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IBM Think Summit 2019 Day4 レポート

Last updated at Posted at 2019-06-24

初めに

6月18日~21日の4日間、日本IBM主催のイベントThink Summitが開催されました。
私は4日目(Technology Day)に参加しましたので、そのレポートです。
(個人の主観及び感想なので不正確な内容があるかもしれません)

参加したセッション

※概要は、イベントの公式サイトからの引用です。

マルチクラウド時代におけるサイバーセキュリティーの考慮点

概要

今日、多くの企業がクラウド・サービスを利用し、基幹業務にパブリック・クラウドを展開する例も見られるようになりました。IoTが普及するにつれ監視対象は拡大し、それに伴い、セキュリティーは今まで以上に担当者を悩ませる課題となっています。
当セッションではセキュアなクラウド環境へ移行するための考え方、アプローチ、サービス、製品等を具体的にご紹介します。

感想

現在、多くの企業がパブリック/プライベートを問わずにクラウドを活用する環境になってきています。
その中で各サービスの設定ミス等が起因でセキュリティ事故が起こるケースもそれなりに出てきているようです。
多くのセキュリティ対策製品がある中で、IBMでも多くのクラウドサービスを横串で監視できるようなツールを提供しています。
他社サービスとの差別点としては、社内にあるユーザーディレクトリまで監視対象まで含められるとの事。

他にも、ユーザーIDとパスワード認証はもちろんの事、パスワードの「入力の仕方」までを認証の対象に含める多段階認証サービス、「Cloud Identity Verify」がとても面白いと感じました。

Watson Anywhere - AIの全社活用を促進するITアーキテクチャー

概要

DX-デジタルトランスフォーメーション-の実現には、事業の在り方や業務プロセスをテクノロジーを活用して変革することが重要となります。その中でも、AIを活用し、企業データを価値に変えることでビジネスを変革することが多くの企業において期待されています。一方で、システム環境やデータには様々な制約があり、必ずしも自由に企業データを活用してAIを構築することは簡単ではありません。
このセッションでは、AIの全社活用を推進するために必要なアプローチと、その実現をサポートするITアーキテクチャーについて、ご紹介します。

感想

AIの利用にあたっては下記の点を考慮する必要があるようです。

  • AIは魔法ではない。多くのデータを整形してAIに覚えさせる必要があり、この整形に多くの労力がかかっている事
  • 入力データのバイアスを極力排除する必要がある事
  • 出力内容にはその根拠を示し、判断の透明性を確保する事
  • セキュリティを考慮したデータの適正な利用をする必要がある事

これに対するIBMのソリューションとして

  • より少ないデータでも正確な回答を出せるソリューション
  • 入力されたデータの偏りを見える化する、ダッシュボード
  • 出力された結果に対する根拠の提示
  • Private環境でも動作するサービスの提供

があります。特に4つ目の「どこでも動く」Watsonの提供が可能になったのは、サービスをマイクロサービス化したためでK8sの技術を利用したとの事。Private環境でも動作するので、機微な情報をパブリックなネットワークに上げることなくデータを利用できるメリットがあります。まさに「ドコでもWatson」なんでしょうね。

IBM Cloud/IBM Watson データ分析支援アプリ開発事例

概要

必要なデータ/分析結果の取得を容易にし、知見を利活用することを目的とした、データ・サイエンティストを支援するアプリの開発事例。本田技術研究所は、Watsonとオープンソース技術を組み合わせて、IBM Cloud上のコンテナに短期間でアプリをリリース。アジャイル開発手法によってユーザーの要望を取り込みながら、社内評価の高いサービスに育てました。本講演ではこのアプリが必要とされた背景と、実装した技術要素を解説します。

感想

様々な担当者がバラバラに持っているデータについて、一元的に問い合わせるシステムを作った本田技研さんのお話でした。Watson Assistantを窓口として、欲しいデータを欲しい時に取り出せる仕組みをNode.js等を使って構築したそうです。
こちらもプライベート環境に環境を構築する事で、必要なデータを社外に持ち出す事無く対応が出来たとの事。既にある仕組を組合わせて活用する事で、短期間・低コストでシステム構築できたのもポイントだった様です。

