概要
本記事は、 新卒2年目でGoogle Cloud認定資格14種を9ヶ月で全冠した記録と、MCPを使った学習方法の紹介です。
対象読者
- Google Cloudの認定資格を、効率よく・手早く一通り揃えたい人
- 実務経験の少なさを理由に受験をためらっている人
はじめに
Nishiです。普段はIT企業で、Google Cloud、Google Workspaceの組織設計・管理と、Vertex AIまわりの開発を担当しています。
新卒2年目で、エンジニアとしてのキャリアはまだ浅い方です。それでも、2026年9月時点で提供されているGoogle Cloudの認定資格14種を、この9ヶ月ですべて取得できました。
取得のきっかけは、業務でGoogle Cloud関係の設計を任されたことでした。それならちゃんと裏付けを取っておこうと思い、最初に受けたのが Professional Cloud Architect です。本来ならCloud Digital Leaderから順番に積み上げていくのがセオリーですが、私は業務との関連が深い上位資格から始めました(逆張りがすぎるので正直あまりお勧めはしません💦そういう取り方もあるんだ、くらいに読んでいただければと思います)。
その後、せっかくならと全資格を取り切ることに決めました。Google Cloudの全体像を体系的に押さえたかったのと、単純に触っていて面白かったからです。2025年12月から2026年9月まで、約9ヶ月かけて取り組みました。
取得にあたっての前提
- 筆者のITの基礎知識は、2025年10月に応用情報技術者を取得した程度です。
- GCPの知識は、学生時代にFirebaseで軽く開発していた程度で、ほとんどありませんでした。
取得資格一覧(取得順・体感難易度つき)
| # | 資格 | レベル | 取得日 | 体感難易度(5段階) | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Professional Cloud Architect | Professional | 2025-12-14 | ★★★★☆ | Google Cloud全般を学べました。Artifact RegistryやCloud Buildなど、デプロイパイプライン周辺の知識がかなり活きました。 |
| 2 | Associate Data Practitioner | Associate | 2026-02-01 | ★★☆☆☆ | データパイプラインに触れるのが初めてで苦戦しました。以前データエンジニアリングの基礎を読んでいたので、ETL・ELTやデータメッシュといった基礎は理解が早く、学習の助けになりました。 |
| 3 | Professional Data Engineer | Professional | 2026-02-18 | ★★★★☆ | Associate Data Practitionerの延長で取得できました。 |
| 4 | Professional Cloud DevOps Engineer | Professional | 2026-03-16 | ★★★★☆ | GoogleのSREの考え方を学べて、受けてよかった試験です。Kubernetesの出題が多く、Podやノードといった基礎知識まわりで苦戦しました。一度触っておけばよかったと後悔しています。 |
| 5 | Professional Cloud Developer | Professional | 2026-05-16 | ★★★★☆ | 出題範囲がかなり広く、全試験で唯一1度落ちています。オブザーバビリティ周辺などDevOps Engineerと重なる部分が多く、続けて受験してよかったです。 |
| 6 | Professional Cloud Database Engineer | Professional | 2026-06-07 | ★★★☆☆ | BigQueryやCloud SQL、Firestoreなど、普段からよく触るサービスの問題が多く、そこまで苦戦しませんでした。 |
| 7 | Professional Cloud Network Engineer | Professional | 2026-07-20 | ★★★★★ | 後述しますが、最も受験してよかったと思う試験です。システムの解像度が一段上がりました。 |
| 8 | Professional Machine Learning Engineer | Professional | 2026-08-02 | ★★☆☆☆ | G検定の知識をそのまま活かせる問題が多く、苦戦しませんでした。G検定の学習経験があれば、短期間で取得が可能だと思います。 |
| 9 | Generative AI Leader (Japanese) | Foundational | 2026-08-15 | ★☆☆☆☆ | - |
| 10 | Professional Cloud Security Engineer | Professional | 2026-08-22 | ★★☆☆☆ | 普段Google CloudとGoogle Workspaceの組織管理をしている経験が、かなり活きました。VPCなどの内容はProfessional Cloud Network Engineerと重なるので、先にそちらを取得しておいてよかったです。 |
| 11 | Professional Security Operations Engineer (Japanese) | Professional | 2026-08-29 | ★★★★★ | 最も難しい資格でした。SCC(Security Command Center)周辺やサードパーティのセキュリティツールの知識が前提になるため、ほかの資格や業務の知識を活かしづらかったです。その分、セキュリティの考え方がかなり身につきます。 |
