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False PositiveとFalse Negative

Last updated at Posted at 2018-07-06

False PositiveとFalse Negativeについてのメモ

ややこしくなりがちな偽陽性と偽陰性について、備忘録を兼ねた解説になります。

まずTrueの方は自明なので覚えなくてかまいません。Falseの方だけ覚えましょう。
例えば、ある人がガンかどうかの検査をする場合、
まず本当はガンの人はTrue Positive(黒) , 本当はガンではない人はTrue Negative(白)になります。
image.png

次に検査を行います。検査の精度は100%にはなりませんから、かならず「誤検知」が出てきます。
この誤検知は「False Positive」「False Negative」の二つに分けられます。

image.png

テストによる判定で陽性=ガンと判定されたのが赤い網ガケされたエリアです。
このとき
「テストでガンと判定されたけど、実はガンじゃなかった=False Positive」と
「テストでガンと判定されなかったけど、実はガンだった=False Negative」の誤検知が出てきます。

False Positiveは陽性の偽なので True Negative、
False Negativeは陰性の偽なので True Positiveです。

あなたがテストの設計者だった場合、テストの精度を上げるのに二つの方法があります。

1つはFalse Negative最小化です。
つまりテストで陽性判定が出なかった人がTrue Negativeに一致するよう、陽性判定の範囲を広げていきます。
image.png

2つめはFalse Positive最小化です。
テストで陽性判定が出た人はTrue Positiveになるよう、陽性判定の範囲を狭めていきます。
image.png

この二つの調整は用途が異なるのでどちらが良い、というものではありません。
シチュエーションによって使い分けることになります。

たとえば健康診断などではFalse Negative最小化が好ましいと言えます。
「実はガンだった=False Negative」ケースをスルーしてしまうと、
その人は必要な治療にアクセスできないからです。

また、症状は出ているが何の病気なのか分からない、といった場合、
False Positive最小化したテストで確定診断することが考えられます。
強力な副作用を伴う抗ガン剤を「実はガンじゃなかった=False Positive」の人に投与すると、
本来は必要ない処方で取り返しのつかないダメージを与えてしまうことになりかねないからです。

このように世の中のあらゆるテストは「False Positive」「False Negative」を含んでおり、
テストの精度を上げる場合、どちらを最小化するのかというトレードオフが頻繁に出てきます。

自動判定は真陽/真陰と一致する確率を上げるだけでなく、ニーズに応じて
「False Negative最小化=偽陽が増えることを覚悟して、陽性を広く捕まえる」のか
「False Positive最小化=偽陽を確実に潰して真陽を確定する」のか
判定の目的を定めておく必要があるのです。

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