ゼロから始めるAI駆動開発+Claude Code連載について
この記事は、アドベントカレンダーを1人で完走する試みの7記事目です。
「AIモデルの進化、AIツールの進化が早すぎて着いていけない…」
「このままではいけないと思って学びたいけど、どこから手を付けたらいいか分からない…」
「そしてこの先、AIに仕事が奪われてエンジニアでいられるかも不安…」
といった悩みを解決するためのアドベントカレンダーです。
AI駆動開発の基礎、現時点でのデファクト・スタンダードと言えるClaude Codeの基礎から応用、AI時代のキャリア論からAI推進までを取り扱います。
Claude Codeを選ぶべき3つの理由
この記事を読んでいる時点でClaude Codeをまだ触ったことがない、あるいはメインで利用していない方は、以下のような悩みがあると推測します。
- たくさんありすぎて何を選んだらいいのか分からない
- AIツールの流行り廃りが激しいので、学んでもすぐ廃れて無駄にならないか心配
- 自分に合ったツールであるか分からない
この記事では、結論Claude Codeを選ぶべきである理由を3つ紹介します。
- すでにデファクト・スタンダードであり、エコシステムやコミュニティが大きい
- 覆される可能性が現時点で低い
- 機能が豊富でカスタマイズ性に優れ、実現したいことを実現できる
そして明日からの連載は、いよいよそのClaude Codeの紹介とチュートリアルに入っていきます。
1. すでにデファクト・スタンダードであり、エコシステムやコミュニティが大きい
まず1つ目の理由は、「すでにデファクト・スタンダードであり、エコシステムやコミュニティが大きい」ことが挙げられます。
AI駆動開発においてIDEやCLIは戦国時代が続いていますが、以下グラフを見るとClaude Codeの勢いが圧倒的と言えます。
もしこれが1, 2ヶ月なら一過性のブームと言えますが、半年間ずっと記事投稿数でトップなのは、既にデファクト・スタンダードになっている証拠と言えるでしょう。
国内に限らず、海外でも動きは活発です。Claude Codeのコミュニティは成熟しており、多様なライブラリやプラグインが登場しています。例えばAWS製のIDE「Kiro」がSDD(仕様駆動開発)という新たな概念を持ち込みましたが、わずか1〜2ヶ月で海外ではSpec Kit, OpenSpec, 国内でもcc-sdd等がClaude Codeを中心に登場し、Kiroを使わずともSDDを利用することができるようになりました。
デファクト・スタンダードであることで、当然人やお金はそこに集まります。結果的に機能は洗練されていき、提供終了になる可能性は下がり、ネットワーク効果でさらに人やお金が集まっていきます。
みんなが使っているので、使い方が分からない時はググることでたくさん記事が出てきます。
そしてデファクト・スタンダードであるということは、現在の「GitHub利用経験」のように、今後転職する際は「使っていないと不利」になる可能性すら出てくるかもしれません。つまり今のツールをどうするかという問題に留まらず、今後のエンジニアとしての市場価値を上げ続けることに寄与するのではないでしょうか。
それぐらい、「デファクト・スタンダードであること」は、ツール選定において大きな理由になり得ます。
2. 覆される可能性が現時点で低い
2つ目の理由として、他社に覆される可能性が現時点で低い点を挙げます。
現状のAI駆動開発の勢力図を整理した上で、覆される(他社にシェアを奪われる)可能性を検討してみます。
まずAI駆動開発におけるプレイヤーは、GitHub Copilot(GitHub), Cursor(Anysphere), Codex(OpenAI), Devin(Cognition), Gemini CLI/Antigravity(Google), Claude Code(Anthropic), Kiro(Amazon)等が挙げられます。
そしてそれぞれ展開している領域を、主観で評価すると以下のようになります。
| ツール | IDE | CLI | Cloud |
|---|---|---|---|
| Claude Code★ | △(拡張) | ◎ | △(on the web) |
| Cursor | ◎ | △ | △(Cloud Agent) |
| Codex★ | △(拡張) | ◯ | △(Cloud) |
| Google★ | ◯(Antigravity) | △(GeminiCLI) | △(Jules) |
| Kiro | ◯ | △ | △(autonomous) |
| Copilot | △(拡張) | △ | △(Agent) |
| Devin | - | - | ◯ |
モデル開発のメリット
★を付けたツールは、有力なAIモデルを提供しているメインプレイヤーです。