| 12 | Associate Google Workspace Administrator | Associate | 2026-09-06 | ★★☆☆☆ | Google Workspaceを普段から触っていれば難なく合格できます。逆に触っていなければかなりイメージし辛い分野だと思います。 |
| 13 | Associate Cloud Engineer | Associate | 2026-09-21 | ★☆☆☆☆ | - |
| 14 | Cloud Digital Leader | Foundational | 2026-09-22 | ★☆☆☆☆ | - |
学習方法
ここでは、私がとった学習方法を紹介します。Professional資格のほとんどは、同じ方法で学習しました。業務との関連が深い分野は、特に重点的に取り組んでいます。
認定資格学習の課題:インプットの手段が限られる
学習を始めて最初にぶつかった壁は、インプットの手段が限られていることでした。
Google Cloudの認定資格は対策書籍が少なく、インプットするには公式のオンライン講座やGoogle Cloud Skills Boostを使うか、公式ドキュメントを網羅的に読み込むしかないと認識しています。ところが私は動画教材が苦手で、公式講座はあまり頭に入りませんでした。Skills Boostに取り組む時間も、業務の都合で確保できませんでした。問題演習に入る前のインプットのハードルが、とても高かったです。
そこで、次の方法でインプットを行いました。
1. google-developer-knowledge MCPを使い、試験ガイドをノート化する
Google Cloudの認定資格には、出題項目をまとめた「認定試験ガイド」がそれぞれ用意されています。
参考:Cloud Architectのガイド
当初は、このガイドの項目ごとに該当する公式ドキュメントを探して読んでいましたが、効率が非常に悪い方法でした。
そこで、Geminiに公式ドキュメントを読み込ませ、項目ごとの解説ノートを作るSkillsを作りました。ハルシネーションを防ぐため、Googleの公式ドキュメントを参照できるgoogle-developer-knowledge MCPを使っています。コーディングエージェント兼エディタにはAntigravityを使いました。
作成したSkills
作成したSkillsは以下のとおりです。大した内容ではありません。
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name: gcp-exam-guide-notewriter
description: 認定試験ガイドのURLを受け取り、google-developer-knowledge MCPで公式ドキュメントを参照しながらノートを作成する。
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## 入力
- 試験ガイドのURL(PDFまたは公式ページ)
## ノート作成の方針
1. ガイド構造の洗い出し: 試験ガイドの大項目・小項目をすべて拾い出し、抜け漏れなくセクション分けしてから着手する。
2. 要素ごとの要約: 各セクションの要素について、google-developer-knowledge MCP を用いて要約する。
3. 用語の定義: 登場するサービスや技術名には、初見でも役割がわかる短い説明を添える。
4. 試験ポイントの明文化:試験ガイドから 「試験ではどう問われるか」「Google推奨のベストプラクティスは何か」を強調する。
5. Markdown装飾の活用: `> [!IMPORTANT]` や `> [!TIP]` を使い、最重要ルールや実務的なコツを視覚化する。
6. 出典の明示: 参照した公式ドキュメントのURLをセクション末尾に付記し、断定できない内容は「要確認」と書く。
7. 別ファイルへの出力: セクションごとに `{資格名}_study_guide_section[N].md` として出力する。
実際にできあがったノートの一部を載せます。
細部までは踏み込まない、ざっくりした知識レベルのノートです。それでも、これを読むだけで問題を解くための基礎知識は身につき、用語やサービス名がわからずに手が止まることはなくなりました。頻出のコマンドや操作といった細かい部分は、問題を解きながら覚えていきました。
#### 🔹 ネットワークの集約(Shared VPC)
- **Shared VPC (共有VPC)**: 単一のVPCネットワークを複数のプロジェクトで共有する技術。
- **ホストプロジェクト**: ネットワーク(サブネット、FW)を一元管理する「親」。
- **試験ポイント**: インフラチームがサブネットを作成し、アプリチームのサービスアカウントに
`networkUser` ロールを付与(サブネットの利用権のみ渡す)という職務分掌が正解。
> [!IMPORTANT]
> サービスアカウントのベストプラクティス
> - Workload Identity: GKE等のポッドに Google Cloud サービスアカウントの権限を安全に付与する仕組み
> - Impersonation(なりすまし): キーを発行せず、一時的にサービスアカウントとして振る舞う権限を与える方式
2. Udemyの問題集で仕上げる
ノートでインプットしたあとは、Udemyの模擬試験で演習します。
基本は2周です。時間がない試験は、1周解いたあと、間違えた問題だけを簡単に見直しました。
