーン、工場そして家庭でのIoTへの取り組み、事例について取り上げているオンラインメディアからピックアップして紹介します。
※下記サイトからの転載。ビッグデータ・AIなどに関するトピックを毎週取り上げています。
TechCrowd: https://www.techcrowd.jp/related/
狙われる工場のIoT 日本企業の弱点は
ITmediaのレポート記事です。6月14日、「Interop Tokyo 2018」のカンファレンスで行われた、「インダストリアルIoT/制御システムとサイバーリスク」と題するセッションにおける発言や質疑応答の内容を基に、インダストリアルIoTのセキュリティが抱える課題を探っています。
少し前までは制御システムは、インターネットはもちろん、社内の情報系システムとも直接つながっておらず、そのためにセキュリティ的には安全とされていたものでした。
しかし、最近はさまざまなな社内システムとも接続され、保守ベンダーがリモートからの保守を行ったりするので決してつながっていないわけではなく、制御システムをターゲットにして正常な動作を妨げたり、破壊したりするマルウェアも報告されています。
工場の制御システムだと、5年後、10年後に脆弱性が見つかる可能性も十分にあり、それを一体誰が修正するのか、古いハードウェアに修正版が適用できるのか、性能に影響は出ないのか――。こうした事柄を、「しょぼい」CPUと「けちくさい」メモリで作られ、多数バラまかれているIoT/IIoT機器でどう解決するかは、大きな課題であり、脆弱性対策を含めたメンテナンスを考慮したシステム設計が大切だということです。
1つの案として注目されつつある考え方が、デバイスとクラウドとの間に疑似的なクラウドである「フォグ」を介する、「フォグコンピューティング」というアーキテクチャです。リアルタイム性が求められる処理を確実に実施しつつ、セキュリティ機能を提供。時にはフォグ内のサーバを切り替えることでサービスを継続しながら修正・アップデートできる仕組みを作ることで、システムをセキュアに保つアーキテクチャです。
制御システムのセキュリティに関する標準「IEC62443」に加え、産業界によっては、サプライチェーンに対し脆弱性情報の提供をはじめとするさまざまな対策を求める「ISO28000」といった標準も定められつつあり、日本ではまだあまり浸透していませんが、ヨーロツパや米国でのこれらの標準に基づいた認証制度がだいぶ進みつつあるようです。
メッシュネットワークでIoT市場を開拓する
「通信」の力でビジネスを進化させるbusiness network.jpの記事です。業界団体であるBluetooth SIG2018年7月20日に記者説明会を開催し、1年前にリリースした新規格のBluetooth Meshによる新市場開拓の見通しについて発表した内容をレポートしています。
Bluetooth MeshはBluetoothで初めて『多対多』のトポロジーを可能にしています。そのことにより従来のBluetooth(1対1、または1対多)がカバーできなかった領域で新たなビジネスを創出できるようになります。
Bleutooth Meshを適用すべき場所としてオフィスビルや工場、店舗、空港などを挙げたうえで、これらの場所でメッシュネットワークを構築する際に「スマート照明が入口になる」とのこと。どんな施設にも必ずある照明をBluetooth Mesh対応デバイスとして、まず遠隔管理・制御が可能な「スマート照明」にする。「これによって、その施設内にBluetooth Meshのインフラを作ることができる」。
次に、このインフラを利用して、他のIoTアプリケーションを稼働させる。例えばスマートビルなら、空調設備にBluetooth通信機能を搭載して遠隔管理・制御を行ったり、温度センサーや照度センサーを連携させてビル内の環境モニタリングを行うといった具合です。
スマホに続け「ホームIoT」、見えた普及のカギ
日本経済新聞に掲載されたITジャーナリストの石川温さんの記事です。携帯電話事業者が実証実験を実施したり、実際にサービスを提供したりして、ホームIoTの課題や期待が見えてきたとレポートしています。
まず紹介しているのがNTTドコモが横浜市などと共同で行っている「未来の家プロジェクト」。コンテナ大の住宅に家電やロフトベッド、ソファなどを完備。住宅内の様々な機器がネットワークにつながっている。例えば朝に利用者が目覚め、機器を操作すると室内の照明が点灯。シャッターやカーテンが自動的に開き、爽快な香りが発生するといった具合だ。被験者が1週間交代で住み込み、IoT住宅の住み心地の感想を集めている。
一方KDDIは昨年7月から、一般向けにホームIoTサービス「auホーム」を提供しています。KDDIがホームIoTを普及させる起爆剤として期待しているのがAIスピーカー。この8月に機能を強化し、これまで対応していたグーグルの「グーグルホーム」だけでなく、アマゾン「エコー」にも対応するとのこと。
ホームIoTを普及させるカギとして重要なのが「対面販売」のようです。ネットでIoT住宅の素晴らしさをアピールしても、なかなかユーザーには伝わりにくい。しかし家電量販店で、スタッフが丁寧に説明し、実際にAIスピーカーに声をかけて、大きな照明やクーラーを操作するデモを見せると、がぜん購入意欲が増すといいます。
富士山がIoTだらけに。登山ルートの気温・混雑度もウェブで一目瞭然
engadget日本版の記事です。
KDDIと静岡県御殿場市・小山町は、9月10日までの開山期間中に、IoTで富士山の登下山者数・
温湿度を可視化する「ミエル フジトザン」を提供しています。
また同時に、御殿場市富士山御殿場口新五合目に設置された「Mt.FUJI TRAIL STATION」
において、天候に関わらず晴れた日の美しい富士山を楽しめる望遠鏡型VR「VR View Scope」を設置します。
さらに新しい試みとして、訪日外国人の利便性向上を目的に「KDDI AI翻訳」と「KDDI TV 通訳」、
NICT(情報通信研究機構)の技術を活用した「音声翻訳」を搭載したタブレットの配備・
Free Wi-Fiの整備を実施。これらの施策で、訪れる人それぞれの目的に合わせて、
より安心して富士山を楽しめるといいます。