まず、ツール提供元がモデルを開発しているとモデル使用料がかからないため、コスト構造上有利に働きます。CursorもComposer 1という自社モデルを出してきましたが、主力はClaude, Gemini, GPT系を利用しています。サードパーティ製モデルを主に使っている場合は当然ツール提供者も多額のモデル使用料が発生して収益を圧迫するため、長期的に不利になります。
よってこの観点において、Claude Code, Codex, Antigravity等は収益が出やすい構造であり、資金が枯渇することによる衰退・撤退の可能性は多少下がります。
領域での勝者
現在AI駆動開発の領域はIDE, CLI, Cloudに分かれます。
そしてIDEでの勝者はCursor、CLIでの勝者はClaude Codeと考えています。Cloudは一応Devinが先駆者ではありますが、現時点で主戦場にはなっていません。
そのため、今選ぶべき無難な選択肢はCursorもしくはClaude Codeと言えます。
その中でも敢えてClaude Codeを選ぶ理由は前述のモデル開発面に加えて、競合の状況にあります。
Cursorは確かにIDE市場での優位を築いてきましたが、2025年11月にGoogleからAntigravityが登場したことで、大きく牙城を崩される可能性が出てきました。その様子を他社が静観しているとも思えず、2026年はIDEの競争が激化する可能性を秘めています。
対してCLIはどうでしょうか。
OpenAIのCodex、GoogleのGeminiCLIといった強力な対抗馬になり得るツールは半年前にリリースされていながら、Claude Codeの牙城を一向に崩せる気配がありません。一時期CodexがClaude Codeの機能を真似て短期間のアップデートを繰り返していましたが、今はその追従もピタッと止まっています。
そしてOpenAIはGemini 3.0の登場によってコードレッドを出しており、今CLIツールに多額の人とお金をつぎ込む余裕はないように見えます。GoogleもしばらくはGeminiとNano Banana Pro、Antigravityといった領域で優位を取ることを優先するはずでしょうから、大手AI企業が本腰入れてCLIツールを捲りにくる可能性は低いと見ています。
つまりここから謎の新興企業が革新的なCLIツールを出さない限り、CLIツールはClaude Code一強が続くと見られます。
可能性としては、IDEが圧倒的に進化をすることでCLI領域をディスラプト(崩壊)するかもしれません。しかしCLIの特性上、自動化やCI/CDといった面から活用が広がっていったため、利用割合が減ることはあっても完全に駆逐されることは無さそうです。
結論、CLIツールにおけるClaude Codeの立場は比較的安泰と言えます。
3. 機能が豊富でカスタマイズ性に優れ、実現したいことを実現できる
最後3点目として、「機能が豊富でカスタマイズ性に優れ、実現したいことを実現できる」を挙げます。
Claude Codeは登場以降、革新的な概念を次々実装してきました。
カスタムコマンド、サブエージェント、エージェントスキル、フック等です。MCPも元々Anthropicが提唱した概念で、今やどのツールでも当たり前に導入されています。
Cursorと比較しても、AI駆動開発という観点においてはClaude Codeの方が先進的かつ、カスタマイズ性に優れています。
それぞれの概念は本連載で1つずつ触れていきますが、それらを有効に使うことで効率的な開発体験が提供されています。つまり誰が使っても同じツールではなく、理解を深めて整備し続けるほど開発生産性は向上します。
そのため今からキャッチアップして使いこなすことで、より多く価値を提供できるエンジニアになることができます。
最後に
- たくさんありすぎて何を選んだらいいのか分からない
- AIツールの流行り廃りが激しいので、学んでもすぐ廃れて無駄にならないか心配
- 自分に合ったツールであるか分からない
といったありがちな悩みに対し、以下3点からClaude Codeを推奨することを説明しました。
- すでにデファクト・スタンダードであり、エコシステムやコミュニティが大きい
- 覆される可能性が現時点で低い
- 機能が豊富でカスタマイズ性に優れ、実現したいことを実現できる
IDEの競争を横目に見つつ、CLIツールとして盤石の地位を築いているClaude Code、一緒に学んでいきましょう。明日からの連載もぜひご覧ください。
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Claude CodeとAntigravity中心にキャッチアップして、たまにQiitaやZennで発信しています。
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