実際に使っていた問題集は以下のとおりです。
| 資格 | 講座名 | 講師・作成者 |
|---|---|---|
| Professional Cloud Developer | 詳解 Google Cloud Professional Cloud Developer (PCD) 模擬試験・改訂2版 | G. Master |
| Professional Data Engineer | Google Cloud 認定 Professional Data Engineer 模擬問題集 | Cloud Smog |
| Associate Data Practitioner | 【2026年最新】Google Cloud Associate Data Practitioner(ADP) 模擬試験 | TKC Google Cloud試験対策の専門家 |
| Professional Security Operations Engineer | 【2026年最新】Professional Security Operations Engineer 模擬試験 | TKC Google Cloud試験対策の専門家 |
| Professional Machine Learning Engineer | 【2026年】Google Cloud Professional Machine Learning Engineer講座 | TKC Google Cloud試験対策の専門家 |
| Professional Cloud Network Engineer | GCP Professional Cloud Network Engineer Practice Exams 2026 | Priya Dw |
| Professional Cloud Database Engineer | Google Cloud Professional Cloud Database Engineer 模擬試験 180問 | Shin Saito |
模擬試験を解く
Google Cloudの認定資格にはそれぞれ模擬試験が用意されています。これを最後に解いて復習することで本番前の仕上げを行っていました。絶対に各試験一度は解いたほうがよいと思っています。
例:Professional Cloud Architectの紹介ページ
特に受験してよかった3資格
14資格のなかで特に受けてよかったのは、Network Engineer、DevOps Engineer、Developerの3つです。どれも業務に直結する内容でした。しかもこの3つは、インフラエンジニア、SRE、アプリエンジニアという、立場の違う職種の考え方をそれぞれ学べる組み合わせになっています。新卒2年目のうちに受けられて、本当によかったと思っています。
Professional Cloud Network Engineer
全14資格のなかで、最も受けてよかった試験です。
私はネットワークの実務経験がほとんどありません。これまでVPCやファイアウォールルールは「すでに設定されているもの」として扱っていて、通信が実際にどこを通っているのかを意識したことはほぼありませんでした。
この試験を通して、ユーザーのリクエストがアプリに届くまでの経路を、頭の中で描けるようになりました。システム全体の解像度が一段上がった感覚です。
Professional Cloud DevOps Engineer
この試験の軸は、Googleが提唱するSREの考え方です。SLOやエラーバジェット、ポストモーテムの文化などを学びました。運用を、設計の段階から組み込むものとして捉えられるようになったのは大きな収穫です。運用への抵抗感もなくなり、今では挑戦したい分野のひとつになっています。
一方で、Kubernetes(GKE)の出題が多く、触った経験がなかった私はかなり苦戦しました。一度でも手を動かしておけばよかったと思っています。
Professional Cloud Developer
Cloud RunやCloud Buildなど、アプリ開発でよく使うサービスの扱い方を学べたことで、業務への理解が一段深まりました。
ログやトレースでシステムの状態を把握するオブザーバビリティの分野は、実務でもかなり活かせています。
反省
- 取得順は、Cloud Digital Leaderから段階的に積み上げたほうがよかったです。逆張りがすぎました。類似資格のAWS Certified Cloud Practitionerを持っていたので優先度を下げていましたが、全体像を押さえてから積み上げたほうが、Professional資格の内容も定着しやすかったはずです。実際、土台ができていない段階で受けたProfessional Cloud Architectなどは内容があまり身についておらず、今後復習するつもりです。
- 実際に手を動かす機会が少なく、細かなコマンド操作は身についていません。それでも、業務でGoogle Cloudの話をするときに詰まることはなくなったので、得たものは大きかったと思います。手を動かした経験があれば、なおよかったです。
まとめ
Google Cloudの認定資格を全冠して得られたものは、主に次の4つです。
- 仕事の範囲が広がり、より踏み込んだ内容を任せてもらえるようになった
- 社内で「Google Cloudに詳しい人」と認識され、頼られる機会が増えた
- Google Cloudだけでなく、システム全般への解像度が上がった
- 学習の習慣がついた
Google Cloud認定資格のおかげで、新卒2年目としてよいキャリアのスタートを切れたと思っています。
今後もGoogle Cloud周辺の情報を発信していくので、読んでいただけるとうれしいです。
