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Raspberry Pi Imager バージョン2.0でRaspberry Pi Connectを使ってみた

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Last updated at Posted at 2026-04-02

初めに

 Raspberry PiでOSイメージを書き込むための公式ツールである「Raspberry Pi Imager」は、2025年11月にバージョン2.0へアップデートされ、OSイメージの書き込み段階でRaspberry Pi Connectの設定が可能となりました。

 Imager バージョン1.9以前では、OSイメージを書き込む段階でRaspberry Pi Connectの設定を行うことができず、Raspberry Piを起動した後に、モニターやキーボードを接続してRaspberry Pi OSのデスクトップまたは、ターミナルから有効化する必要がありました。しかし、Imager バージョン2.0ではこの制約が解消され、OSイメージの書き込み時にあらかじめRaspberry Pi Connectを設定できるため、Raspberry Piを起動するだけでリモート接続が可能となりました。
 
 本記事では、Raspberry Pi Imager バージョン2.0を利用し、OSイメージの書き込み段階でRaspberry Pi Connectを設定する方法についてまとめていきます。

Raspberry Pi Connectとは

 まず、Raspberry Pi Connect(以下「Connect」)とは、Raspberry Piを世界中どこからでもリモート接続が可能で、安全に操作できるリモートアクセスツールとなります。2024年5月7日にベータ版として公開され、約1年のベータ運用を経て、2025年5月に正式リリースされました。

 従来はVNCの設定やTeamViewerのような外部サービスが必要でしたが、Connectを使えば他の設定や外部サービスを使用せずに、Raspberry Piの公式が提供するConnectのウェブポータル(以下「ウェブポータル」)のみでGUIおよびCLIの両方のリモート接続が可能となりました。

Connectの主な特徴

1. WebRTCを利用したリアルタイム通信

 Connectはすべての通信においてエンドツーエンドでWebRTCを採用しています。WebRTCは、ZoomやMicrosoft Teamsといったビデオ会議ツールで広く使われているリアルタイム通信技術で、低遅延かつ安定した通信を実現できます。

2. 通信はすべてエンドツーエンド暗号化

 Raspberry Piとユーザのブラウザ間の通信は、DTLS(Datagram Transport Layer Security)によって暗号化されます。そのため、通信内容は端末間で暗号化され、また、サービス提供者側でも暗号化されたデータは復号不可能な設計になっているため、通信内容が第三者やサービス提供者に見られることがなく、データのプライバシーを確保することができます。

 また、通信の大半はRaspberry Piとブラウザ間の直接通信(P2P)で行われるため、サービス提供者側が通信内容を予測することは極めて不可能になります。

3. ウェブポータルのみで複数端末からリモート接続が可能

 ウェブポータルには、https://connect.raspberrypi.com/sign-in からアクセスでき、Raspberry Pi IDでログインすることで、プライベートな環境でRaspberry Piのデバイスをウェブポータル上で管理することができます。
 また、スマートフォンやiPadなどの端末からも、同じリンクにブラウザからアクセスすることで、ウェブポータルにログインすることができ、リモート接続を行うことができます。そのため、端末ごとに追加のソフトウェアやアプリをインストールする必要はなく、簡単にリモート接続が可能となります。

 リモート接続方法は、「Screen sharing(リモートデスクトップ)」と「Remote shell(リモートシェル)」があり、どちらの接続もウェブポータル上から可能です。

*Rasberry Pi IDは、Raspberry Pi公式サイトのユーザアカウントになります。

Connectを使用するための条件と対応環境

 Connectを使用するために以下の条件や環境が求められます。

  • Raspberry Pi OS Bookworm以上
  • Raspberry Pi Imagerのバージョン2.0以上
  • ブラウザは一般的な環境で利用可能

Raspberry Pi Connectのセットアップ手順

0. 事前準備

 まずは、PCにRaspberry Pi Imagerをインストールする必要があります。Raspberry Pi Imagerは、Raspberry Pi用のOSイメージをSDカードなどの記憶媒体に書き込むための公式ツールとなります。
 以下の公式サイトにアクセスし、利用しているホストOS(Windows / macOS / Linux)に対応したインストーラをダウンロードしてください。
👉 https://www.raspberrypi.com/software/

 次に、OSを書き込みたいSDカードを、SDカードリーダーなどを使用してPCに接続します。SDカードを接続したら、インストールしたRaspberry Pi Imagerを起動してください。

1. Raspberry Pi ImagerでOSの設定

 ImagerのOS選択画面にて、Legacy以外のBookworm/Trixie系のOSを選択します。今回は推奨とされているTrixie(64-bit)を使用して実施していきたいと思います。

