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フェルマーの最終定理と互いに素

Last updated at Posted at 2015-09-01

はじめに

フライ曲線を考えるときや半安定を考えるときに,フェルマーの最終定理が成り立たないときの自然数 $a,b$ が互いに素であることが必要であった(詳しくはここ)。今回はそのことを示す。

動画で解説もしています:フェルマーの最終定理と互いに素

フェルマーの最終定理

自然数n≥3に対して

a^n+b^n=c^n \quad\quad\quad\quad(1)

を満たす自然数 $a,b,c$ は存在しない

共通に割れる数をもたない

フェルマーの最終定理が成り立たないと仮定する。このとき,(1)を満たす自然数 $a,b,c$ について,共通に割れる数をもたないと仮定しても良い(簡単に言えば,最初から割られている状態として良いってこと)。以下これを示す。

※共通に割れる数をもたない例 4,6,5
※共通に割れる数をもつ例 4,6,8

証明

(1)を満たす $a,b,c$ が共通に割れる数をもつとすると,

{}^\exists p,{}^\exists m_1,{}^\exists m_2,{}^\exists m_3\in \mathbb{N}\quad s.t.\quad a=m_1p, b=m_2p, c=m_3p

であり,$m_1,m_2,m_3$ は共通に割れる数をもたないとできる。このとき

(m_1p)^n+(m_2p)^n=(m_3p)^n\\
m_1^n+m_2^n=m_3^n

から $m_1,m_2,m_3$ は (1) をみたすので,$m_1,m_2,m_3$ を改めて $a,b,c$ と考えればよい。

aとbは互いに素

上のことからフェルマーの最終定理が成り立たないとき $a$ と $b$ は互いに素となる。なぜなら,そうでないとすると (1) の形から, $a,b,c$ は共通に割れる数を持ち矛盾するからである。 同様の理由で $a,b,c$ はどの組み合わせも互いに素となる。

したがって,フライ曲線が楕円曲線になることも,半安定になることも示された。

関連サイト

前の記事:フライ曲線が半安定である説明
次の記事:フライ曲線が楕円曲線である説明
僕のブログ:Hello Dream World

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