先日、英語スピーチのワークショップに参加してきたのでレポートを書きます。
自分自身の振り返りと、会場の雰囲気を伝えられればと思います。
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イベントの概要
英語のスピーチ(ワークショップでは、「パブリックスピーキング」と言っていた)について、コツを教え、実践してみるワークショップ。
英語オンリー。講師の人も英語しか話さない。ただし、初心者向けということなので平易な英語で話してくれる。
流れとしては以下:
0.受付
1.講師の簡単なあいさつ
2.受講者が互いに英語で自己紹介
3.スピーチのコツについて
4.スピーチの準備
5.スピーチとフィードバック
6.解散
参加者は30人近くいて、7:3で国内:海外という感じ。
海外勢はアジア系や南米/メキシコの方が多かった。
以下、時系列で内容を書いてゆくことにする。
イベント内容
受付
会場に着くと、受付でネームカードを書いてワッペンのように服に貼り付ける。これで名前を呼び合うのだ。
そして講師らしき人から、主催者が用意したフライヤーを手に取るよう促された。
国柄は分からなかったが、金髪の白人女性。溌剌とした感じだった。ポジティブなイメージだ。
名前はHeatherさん。
会場は広々としていて、開放的な雰囲気。目の前に革製の立派なソファがあったが、なんとなく気後れしたので普通の机に座ることにした。
会場正面には前と左右に1つずつ、計3つのスクリーンがあり、プロジェクタで映像が映されている。SNSをフォローしてね!と満面の笑顔で宣伝する外国人男性の顔を何度も見ているうちに、思わずTwitterをフォローしていた。これがマーケティングというやつか(違
講師の簡単なあいさつ
時間になり、講師から挨拶。
ここで英語オンリーだと説明を受けた。いきなりハードルが高い。。いきなりなのはステーキだけで充分だ。
そもそも、中学校以来まともに英語でスピーチなんてやったこと無かったし、中学校だって英語暗唱大会をやっただけなので何も自信がない。connpassを見て勢いだけで応募してしまったことを後悔した。なぜ勢いで応募してしまったのだろうか??。後日自分を問い詰めたい。
なんというかうまくいえないが、参加者の人たちも意識の高い感じが出ており、会場入り前から高鳴っていた心臓がここで一気にうなりを上げてきた!
と思っていたら、講師から「そもそも英語を勉強しに来てるので、失敗とか気にしなくていいですよ~」や、「別に英語じゃなくたって人前で話すのなんて緊張してあたりまえなので、気にしないでいいよ!」と言われたので、気は楽になった。
ポジティブシンキング!がこのワークショップの大事なテーマのように思えた。よし頑張ろう。
受講者が互いに英語で自己紹介
会場には机が6~7台用意されていて、1台あたり6人は座れる。
自分が座った机には他に3人いて、その人たちと自己紹介することになった。
もちろん英語で。
日本語ですら難しい試練の訪れである。失礼のないように話そう。
名前と、所属と、講師から出されたお題であるパワーカラー(ここでは、見たり身に着けたりすることで自分の気分が良くなる色のこと)を話す。
紺色が好きなのに、紺色を英語で何というのか思いつかず、「ディープブルー」と言ってしまった。いやいやいやデカい鮫かよ!普通にネイビーって言えば良かったと、ワークショップが終わってから気が付いた。
みんな英語を仕事で使ってるようで、かなり慣れている感じだった。たどたどしい自分の自己紹介にも優しく対応してくれたのが嬉しい。
スピーチのコツについて
自己紹介がある程度済んだところで講師が話を区切り、講義形式でスピーチについて
コツを教わる。
主に精神面(マインドセット)、スピーチ中の振る舞いや抑揚、そして、話す内容についてだ。
大事なことは失敗を恐れないこと
これは強調された。「いや、それは分かるけどさ。。」と思っていたが、たっぷり5分くらい強調して話される頃にはすっかりその気になっていた。
後で参加者同士で懇親会をやったときに分かったのだが、やっぱりみんな緊張していたので参加を歓迎する環境づくりは非常に大事なのだなと感心した。とにかくこれで、失敗を許容し、挑戦を歓迎する環境が整ったと思う。
スピーチ中の実際の立ち居振る舞い、声のトーンなど
アイコンタクト
相手を見据えるでもなく、しかし全く見ないでもなく、自然な感じで行う。
「自然な感じで」というのはよく分からない表現だが、要は「あなたに向かってしゃべっているんですよ」ということを訴えるために行うことを意識する。
姿勢
肩は前に出さずに自然に引き、腕は腰から上に持ってくる。胸をはって背を伸ばす。
常にでなくても良いが、笑顔を作る。笑顔は大事だと強調された。表情はスピーチの内容によって変える必要はあるけれど、とりあえず笑顔から始まる。そこから、内容によって表情を変えて臨場感を表現していけばいい。
(人種差別問題を訴えているときにバカみたいに笑顔でいるとヒンシュクを買う!)