スクリーンショット 2026-03-24 211134.png

2. CustomisationでConnectを有効化

 Imagerの「Customisation」でホスト名やWi-Fiを設定した後、「Raspberry Pi Connect」の設定画面に進みます。「OPEN Raspberry Pi Connect」を押すとウェブポータルが開きます。

スクリーンショット 2026-03-24 211603.png

 Raspberry Pi ID (以下「ユーザアカウント」) がない場合は、作成する必要があります(手順3参照)。すでに存在する場合は、ユーザアカウントでログイン後、手順4に進んでください。

3. Raspberry Pi IDの作成

 初めにユーザアカウントを作成する必要があります。以下、ウェブポータル画面の「create one for free」をクリックしてください。

スクリーンショット 2026-03-24 212052.png

 メールアドレス・パスワード・ニックネームを入力し、メール認証を行うことでユーザアカウントが新規に作成されます。

スクリーンショット 2026-03-24 212114.png

4. 認証キー(Auth key)の作成

 ウェブポータル側で「Create auth key and launch Raspberry Pi Imager」を押すと、認証キーが作成され、Raspberry Piデバイスとウェブポータルのユーザアカウントと紐づけられます。

スクリーンショット 2026-03-24 212344.png

 Imager側ではウェブポータルでの認証キー作成後、自動的にトークンが払い出されます。

スクリーンショット 2026-03-24 212638.png

5. Raspberry Piを起動してConnectに登録

 最後にImagerで書き込んだSDカードをRaspberry Piに挿して起動すると、ウェブポータル画面にてデバイスが自動的に追加されます。

スクリーンショット 2026-03-24 215032.png
 リモート接続するには、ダッシュボードの「Devices > Connect via」から「Screen sharing(リモートデスクトップ)」または「Remote shell(リモートシェル)」を選択します。選択後、ブラウザ上に別途リモート画面が表示され、操作することができます。

実際に使ってみての感想

 OSイメージを書き込む段階で、Raspberry Piデバイスをウェブポータルのユーザアカウントと紐づけることができるため、あらかじめRaspberry Piとモニターを接続して設定を行う必要がなく、Raspberry Piを起動するだけでリモート接続が可能となる点は、非常に便利だと感じました。

Screen sharing

 ウェブポータルから"Screen sharing"のボタンを押すだけで、簡単にリモート接続ができRaspberry Piのデスクトップ画面を表示することができます。また、試しに自宅のWi‑Fiを切断し、外部の別ネットワーク環境から接続してみましたが、問題なくRaspberry Piにアクセスすることができました。

 リモート接続時には若干の遅延は見られたものの、画面操作や簡単な作業を行う分には支障はないと思いました。

スクリーンショット 2026-03-24 215144.png
 
 また、リモート環境ではローカルとリモート間でのコピー&ペーストがでうまくできないことがよくありますが、Connectでは、デフォルトUIの右上に「Copy from remote」「Paste to remote」のボタンが用意されており、これらを使えば、ローカルでコピーした内容をリモートに貼り付けたり、リモートでコピーした内容をローカルに貼り付けたりでき、効率的に作業ができ、とても良いと感じました。

Remote shell

 ウェブポータルから"Remote shell"を選択すると、リモートシェルのみを表示させることができます。そのため、わざわざリモートデスクトップ画面からターミナルを開くような操作が不要となり、また、複数のターミナルを表示させることも可能でした。

スクリーンショット 2026-03-24 214753.png

スマホでのリモート接続

 スマホで "connect.raspberrypi.com" にアクセスし、作成したユーザアカウントでログインすることで、スマホでもPC同様にリモートデスクトップ及びシェルを操作することができます。実際にスマホからリモート接続を行ってみたところ、レスポンシブデザインに対応しており、機能性はPCより劣るものの、スマホでも問題なく操作できる設計になっていました。

 シェルでは、コマンド入力する際にキーボードが自動的に表示されるため、スマホでも簡単にコマンドを実行できる点が興味深かったです。

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最後に

 Raspberry Pi Connectは、公式が提供するブラウザベースのリモートアクセス機能であり、設定の簡単さやセキュリティが担保されていることが特徴になります。外部サービスのインストールや特別なネットワーク設定が必要なく、手軽にリモートデスクトップ及びシェル接続できるため、自宅サーバーの導入難易度が低くなったと思います。

 また、Raspberry Pi Foundationは2026年3月20日に、Raspberry Pi Connectの新機能としてRemote Update(OTA)機能をベータ版として提供を開始しており、ネットワーク越しにソフトウェアの更新やスクリプトの実行が可能となり、効率的なソフトウェア更新や運用の効率化が期待できます。

 Raspberry Pi Connectは、このように継続的な機能追加や改善が行われている点も大きな特徴だと思います。今後どのようにアップデートしていくか日々追っていきたいと思います。

参考文献

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