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【イベントレポート】GLOCOM/ブロックチェーン経済研究ラボ

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GLOCOMブロックチェーン経済研究ラボ第1回セミナー「ブロックチェーンの概要と発展可能性」【公開コロキウム】に参加してきましたので、気になったポイントを纏めました。

冒頭に、国際大学GLOCOM高木氏からブロックチェーンの仕組みについて丁寧に解説があった。ブロックチェーンはBitcoinだけでなく次世代のコンピューティングの基盤技術として期待されているわけであり、それこそが現在マーケットで一挙に期待が寄せされている要因。インターネットは情報、主にドキュメントのネットワークであるのに対して、ブロックチェーンは主体とモノのネットワークである。つまり情報流通だけでなく、ブロックチェーンは主体に紐付いた取引データ、資産データが連携、凝縮されたものである。さらに、P2P技術に共通する前提条件でもある悪意のあるノードも参加しているという事にも気を配る必要があり、セキュリティ、安全性担保の大前提はこれまでのシステムとは大きく異なる。

また、ビットコインのマイニングをめぐる経済性について、本来であれば新貨幣発行による持分希薄化によりビットコインは減価されていくはずであるのに、貨幣としての需要増加が大いに期待されており、現在も減価どころか増価しているのが現状。ビットコインブロックチェーンの大きな特徴であり、Proof of Work(マイニング)により参加者自らがプラットフォームの経済圏に積極的に関与している事であり、ブロックチェーンをスマートコントラクトなど非貨幣領域に使うとなった場合、このインセンティブの価値をどう整理して価値創出するかがポイントである。

NEM、Ethereumなどのブロックチェーンの特色の整理があったが、ここは後に資料が公開されるらしいので、そちらを参照されたい。

NEMの開発者として知られるソラミツ株式会社武宮氏。8年前に来日し、NECでインターンを経験後京都で研究活動を行い、現在起業家の立場にある。高木氏に解説を受け、独自の視点でもコメント。
Rippleはひとつの通貨だけでなく、IoU(独自通貨)を自由発行できるので様々な通貨に対応できるようになったのがブレイクスルー。NEM、Bitcon、Ethereumの比較すると、NUMが優れている点としては、P2P Time Serviceがある(20台のサーバーに問い合わせ、精度アップにより計算機能)、②サーバー評判(サーバーが嘘の取引をした場合にその情報を共有してブラックリストを作成)、取引スパムフィルタ機能など。また、自信の研究開発の体験からも、ビットコインを使っている色々使いにくい事が多く、やはりマイニング自体を無くしたかった。さらに、新規通貨の発行はしたくない為、デジタルアセットの機能を実装したと解説。

また、API実装及びリファレンス整備にも自信があり、Proof of Stake (自分の残高によってブロック管理の優先度を決める)、Proof of Importance(武宮氏が提案、グラフィカルに可視化した取引状況から、重要な取引きをしたユーザーを優先させる)も有効。

NTTサービスエボリューション研究所 大橋氏。スマートプロパティ向けの研究について解説。現在、ビットコインの堅牢性にみんなが気がついてきた段階であると考えられ、それによってスマートプロパティへの適用にも注目が集まっている。ただ、ブロックチェーンならではのキラーサービスはまだ出ていないのが現状であり、NTTとしてはそのサービスのひとつとしてデジタルアセット管理に注目している。今後の社会は一般消費者がどんどんコンテンツを発信する時代になると考えられ、受け身型サービスのComsumerが情報発信するCivil Casterへと変化している。

Ethereumに代表されるように、プログラムコードを埋め込めるブロックチェーンの登場により、任意の処理を実行させらえるという新しい概念が生まれた事が、可能性を広げている。スマートプロパティの場合は仮想通貨と異なり、紐づく対象がブロックチェーン外にあり、プロパティによっては多重複製が有効であるのも特徴的。

利用者は権利者を知らなくともブロックチェーンを介して許諾要求を行う事が出来、権利者は利用者からの許諾要求に対して直接ライセンス発行ができる。これはCivil Casterの時代に一意に中央集権型モデルではなく、新しいシステムアーキテクチャを提唱しているのではないか、と指摘していた。

最後のQ&Aでは「研究開発と実ビジネス部隊の連携はきちんとされているのか?」「冗長性を担保したRDBと何が違うのか」など様々な質問が出ていたが、ユースケースによっても大きく回答は異なると感じられた。また、現在の様々なブロックチェーンPoCが行なわれているが、現段階では「設計通りに動くかどうか」の確認がメインでありこれから商用に向けてはどうのスケールで実装すれば経済性が働くかなどが実証される必要があると提言されていた。