自信をもって話す
声のトーンは一定になりすぎず、しかし大げさになり過ぎず。ボディランゲージでも同じで、大げさにやりすぎても良くない。しかし直立不動でいるよりは、少し歩いてみたり、動きを交えたりすると感情が伝わりやすくなる。
発音は、早すぎず、クリアに、わかりやすくはっきりすること。
ネイティブっぽく話すより正しく伝えようとすることのほうが大事らしい。
内容
スピーチの内容としては、ただ感想を述べるだけではなく話にヤマとオチをつけて、興味をもってもらうように話すことが良いそうだ。
エンゲージ(聴衆を無視しないこと)が大事なのであると、そういうことだと解釈した。ちなみにストーリーについては、映画評論家の町山智浩さんが音声解説で語っているので、興味のある人は聴いてみてほしい。
いよいよ、実際にスピーチをしてみることになった。
スピーチの準備
講師が赤いカードを人数分用意し、そこに書いてあるテーマについてスピーチをすることになった。お題を確認し、5分で内容を考えて1分間話す。高いハードルだ。会場がざわついた。
自分が受け取ったお題は「breaking rules」。規則を破れ、という意味だろうか?
すこし考え、映画『俺たちに明日はない』がそれまでのハリウッド映画の常識を覆した革命的な映画であったことを話そうと思った。
これも前述した町山さんの解説の受け売りなので内容は割愛するが、論旨としては「規則を破る」ことをポジティブに捉え、変化を恐れないことの大切さや面白さを話そうと思った。
そして時間を迎え、スピーチが始まった。
スピーチとフィードバック
スピーチ前にリラックスするための呼吸法、表情の作り方、ボディランゲージのやり方を全員で実践。そして会場後ろの観覧席に参加者が集められ、登壇者は会場前方のステージから観客に向かって話す。なんだか中学時代を思い出す。気分が高揚する。
一人目は海外の方。さすがにうまい。自然な抑揚、クリアな発音。話の内容もきっちり1分に収めた。講師が自己評価を訊ね、それから参加者がフィードバックをした。
「良かった点を言ってあげて」と講師から言われていたので、自分も良い点を探してそれを言った。たどたどしかったし正直ルー語だったので伝わったかどうかはさておき、なるべく発言するようにした。
ここで印象的だった点は以下の通り:
誰でもやっぱり人前で話すのは緊張する
自己評価で「I'm very nervous」という第一声がほとんどの人から聞こえた。完璧なスピーチをしたと思っていた人も例外なくそうだった。自分だけじゃない、みんな緊張しているんだ。それでも積極的に行動を起こすことに感動した。
話す内容を丸暗記しない
これは講師からのフィードバック。丸暗記すると話せなくなる。というわけで話の流れをいくつかのまとまり(structure)に分けておき、それに従って話すと良いと教わった。
機会を逃さない
これも講師から。登壇者だけじゃなく聴衆も緊張していたので、最初はなかなかフィードバックが出なかった。そしたら「Do not wasting opportunity!」と注意された。その後はみんな積極的にコメントできるようになった。
そういえば、最初に登壇したのも、フィードバックを最初にしたのも、海外の方だった。文化の違いなのかもしれないが、今は喋りに来ているのだから喋ろう!という気になった。
解散
結果からすると、時間の関係で全員はスピーチできなかった。だいたい8~9人くらいが登壇して、みんな堂々としゃべった。日本人は4人くらい。その中に自分もいた。
予想はしていたが内容は散々だった。1分に収めることはもちろん、声のトーン、アイコンタクト、自信、など、実践できたことは少なかった。ただ緊張していたことだけが自分自身に突き刺さるくらいわかった。
「練習が足りない」と講師に言われたのが一番こたえたが、とりあえず喋りたかったので喋った。それで良かった。楽しかったのだからそれで良い。それに、フィードバックを貰えたのは嬉しかった。チャレンジすることは良いことなんだと言ってもらえている感じがした。そこに救われた。
そしてワークショップの全行程が終了し、解散した。
(番外)終わりに
ワークショップが終わったあとで参加者数人と呑みに行った。
海外の人もいたので、日本人について思うところをいろいろ聞けた。
・二面性があって怖い(本音と建て前)。この人はいまどっちでしゃべってるんだろうと勘繰ってしまう。
・極端にフレンドリーか、極端に無愛想か、どちらかの人が多い。中間の感じの人が少ないので戸惑う。
・日本の女性は感情を表さないが、嫌なことがあるといつまでも覚えている。海外の女性は激しく怒るが、さっぱりしていて後に残さない。
・みんなアニメは好き。
・みんな日本が好き。
ワークショップは初めての経験だったが、とても面白かった。
最初はビビったしすごく帰りたかったが、実際にやってみると面白かった。
チャレンジすることは尊いんだという雰囲気が会場にあったので、とても楽しかった。
楽しいことや面白いことは、とても良いことだ!