概要
機械翻訳の性能について、偉人の名言を例にとって調査しました。
まえがき
Globalなご時世なので、日本にいても英語の文章に触れる機会が多々あるかと思います。
私自身も英語の文章は記事や論文等、読むことがあります。私はネイティブではありません。英語を読むのは、個人的には好きですが、やはり日本語の文章と比較して読むスピードが確実に遅くなります。速読するとたくさん読めますが、頭にはあまり残りません。かと言って、いちいち頭の中で日本語に起こして、精読しようとすると時間がかかり過ぎて非効率ですし、かえってそれまでの話の流れを忘れてしまったり、なかったり。
最近、機械翻訳の性能が飛躍していることは周知の事実です。ですが、私個人の意見としてはまだまだ人間の能力の方が上だと考え、殆ど活用してきませんでした。また、英語の能力には多少自身がありました。しかし、あるときに機械翻訳におけるある著名な方のご講演を聞く機会があり、すでにAIによる翻訳の性能はTOEIC940相当と聞いて、仰天しました。そして、実際にGoogle翻訳を使用してみると、一昔前とは全く異なり、割と自然な英語の文章になっていることがわかりました。多少の手直しが必要な箇所はありますが、全体的な翻訳は機械翻訳に任せて、微調整は人間が行うというやり方ならば、人間単独で行う作業よりも優れているように感じました。
実際に翻訳してみた
偉人の名言を題材にGoogle翻訳の性能を見てみます。最近、話題になっているみらい翻訳も使ってみました。なぜ偉人の名言にしたかと言うと、論文や記事よりかは、心に響く偉人の名言の方がその内容の腹落ち度を直感的に理解できるかなと思ったからです。
そして、私の独断と偏見により、全くジャンルの異なるアメリカ出身のご三方の名言を拝借させて頂きました。よく知られている日本語訳とも比較しています。
キング牧師
原文
I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: “We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal.”
人間による翻訳
私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。※
どこかの大統領にも聞かせたくなりますね。。
※米国大使館サイトより引用。
Google翻訳
いつかこの国が立ち上がり、信条の真の意味を生き抜くという夢があります。「私たちはこれらの真実を自明であり、すべての人が平等に創造されると考えています。」
理解するには問題ありませんね。演説となるともう少しパンチが必要かも。
みらい翻訳
いつの日か、この国が立ち上がり、「私たちは、すべての人が平等に創造されるというこれらの真実は自明であると考えている。」という信条の真意を実現することを夢見ています。
正直、想像以上に自然な日本語で驚きました。
アームストロング船長
原文
That's one small step for man, one giant leap for mankind.
人間による翻訳
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。
名言中の名言。
Google翻訳
これは人間にとっては小さな一歩であり、人類にとっては大きな飛躍です。
まさかのほとんど一致です。。ただ、「ひとりの」の訳がありません。実は、原文ではmanの前にaが無く、文法上おかしいのですが、そこにひっかかってしまったみたいですね。
みらい翻訳
これは人間にとっては小さな一歩であり、人類にとっては大きな飛躍です。
Google翻訳と完全一致。流石に文法上のミスまで考慮して訳してはくれないということですね。
ヘミングウェイ
原文
You can’t get away from yourself by moving from one place to another.
人間による翻訳
あちこち旅をしてまわっても、自分から逃げることはできない。
奥が深いですね。
Google翻訳
ある場所から別の場所に移動しても、自分から逃げることはできません。
まさにそのとおり。
みらい翻訳
ある場所から別の場所に移動しても、自分から離れることはできません。
Google翻訳との違いは、逃げるか離れるかの違いのみ。両機械翻訳ともに、今回のように「場所の移動=旅」のような意訳はできないようです。
さいごに
どうでしたでしょうか。
たしかに、詩的な文章では機械翻訳はまだまだかもしれませんが、実用上は全く問題ないことがわかっていただけたかと思います。
私はこれからも機械翻訳を使っていきます。
それでは。