mrubyとは、組込ソフトウェア向けに開発された軽量なRuby言語です。 mrubyの開発はGitHub上で行われているため、ソースコードや開発の様子はこちらで見ることができます。
今回はmrubyをCentOS7上にインストールし、"Hello World"するまでの手順を書いていきます。
mrubyの入手
mrubyのソースコードはGitHubから取得するため、まずはGitをインストールします。
※コマンドは適宜sudo権限で実行して下さい。
$ yum install -y git
次にGitHubからmrubyのソースコードを入手します。
$ git clone https://github.com/mruby/mruby.git
これで手元にGitHubにあるmrubyのリポジトリのコピーが手に入ったかと思います。
mrubyのビルド
mrubyをビルドするために必要なツールを入れていきます。
$ yum install -y gcc bison
gccはCコンパイラ、bisonはRubyの文法解析部を生成するツールです。
また、mrubyではコンパイルなどのビルド処理をRubyを使って制御しているため、Rubyの環境も用意してやる必要があります。
今回はRubyのバージョン管理ができるrbenvを使ってRubyの環境を作っていきます。下記のコマンドを順に実行して下さい。
$ yum install -y openssl-devel readline-devel zlib-devel
$ git clone https://github.com/rbenv/rbenv.git ~/.rbenv
$ git clone https://github.com/rbenv/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
$ ~/.rbenv/plugins/ruby-build/install.sh
$ echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
$ echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile
$ source ~/.bash_profile
$ rbenv install 2.5.0
$ rbenv global 2.5.0
最後から2番目のRubyのインストールには少々時間がかかるかと思います。
下記の通り、Rubyを利用する環境が整ったことが確認できるかと思います。
$ ruby -v
ruby 2.5.0p0 (2017-12-25 revision 61468) [x86_64-linux]
ここまで来ると、mrubyをビルドする環境が整いましたので、ビルドしていきましょう。
git clone
で落としてきたmrubyのディレクトリの中に入ってmakeコマンドを実行します。
この際に、mrubyディレクトリの中にあるbuild_config.rb
の設定を書き換えることで、利用するmrbgemなど、様々な設定を行うことができます。(今回は特に設定を変えません)
$ cd mruby
$ make
makeが終わると、binディレクトリの中にコンパイルされたmruby関連のコマンドができていることが確認できます。
$ ls -l bin
total 8040
-rwxr-xr-x. 1 root root 1829168 Mar 31 12:06 mirb
-rwxr-xr-x. 1 root root 1103880 Mar 31 12:06 mrbc
-rwxr-xr-x. 1 root root 1931576 Mar 31 12:06 mrdb
-rwxr-xr-x. 1 root root 1816592 Mar 31 12:06 mruby
-rwxr-xr-x. 1 root root 1543544 Mar 31 12:06 mruby-strip
mrubyを動かしてみる
それではmrubyを動かしてみましょう。
今回はbin配下のmirb
を用います。mirb
はmrubyの対話型インタープリタで、CRubyにおけるirb
に相当するコマンドです。
mirb
コマンドを実行すると対話型インタープリタが立ち上がるため、p "Hello World!"
を実行してみましょう。
$ bin/mirb
mirb - Embeddable Interactive Ruby Shell
> p "Hello World!"
"Hello World!"
=> "Hello World!"
"Hello World!"
が返ってきたら成功です!