VeriSMを理解する_デジタル時代の到来に備えよ

デジタル時代に相対する言葉を、仮にアナログ時代とします。
今度はアナログ時代の代表として、空想上の昭和初期の金魚銀行に出てきてもらいます。

「今後とも、よろしくお願いいたします」
俺は深々とお辞儀をしてお客様を送り出した。
ふう、と応接室に戻ってソファに腰を下ろし、俺は肩を叩いた。
「おう、ごくろうさんだね」
「頭取、おつかれさまです」
立ち上がろうとする俺を制して、旦那がどっこらせと俺の向かいに座った。
「暑くなってきたね。あたしは浴衣くらいで勤務したほうが効率が上がると思うけどね」
ぶつぶつと頭取がネクタイを緩めながら言った。
「そうですね。どうもこのネクタイというやつは私も、ちょっと」
「あたしも草履履きがいいよ。いまなんかこのご立派な革靴のせいで、ほれ嗅いでごらん」
「うえ、やめてください、頭取」
「ふふん。で、さっきのお客さんはなんと?」
「まあ、またカネを貸せとのことです」
「ふん、あそこは大丈夫だろうがね、ゆるゆるにしちゃいかん」
「もちろんです。心得ております」

「それより、頭取」
俺はテーブルの台帳をとんとんと叩いた。
「まずいですよ」
「まずいかね」
「はい。まずいです」
頭取の目が台帳にじっと注がれた。
「あたしの使い込みがバレたかい?う、うそだよ」
「はい。もう計算が毎日大変で、ぜんぜん計算が合いません」
「ふむ」
「毎日の帳尻合わせどころか、月末締めはもう限界ですね」
「で?なにか策を持っているんだろう?」
「はい」

---こうして、IBMやユニバックの計算機は金融業界の絶大な支持を得て「基幹系」と言われる業務に導入されました。
数字であり、それを計算するロジックが明確なもののうち、重要なもの、つまりカネ勘定は電算化がもっとも早い時期に進みました。
そもそも数字で取り扱っていたデータを電算化したことを「コーポレートIT(CIT)」とか「SoR(System of Records)」などと表現します。
ここまでは古典的経営論の取り扱うところで、「ヒト・モノ・カネ」の世界でした。

「で、先ほどのお客様ですが」
俺は声を潜めて頭取の方に身を乗り出した。
「うん?」
頭取も顔を寄せた。
「東北地方の凶作に対して、ロビー活動をするようです」
「ほう」
「もちろんそのようにはおっしゃいませんでしたが」
「うむ」
「取引先を見ていると、そんな気がします」
「うーん」
頭取は唸ってペラペラと取引履歴をめくった。
「そうだな」

---ここからがVeriSMの出番になります。
「ヒト・モノ・カネ」に加えた「IT」が新たな経営資源となります。「IT」を駆使できることが、如何に世界をより良いものに変えることができるか、に直結します。世界はデコボコしています。それをフラットにして、少なくとも機会の平等(能力は平等にならないとしても)を手にするチャンスはあってしかるべきです。私は経済的に富裕になることが幸せに直結するとは考えませんが、おいしいお魚や野菜、お肉を食べられるのは、やはり嬉しいことです。世界はフラットになりつつありますが、古典的経営論で論じられなかった「IT」(情報)がそのデコボコを作っています。もちろん暑い寒いといった物理的な特性は変化させることができません。しかし、上記「俺」や「頭取」のように、「目に見えない何か」を、数値化し、経営資源として活かすことができれば、世界のデコボコをなるべく平らにすることができます。

「ああん、今月もまた赤字だわ」
玉子さんは家計簿を見てため息をつきました。
「うーん、やっぱりあそこのスーパーがお高いのね」
赤字月、黒字月を見比べて、相関関係を洗い出し、赤字月はあそこのスーパーの利用頻度が高く、牛肉を買いがちなことに気づきました。

---VeriSMでは、消費させられる側の立場は論じません。玉子さんは玉子さんが面倒をみている家族(組織)の経営者であり、家族をまとめ、同じ方向に向ける必要があります。牛肉を消費しがちなことがわかった今、鶏肉やもやしを好きにさせる必要があります。そのためには主婦向けの雑誌を読み込んだり、ネットを駆使してレシピを拡充させる必要があります。電子ネットワークを使用することだけがITではありません。情報を取り扱うことがITであり、VeriSMであると私は考えます。

Sign up for free and join this conversation.
Sign Up
If you already have a Qiita account log in.