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【後編】AIを理解するための基礎 ― 機械学習からRAG・MCPサーバーまで

Last updated at Posted at 2025-11-12

🧠 はじめに

前編では、機械学習の基本構造深層学習(ディープラーニング) の仕組みを学びました。
今回はその続編として、「AIをどう活用するか」という実践視点に焦点を当てます。

特に、以下の3つの技術を中心に整理していきます。

  • RAG(Retrieval-Augmented Generation)
  • ファインチューニング(Fine-tuning)
  • MCPサーバー(Model Context Protocol)

本記事の学びのベースは paizaラーニング:生成AI組み込みアプリ開発入門 から得た内容を中心にしています。
paizaの講座を通じて、AIの仕組みを基礎から理解し、開発への応用を意識するきっかけになりました。


🧩 ファインチューニングとは

ファインチューニングとは、既存の大規模言語モデル(LLM)を自分たちの目的に合わせて再学習させる手法です。

LLMはすでに膨大なデータで「事前学習(Pre-training)」されていますが、
特定の分野や企業固有の知識に最適化するには、ファインチューニングが必要になります。

例:カスタマーサポート用AIの場合

  • 事前学習:一般的な言語や知識をすでに習得している。
  • ファインチューニング:自社FAQや顧客対応履歴で再学習を行う。
  • 結果:「自社の言葉やトーンで回答できるAIアシスタント」が完成する。

つまり、既存モデルの能力を土台に、自社専用AIを作る手法がファインチューニングです。


🔍 RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは

RAGとは、検索(Retrieval)と生成(Generation)を組み合わせたAIの仕組みです。
ファインチューニングとは異なり、モデル自体を再学習せずに、外部データを動的に参照して回答を生成します。

RAGの流れ

  1. ユーザーが質問を送信する。
  2. AIがその意味を解析し、ベクトル検索などで外部知識ベースを参照。
  3. 関連するドキュメントを抽出。
  4. その情報をコンテキスト(文脈)としてLLMに渡す。
  5. LLMが文脈に沿って回答を生成する。

Untitled diagram-2025-11-12-204825.png

RAGのメリット

  • モデルを再学習せずに最新情報を反映できる。
  • セキュリティ的に、安全な範囲のデータのみ参照できる。
  • 更新コストが低く、柔軟な知識運用が可能。

RAGの活用例

社内ナレッジやFAQをAIに連携し、社員の質問に常に最新の回答を返すようにする。
これにより、更新のたびにモデルを再学習する必要がなくなる。


🧰 MCPサーバーの役割

MCP(Model Context Protocol)サーバーは、AIモデルと外部システムの間を仲介する安全な中継サーバーです。

直接AIモデルが社内データベースにアクセスするのではなく、MCPサーバーを経由することで、
必要な情報だけを安全にやり取りします。

MCPサーバーの役割まとめ

  • 外部AI(LLM)との通信を安全に仲介する。
  • 認証やアクセス制御、ログ監査を行う。
  • データの秘匿性を確保し、社内ネットワークを保護する。

MCPサーバーを経由することで、AIモデルが不必要に社内データへアクセスすることを防ぐ構造になります。

Untitled diagram-2025-11-12-204511.png


🔒 セキュリティの全体像

AIを開発に組み込む際に最も注意すべきは、データと通信の安全性です。
特に、機密データや個人情報を扱う場合、RAGやMCPの導入は必須といえます。

リスク 対策
モデルが個人情報を学習してしまう RAGを使って参照のみで回答
外部通信での情報漏洩 MCPサーバー経由で通信を制御
出力に誤情報が含まれる ファインチューニング+RAGで精度向上

これらを組み合わせることで、安全かつ精度の高いAI運用が実現します。


🚀 今回の学びの総括

今回の学びで最も大きかったのは、AIをブラックボックスとして見ない視点を持てたことです。
内部でどのように学習が行われ、どのようにデータが参照・出力されるのかを理解することで、
「AIを使う」から「AIを設計する」視点へと発想が広がりました。

そして今後は、

  • API連携によるAI利用
  • RAGによる動的データ参照
  • MCPサーバーによる安全制御

これらを組み合わせることで、AIをアプリケーションに組み込む開発が現実的になります。


💡 これからの一歩

これからのエンジニアに求められるのは、
単にAIを使うスキルではなく、AIを活かして開発できる力です。

AIの仕組みを理解し、アプリケーションの中でどう連携させるかを考えることが、
次世代の開発スキルの核になると感じています。

「作って、動かして、理解する」
その繰り返しが、AI技術を自分のものにする最短の道です。


📚 参考リンク


✍️ 執筆者メモ
今回の学びを通じて、AIの仕組みを理解し、
RAGやMCPを活用したアプリ開発の方向性を掴むことができました。
これからは、実際に手を動かしてAIを組み込んだアプリ開発に挑戦していきます。

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