ただいま転職活動をしています。
レジュメを書いたり面接をしていく中で、「仕組みが似てるかも」と思い、マッチングアプリ(恋人が欲しい人向けのアプリ)を使って参考になりそうな知見を集めることにしました。
結果的に、転職活動に必要な知見を得ることはできませんでしたが、サブスクリプション(ここでは月額課金をさせること)の参考になりそうな施策が見つかったので紹介します。
ちなみに、どんなアプリを使ったかは明記しません。
また、自身はマッチングサービスを開発したことはありません。サービスを利用した結果、「この施策はサービス提供する側になったときに使えそうだな」と思ったことを書いています。
どんな施策か
メッセージを送って相手からリプが来たときに、「このリプを見るためには課金が必要です」と表示して課金情報を表示させる施策です。
課金プランは1か月、3か月、6か月、12か月とあったのですが、「マッチングが成立し、恋人が出来た会員は本アプリを平均4か月利用しています」と書かれていました。
これらの情報を見て、「なるほどなぁ、上手くできているなぁ」と思ったのでした。
なぜ良いと思ったか
このアプリは、自分がメッセージを送って相手からリプを貰うまでに結構な労力が掛かるのです。さらに、相手から返ってきたリプに返答するということで、今まで自分が労力を掛けた結果マッチングしたという達成感を強く醸成します。
まず、相手からリプを貰うまでにどんな労力が必要かを解説します。プロフィール登録をすると、「モテ度チェック」という機能が使えるようになります。プロフィール写真やプロフィールメッセージの文字数など、大きく6項目に分けて、それぞれAからCランクで評価する機能です。総合ランクがAになると、Bに比べてマッチング率が倍以上になるという文句を付けてヤル気を高めるわけです。
このアプリは、随所にこういった定量情報を記載しているので、説得力があるのです。こういう姿勢は見習いたいものです。
さて、6項目のすべてをA評価にするまでに自分は5日くらいかけました。時間にすると30時間くらいです。ここまで時間を掛けると、「さあやっとリプが貰えたぞ!」という、「いざこれから」状態のときにいきなりお預けをくらったような感覚になるわけですね。これは、なかなか良い訴求を相手にもたらすと思います。
「なるほど、課金が必要なのか。しかしメッセージのやり取りをしたいだけなら1か月プランでも充分かな」などと思っていると、上記の4プランが出てくるわけです。1か月は短すぎるから3か月でも良いと思わせておいて、「いや、実はうまくいった人は4か月ですよ」と2重に訴求してくるわけで、「なるほど、じゃあ6か月にしようかな」と思うようになります。ここが非常に巧みだと感じました。
3か月プランと6か月プランだと料金が2倍違うかというとそうではなく、7000円くらいお得になります。これがどのくらいマーケティング的な効果をもたらすかは研究してないので何とも言えません。
まとめ
良い施策だと思ったポイントは4点です。
- 「実際に相手と話せる」という、結果に訴求するシチュエーションまであと一歩というところで課金案内を出し、課金させやすくする
- 課金プランとして「お試しプラン」的なプランを用意している
- 課金プランとして「しっかりプラン」的なプランも用意している
- 2と3のプランがあるので、ユーザは「そこそこプラン」的なプランを選ぶ可能性がある
大きく分けると、「あと一歩の状態をつくる」「その人の気持ちに合わせた選択肢がある」という点が良いかなと思います。