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PowerBuilder - 「PowerBuilder」とはなんぞや?(初心者向け)

Last updated at Posted at 2017-04-18

はじめに

オープン系のWebシステムとスマホアプリをメインの主戦場としておりますが、たまに業務系や基幹系のお話しを伺うことがあり、そこで「PowerBuilder」なる「聞いたことあるけど、単語以上のことは何も知らない」ネタを頂きましたので調べてみました。

想定読者

下記のような方々は恐らく役立つと思います。

  • 「PowerBuilderという単語を初めて聞いた」
  • 「聞いたことあるけど、何が出来るの?」
  • 「ウチのシステムはPowerBuildrってので作られてるらしいけど、何それ?」

PowerBuilderとは

単語

"PowerBuilder" 以前に、基本となる単語をば。

  • IDE ( Integrated Development Environment : 英語, 統合開発環境 )
  • RAD ( Rapid Application Development : 英語, 計算機プログラミング環境)
  • SAP SE ( Systemanalyse und Programmentwicklung Societas Europaea : 独語, 企業名 )
  • Appeon : 企業名
  • OData ( Open Data Protocol : 英語, データの照会や更新などを行うリソースベースなプロトコル )

PowerBuilderで出来ること

PowerBuilderは主として業務用アプリケーションに使用されている。サードパーティ製の拡張機能をビルドすることが可能であり、 Appeon社 や Visual Expert 社が提供している。

PowerBuilderはIDEに位置づけされるものであり、C++やC#で書かれている。また、PowerBuilderを使用することで、Microsoft Visual Basic, Microsoft Access のように、GUIでウィンドウの表示などの処理を記述することができる。

PowerBuilderの提供会社

SAP と Appeon が2010年にSybaseからPowerBuilderを取得したあと、2016年にAppeonが開発とサポートの中心的な役割を担うことで合意している。

PowerBuilderの歴史

  • 1991 : Powersoft によって開発される
  • 1993 : Powersoft が株式公開する
  • 1995 : Sybase により $904 million で取得する
  • 2010 : $5.8 billion で SAP が取得する
  • 2010 : メジャーアップデートを行い、Microsoft .NET Framework に対応する
  • 2014 : OData, dockable windows, 64-bit native applications に対応する

PowerBuilder は下記のような理由によりしばらく元気がなかったらしい。

  • 1996年に水増しされた売上報告が発見され、Sybaseの株が急落した後、Powersoftの初期開発チームのメンバーの多くがSybaseを離れた
  • Microsoft Visual Basic, Microsoft Access, and Delphi のような、GUIでデータベースと接続を作ることが出来る競合の製品によってマーケットのシェアを減らした
  • PowerBuilderはWebで遅く、ライバル企業がWeb開発をサポートをする中で、長らく2層構成(伝統的なクライアント - サーバ構成)に基づく開発を続けた。2層構成による開発はスピード感のある開発が出来る一方で、N層システムに対してスケーラブルな拡張性に欠ける面がある。

所感

  • 一時期は隆盛を極めたようですが、2000年代以降は元気がない模様
  • 2007年のマイナビニュースで COBOL 同様に「◯んだ技術?」として取り上げられている
  • 2010年にSAP/Appeonが取得してから、.NET対応したりして開発とサポートは継続している

PowerBuilder自体をどのように販売しているかまだ調べきれていないですが、下記のようなイメージであってるかな。。

  1. SIerがPowerBuilderのライセンス購入
  2. SIerがPowerBuilderを使ってアプリケーション作成
  3. 作成したアプリケーションをクライアントに納入
  • (ネットを見る限りだと)日本では販売代理店がサポート含めて対応している感じがする。
  • 枯れた技術とは言え、隆盛を極めただけあって使用経験のある企業やエンジニアはそこそこいるはず。
  • 隆盛を極めたころにPowerBuilderを使用して納入されたアプリケーションのサービス寿命が近づいているところが沢山ありそう。ただし、別サービスにコンバートするには相応のコストがかかるため、予算とコストを鑑みなからIDE/RADを使用して決められた枠に沿った作り直しするか、本格作り直しするか、そのまま使い続けるか、、、といったところか。。

※あくまで所感です

参考

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