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Databricks全体アーキテクチャ ― ComputeとSQL Warehouse ― Serverless時代の実行基盤を理解する ―

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2.3 ComputeとSQL Warehouse.png

📚 関連書籍

※この記事は書籍の一部をベースに再構成しています。もう少し踏み込んだ内容(設計や具体例)は書籍の中でまとめているので、気になる方はそちらもどうぞ。

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― Databricks Serverless時代の実行基盤を理解する ―

Databricksを使い始めると、多くの人が最初に迷うポイントがあります。

それは、**「ComputeとSQL Warehouseって何が違うの?」**という疑問です。

特に初学者は、

  • 「どっちもクエリを実行するものでは?」
  • 「Notebookはどっちを使うの?」
  • 「Serverlessって結局何が変わったの?」

と混乱しやすい部分です。

以前のDatabricksでは、基本的に Cluster(現在のCompute)中心 の世界でした。

しかし現在は、SQL WarehouseServerless Compute が主流になりつつあり、考え方そのものが変わっています。

この節では、現在のDatabricks実行基盤を整理しながら、「何をどこで動かすのか」を理解していきます。

まず“Compute”とは何か

Databricksにおける Compute とは、簡単に言えば、"処理を実行するための計算基盤" です。

Notebookを動かす、ジョブを実行する、SQLを処理するなど、Databricks上の処理は必ず何らかのCompute上で動いています。

以前は、このComputeを Cluster と呼ぶことが一般的でした。

現在はUI上でも Compute という表現へ寄っていますが、実態としてはSpark実行環境です。

ここで重要なのは、"データを保存する場所"と"処理を実行する場所"は別 という点です。

例えば、

  • Delta Table → 保存場所
  • Compute → 実行場所

という役割分担になります。

これはクラウド時代の基本的な考え方です。

つまりDatabricksでは、ストレージよりも "Computeを使った時間" に対してコストが発生します。

Computeには大きく2種類ある

現在のDatabricksでは、実行基盤は大きく分けて次の2種類があります。

  • 汎用Compute(Notebook/Job向け)
  • SQL Warehouse(BI/SQL分析向け)

この違いを理解すると、Databricks全体が一気に分かりやすくなります。

汎用Computeとは何か

まず、一般的なComputeです。

これは主に、

  • Notebook実行
  • PySpark処理
  • データ変換
  • ETL/ELT
  • 機械学習
  • Streaming処理

などで使われます。

つまり、"データエンジニアや開発者向けの実行基盤" です。

例えば、

  • Pythonを書く
  • PySparkを書く
  • Lakeflowを動かす
  • データパイプラインを作る

といったケースで利用されます。

以前のDatabricksでは、ほぼすべての処理をこのCompute上で実行していました。

そのため、

  • どのVMサイズにするか
  • Worker数をどうするか
  • Auto Scalingをどうするか

が大きなテーマでした。

しかし現在は、事情が大きく変わっています。

SQL Warehouseとは何か

一方で SQL Warehouse は、"SQL分析専用の実行基盤" です。

主に、

  • BI接続
  • Dashboard
  • SQL Editor
  • Genieによる自然言語分析

などで利用されます。

例えば、

  • Power BI
  • Tableau
  • Looker

などのBIツールが接続する先は、多くの場合 SQL Warehouse です。

以前はNotebook用ClusterへBI接続することもありました。

しかし現在は、SQL Warehouseを利用するのが基本です。

理由はシンプルです。

SQL分析向けに最適化されているからです。

特に現在は、

  • Photonエンジン
  • Serverless実行
  • 高同時実行性
  • 高速起動

が大きく進化しています。

その結果、専用DWH製品に近い体験ができるようになっています。

ComputeとSQL Warehouseの違い

ここまでを整理すると、役割はかなり異なります。

ざっくり言えば、

Compute=開発・ETL向け

SQL Warehouse=分析向け

です。

例えば、

  • PySparkでデータ変換
    → Compute

  • Lakeflowでパイプライン実行
    → Compute

  • Power BI接続
    → SQL Warehouse

  • Genieで自然言語分析
    → SQL Warehouse

という使い分けになります。

もちろん例外はありますが、初学者はまずこの考え方で理解すれば問題ありません。

Serverlessが変えたもの

現在のDatabricksを語るうえで外せないのが Serverless です。

以前のDatabricksでは、Compute起動に時間がかかることがよくありました。

例えば、クエリ実行まで数分待つことも珍しくありませんでした。

さらに、使っていなくてもClusterが起動し続け、無駄なコストが発生するケースもありました。

しかし現在は、Serverless Compute によって考え方が大きく変わっています。

Serverlessでは、

  • 自動起動
  • 自動スケール
  • 自動停止

が前提です。

利用者はインフラを強く意識しなくても、必要な時だけComputeを使えるようになっています。

特に Serverless SQL Warehouse は現在の中心的な実行基盤です。

起動時間は非常に短く、使わなければ停止するため、以前よりコスト効率も高くなっています。

つまり現在は、"クラスタ管理の時代"から"利用最適化の時代"へ変わった と言えます。

Photonの存在も重要

現在のSQL Warehouseを語るうえで欠かせないのが Photon です。

Photonは、Databricks独自の高速クエリエンジンです。

簡単に言えば、"SQLを高速化する仕組み" です。

従来のSpark実行よりも高速になるケースが多く、

  • 集計
  • JOIN
  • フィルタ処理

などで特に効果があります。

利用者は特別なコード変更をしなくても恩恵を受けやすく、現在では多くのServerless SQL Warehouseで標準的に使われています。

つまり現在のDatabricksでは、Serverless+Photon が実行性能の中核になっているのです。

実務でどう使い分けるのか

ここで実務イメージを整理しましょう。

例えば、

  • CSVを取り込み、データ加工する
    → Compute

  • Lakeflowでデータパイプラインを動かす
    → Compute

  • BIダッシュボードを見る
    → SQL Warehouse

  • Genieで自然言語分析を行う
    → SQL Warehouse

という使い分けになります。

つまり、"開発系はCompute、分析系はSQL Warehouse" と考えると理解しやすいです。

ただし現在はServerless化が進んでいるため、以前ほどCompute設計に悩む必要はなくなっています。

重要なのは、

「何を動かしたいのか」

から逆算することです。

現在のDatabricks実行基盤を理解する

ここまでを整理すると、現在のDatabricksでは実行基盤の考え方が大きく変わっています。

以前はCluster中心でした。

しかし現在は、

  • Compute(開発/ETL)
  • SQL Warehouse(分析)
  • Serverless(自動化)

を組み合わせる世界になっています。

重要なのは、インフラそのものを意識することではなく、"どのワークロードをどこで実行するか" を理解することです。

この考え方が分かると、後続のLakeflow設計、FinOps、SQL最適化、Serverless戦略が一気に理解しやすくなります。

次節では、現在のDatabricksパイプライン設計の中心となる Lakeflowの全体像 を見ていきます。

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  • PoC要件整理
  • データ基盤の要件定義
  • チーム開発/ガバナンス
  • AIワークフロー構築
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など、現場で直面しがちな課題を解決する知識としても活用できます。

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