IBM Championとつくる未来

概要

なし

感想

IBM Champion(IBM公認の外部エバンジェリスト)達によるほぼフリートーク(笑)

IBM Championに聞いた、こんな仲間が欲しい
  • 中高生などの学生さん
  • 情報システム部門に所属している人
  • フリーランス
  • Championじゃなくても良いけど、一緒にイベント運営してくれる人が欲しい 等々、色々な人に挑戦して欲しいとのことでした。
IBMCloudの良いところ、物申すところ
良いところ
  • AWSやAzureと異なり、期間無制限の無料プランがある。(クレジット登録不要)
  • 無料プランで、アプリサーバー、AI、IoT、DBなど色々な機能が使える。
  • AIXやIBM i(AS/400)が使える!(IBM Power Systems Virtual Servers)
  • Node-REDが使える
  • 中の人が技術ドキュメントを公開している(IBMの人が個人的に技術ブログを書いている!しかも超詳しい)
物申す
  • ドキュメントの翻訳おそい ⇒ 段々改善されているはず!
  • サービスの終わりが早い。⇒本当に困る。サービス選定の際には息が長そうか十分な吟味が必要。 等々

回った展示

eco to education 子供たちの未来を創るIT教育支援

概要

企業の使用済パソコンを児童養護施設の子供達のIT教育支援に生かす新たな社会貢献モデルのご紹介。IBMはNPOライツオン・チルドレンが行う子供達へのパソコン教育とパソコン寄贈を、信頼と実績のIT再生事業で支えます。虐待や貧困等の事情で社会的支援を必要とする子供達は日本に約4万5千人います。使用済パソコンの寄贈で、SDGsに貢献するこのeco to educationにご参画頂ける企業を募集中です。

感想

Windows 7のサポート終了で大量の廃棄パソコンが出るこの頃では、非常に良い取り組みなのでは?と感じました。
無料引取&IBMの専用工場でしっかりとデータを消してくれるそうなので、社内の話が通る人は貢献してみても良いのではないでしょうか?

世界を獲ったIBM AIエージェントに挑戦!

概要

2018年12月に開催された世界的権威のある人工知能(AI)の国際会議NeurIPS 2018 PommermanコンペティションでIBM東京基礎研究所のAIエージェントが1位と3位を獲得しました。現在のAIでは非常に困難な問題に対して解決の糸口を示す技術で、AIの新たな可能性を拓きました。
本展示では、人がいつでもどこにでも爆弾を置けるよう人に有利な設定にしています。好きなところに爆弾を置いてIBM AIエージェントに挑戦してみてください!

感想

私は見事に惨敗しました。別にIBMはゲーマーになろうというわけではなく、刻一刻と変化する状況(残り時間や周囲の環境)に対応出来るAIを開発するための基礎研究であるとのこと。将棋や囲碁のAIが有名となりましたが、これらとは異なる「状況に対処するAI」の力を感じられたような気がします。

Call for Code 世界規模の自然災害対策コンペティション

概要

大きな変化を創り出す斬新なアイデアを現実にしよう。
Call for CodeはIBMが2018年に創設メンバーとして開始した世界規模の自然災害対策コンペティション。2019年のテーマは「自然災害への対策や回復」または「人の健康」「地域コミュニティが良好な状態になる支援をすること」自然災害を打ち破り、地域社会や世界各地の災害対策を強化するソリューションを構築しよう。

感想

優勝チームには約2,000万円をこえる賞金と、投資家による継続的な支援を受けられるハッカソン(公式サイト)。自分が持っている技術を駆使して、自然災害による被害を軽減したり対策が出来るのは非常に面白いところ。
IBM Cloudの製品は1つ以上使えば良いので、自分の得意分野で勝負する事も可能。技術を通した社会貢献には大きな意味があると思います。

全体を通じて

技術がどんどんオープンに進化していると感じました。特定のベンダーに依存する事無く、自らが必要な物を組合わせて「早く」「安価」にシステムを構築できるのだな、と。
逆に言えば自らの考え・ポリシーを明確に持たなければどの様な技術も宝の持ち腐れになりかねない、とも感じました。
自分の考えるビジネス・サービスをどの様に形にするかを考えさせられた1日でした。

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