はじめに
はじめまして!今回は Workato が提供する AI 連携基盤 MCP(Model Context Protocol) の中でも、エンタープライズ利用で大きな強みとなる VUA(Verified User Access / 旧 Runtime user connection) を紹介します。
VUA は、AI や MCP ツールが社内システムへアクセスする際に、“ユーザー本人の権限” をそのまま利用して処理を実行できる仕組みです。
従来のように共有トークンで一律の権限を渡す必要がなく、最小権限・監査性・コンプライアンスの面で非常に優れています。
VUA(Verified User Access)とは?
Verified User Access(VUA) は、エンドユーザーが自身の認証情報でアプリにログインし、その権限の範囲内で MCP ツールや AI がアクションを実行できるようにするWorkato独自の仕組みです。
特徴
- 誰の権限で実行されたかが明確
- ユーザーごとのアクセス制御(RBAC)を尊重
- エンタープライズ向けの監査性・ガバナンスを強化
- OAuth 2.0 を用いた安全な認証に対応
特に AI エージェントが業務システムにアクセスするケースでは、個別ユーザーの権限を正確に反映できる点が大きなメリットです。
なぜ VUA が必要なのか
AI に業務アクションを実行させる場合、次のような課題がよく発生します。
- 共有 API キーでは「誰が実行したのか」わからない
- 全ユーザーが同じ権限で動いてしまう
- 監査・コンプライアンス上のリスクが残る
VUA を利用することで、“ユーザーごとに正しい権限で AI が動作する” ため、企業での実運用に耐えうるセキュリティモデルを実現できます。
MCP サーバーでの VUA 設定手順
MCP サーバーで Verified User Access(VUA)を利用する方法は、2025 年 12 月時点で次の 2 つがあります。
- Genie の Enterprise Skill を利用する方法
- VUA を有効化したレシピファンクションをベースに MCP サーバーを構築する方法
今回は、後者である レシピファンクションをベースにした MCP サーバー構築方法 を紹介します。
手順 1:レシピファンクションを作成する
MCP が利用する レシピファンクション を作成します。
定義する Parameters schema / Result schema は生成 AI の入出力に直結し、動作の信頼性を高めます。
手順 2:アクション内で VUA を有効化する
レシピ内の任意のアクションで Verified User Access(VUA) を ON にします。
手順 3:AI Hub → MCP Server から MCP サーバーを作成する
AI Hub の MCP Server 画面から新規作成し、
Project Assets を選択して VUA 対応レシピファンクションを含めます。
手順 4:Access Method を Workato Identity(OAuth2)に変更する
MCP Server の設定で、
Access Method → Workato Identity(OAuth2) を選択します。
手順 5:Remote MCP URL をコピーする
MCP Server の Remote MCP URL をコピーしておきます。
後の ChatGPT 側の設定で使用します。
手順 6:ChatGPT で MCP アプリを作成する
ChatGPT 設定 → アプリとコネクター → Create app
Remote MCP URL を貼り付け、認証方法は OAuth を選択します。
手順 7:Workato にログインする
Workato ログイン画面に遷移するので、ログインします。
これにより 「誰が MCP を使うのか」 を Workato 側が把握します。
手順 8:VUA 対応アプリで認証し接続する
対象アプリ(例:Salesforce)に対し、
ユーザー本人の資格情報で接続を作成します。
リダイレクトされ、ユーザは自身の権限を持って、ログインします。

手順 9:接続を確認しウィンドウを閉じる
「接続済み(緑色表示)」を確認し、ウィンドウを閉じれば設定は完了です。

MCP サーバーでの VUA 動作デモ
ここでは、先ほど構築した MCP を利用し、
ChatGPT → Workato → Salesforce の流れで
ユーザー権限に基づいたリード自動作成 を実際に動かしてみます。
デモ 1:ChatGPT に指示を送る
まず、ChatGPT に以下のように入力します。
デモ 2:ChatGPT が MCP Server(ツール)を呼び出す
ChatGPT は登録済みの MCP Server を自動でツール呼び出しします。
デモ 3:Salesforce にリードが作成される
MCP → Recipe → Salesforce の流れで、
ユーザー本人の権限を使ってリードが作成 されます。
デモ 4:Salesforce 側で作成ユーザーを確認する
実際に Salesforce を確認すると、
GPT とやり取りしたユーザー本人の権限で作成されている ことがわかります。
まとめ
以上で、MCP × Verified User Access(VUA) の設定と動作デモの紹介は終了です!
- AI がユーザー本人の権限で安全に業務アクションを実行
- 監査・ガバナンス・最小権限の原則を強化
- エンタープライズで AI を活用するための重要な基盤
ぜひ、MCP の Verified User Access(VUA)を活用してみてください!








