はじめに
HPEシリーズスイッチ(本記事では5710を使用)を触る機会があり、運用する上で必要なdisplayコマンドについて、その機能と出力結果について自分の備忘録を兼ねて紹介します。
個人的にはCiscoコマンドに慣れていますので、対応するCISCO相当コマンドも併記しています。
コマンド一覧
HPE Comwareのdisplayコマンドは、Ciscoのshowコマンドに相当します。
以下に、主要なコマンドとその意味・用途についてまとめます。
| HPEコマンド | 意味・用途 | Cisco相当コマンド |
|---|---|---|
display current-configuration |
現在稼働中の設定を表示。 | show running-config |
display version |
スイッチのOSバージョン、機種名、稼働時間などを表示。 | show version |
display device |
スイッチのハードウェア情報(搭載モジュール、シリアル番号など)を表示。 |
show inventory / show module
|
display device manuinfo |
スイッチの製造情報(シリアル番号、製造日など)を表示。 | show inventory |
display power |
電源ユニット(PSU)の状態を表示。 | show power |
display fan |
冷却ファンの状態と回転速度を表示。 | show environment |
display cpu-usage |
スイッチのCPU使用率を表示。 | show processes cpu |
display memory |
スイッチのメモリ使用量を表示。 | show memory |
display interface brief |
全インターフェースのUP/DOWN状態とIPアドレスを簡潔に表示。 | show ip interface brief |
display ip routing-table |
IPルーティングテーブルを表示。 | show ip route |
display ip interface |
インターフェースごとのIPアドレス設定、ステータスなど詳細情報を表示。 |
show interface + IP情報 |
display mac-address |
スイッチのMACアドレステーブルを表示。 | show mac address-table |
display vlan brief |
VLANの一覧と、それに関連付けられたポートを簡潔に表示。 | show vlan brief |
display irf |
IRF (Intelligent Resilient Framework) スタックの状態を表示。マスターとメンバーを確認。 |
show switch /show switch virtual
|
display irf topology |
IRFメンバー間の接続トポロジーを表示。 | show switch virtual link |
display arp |
スイッチが学習したARPテーブル(IPアドレスとMACアドレスの対応)を表示。 | show ip arp |
display saved-configuration |
保存されている設定(再起動時に適用される設定)を表示。 | show startup-config |
display logbuffer |
スイッチの内部ログバッファに記録されたメッセージを表示。 | show logging |
出力例について
いくつかのコマンドに関して、出力例と内容について記載します。
display current-configuration
[HPE]display current-configuration
... (設定内容の抜粋)
#
sysname HPE5710
#
vlan 10
name SALES
#
interface GigabitEthernet1/0/1
port link-mode access
port access vlan 10
#
~以下省略~
CISCOで言うところのshow runningコマンドです。
現在の設定の確認や、設定変更後の確認などでよく使うコマンドです。
display device manuinfo
<Sysname> display device manuinfo
... (設定内容の抜粋)
Slot 1 CPU 0:
DEVICE_NAME : HPE 5710****
DEVICE_SERIAL_NUMBER : 123456789
MAC_ADDRESS : *****
MANUFACTURING_DATE : 2014-04-08
VENDOR_NAME : HPE
Fan 1:
DEVICE_NAME : HPE FAN***
DEVICE_SERIAL_NUMBER : NONE
MAC_ADDRESS : NONE
VENDOR_NAME : HPE
~以下省略~
「DEVICE_SERIAL_NUMBER」に書かれているシリアルが筐体のシリアルナンバーになります。
display irf
<HPE> display irf
--- IRF System Information ---
MemberID Role Priority CPU-Mac Description
*+1 Master 30 ****** Switch-A
2 Standby 10 ****** Switch-B
* indicates the device is the master.
+ indicates the device through which the user logs in.
The Bridge MAC of the IRF is: 3822-d66b-e252
Auto upgrade : yes
Mac persistent : 6 min
Domain ID : 0
MemberID の前に「*」が付いている方がMaster。「+」が付いている方がログインしている機器になります。
この表示例では、MemberID 1がMasterでかつログインしている機器となります。
display diagnostic-information※使用時は注意
display diagnostic-information
このコマンドはCISCOのshow tech-supportと同様の、システム全体の情報や設定などのログを包括的に取得するコマンドです。
トラブルシューティングやサポート窓口への問い合わせ時に使用することが想定されます。
ログはスイッチ内のファイルに出力する方法と、コンソール出力する方法がありますが、負荷がかかることと、コンソール出力は時間がかかるため、使用する際は注意してください。
その他
undoコマンド
設定を消すときは設定の前にundoを付けることで、その設定を消すことができます。
以下の例ではTen-GigabitEthernet1/0/1のAというポートdescriptionを消す場合になります。
※system-viewで管理者権限に移行してから実施する必要があります。
interface Ten-GigabitEthernet1/0/1
undo description A
まとめ
HPEのコマンドの中でよく使うと思われるコマンドについてまとめてみました。
HPEのCLIはCiscoとは異なるコマンド体系(display)を採用していますが、今回比較した設定確認やトラブルシューティングのコマンドについては、プラットフォームが異なってもその目的と役割が同じコマンドがあることが分かりました。
本記事がHPE機器に初めて触れる方などの参考になれば幸いです。
参考サイト