「 V 分で説明する RISC-V」https://qiita.com/nanbuwks/items/cc8e818416ec4a4cb3e4
において、RISC-V のメリットとして以下のようなことを挙げました。
Q&A
お金は?
- 商標を使用するにはライセンスが必要
同じようなもので MIPS があったんじゃないの?
- MIPS 命令セットは MIPS 社が所有、ライセンス料が必要
MIPS は、学生が MIPS 互換の学生プロジェクトを設計できるようにするためのライセンスとしてバークレー大学に 300 万ドルを求めていましたが、これがバークレー大学がそもそも RISC-V を設計することに決めた理由でした。
では実際に RISC-V を用いたマイコンは安いのでしょうか?
ここではRISC-V でもとりわけ組み込み領域のものに絞って考えてみます。
mcu のアーキテクチャ
mcu アーキテクチャー数多くありますが、アマチュアにも入手しやすく、安価なものとなると以下のようなものがあります。
- ARM
- 8085
- RISC-V
- MIPS
- MSP430
- Xtensa
- Renesas RX
- Renesas RL78
- PIC
- Atomel AVR
・・・
このうち、32bit で今後もどんどん発展拡大していきそうとなると、ARM と RISC-V あたり?
ARM vs RISC-V
ARM はライセンス料がかかる。RISC-V はその点有利、というお話を聞きます。しかしながら最近の ARM は安いぞ。
mcu コストが1ドル前後のもので比較すると、ARM は Cortex-M3 ぐらいのものとなります。 STM32F103 とか。
うーむ、流通を選べばどちらもそこそこ安いですね。
一頃は STM32F103 は全然手に入らずものすごく高騰してました。でもこの値段だとクローン品と比較しても ST 純正の方が安くなって逆転現象が起こっています。

今日現在の値段を元に ARM か RISC-V か選ぶとすれば、このくらいだと使い慣れた ARM 系の STM32 の方がいいような・・・
ソフトウェア開発についても、ARMよりも開発コストが高くなりそうな気がしています。ARM に比べてまだライブラリなどがあまり使いやすくないなど、RISC-V は開発効率が高くない印象を受けるためです。
STM32 のリスク
けれどもコロナ渦時に STM32F103 は全然入手できなくなった経験は大きいです。 ARM China がひところ物議を醸したこともあります。米中貿易戦争もいつまたとばっちりが波及するか予断を許しません。
では何がお得?
結局、値段だけを考えたらRISC-V は100%ベストプライス、というわけではない。けれども十分値段は安い。問題は開発コスト。
ARM でメテオフォールのようなイベントが発生したときの保険、として慣れておくのは十分アリ。
まだいろいろとこなれてないけれどもチャレンジしてもいいかな、という場合は長期でノウハウなどを蓄積していってモトはとれそうな気がします。

