はじめに
LLM(大規模言語モデル)を使っていると、「temperatureを下げたらレスポンスが速くなった」「プロンプトを工夫したら応答が早くなった」といったことを経験したので、原因を調べてみました。
本記事では、その理由についてわかりやすくまとめます。(AIを使った)
Temperature(温度)とは?
まず、temperatureとは、生成AIが次の単語をどれくらい“ランダムに”選ぶかを調整するパラメータです。
ざっくり言えば:
高温(例:1.0以上):多様で創造的な応答 → でも計算が複雑になりやすい
低温(例:0.2〜0.5):決まったパターンで予測しやすい → より処理が早く安定する
処理速度との関係
温度が高いと、モデルは次に出すトークン(単語や記号など)を選ぶ際に、広い候補の中から「どれにしようかな?」と迷います。
一方、温度が低いと、「一番確率の高いものを即決!」のように、探索範囲が狭まり、処理が単純になるため、レスポンスが早くなります。
プロンプトを工夫すると何が変わる?
プロンプト(指示文)を変えることで、モデルの処理時間が大きく変わることがあります。
理由1:曖昧なプロンプトは推論コストが高い
モデルはプロンプトを受け取ったあと、まず「何を求められているか?」を理解しようとします。
曖昧な指示や、情報量が多すぎる指示は、その解釈と計画のフェーズにコストがかかります。
例:
・ 曖昧なプロンプト:「この文章をいい感じにして」
・ 明確なプロンプト:「以下の文章をビジネスメールの形式に書き直してください」
明確で具体的なプロンプトは、モデルにとって理解しやすく、生成までの時間が短縮される傾向があります。
理由2:出力長が短くなる
プロンプト次第でモデルの出力長も変わります。
シンプルな指示では短い出力になることが多く、その分処理時間も短縮されます。
実際どれくらい変わる?
実際の速度差はモデルの種類や処理環境にも依存しますが、以下のような傾向があります:
・temperature 1.0 → 0.3 に下げるだけで、レスポンス時間が10〜30%短縮されることも
・曖昧なプロンプトから具体的なプロンプトに変えることで、2倍近く速くなるケースも
まとめ:高速化のためのTips
以下のポイントを意識すると、モデルの応答速度を改善できます:
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| Temperatureを0.3〜0.5に設定 | 出力の安定化 + 処理の高速化 |
| プロンプトを明確・具体的に書く | 解釈コストを減らし、速く返ってくる |
| 出力量(例:max tokens)を制限する | レスポンス全体の処理時間が短縮される |
おわりに
モデルの出力精度や創造性を重視したいときは高いtemperatureや自由なプロンプトが有効ですが、速度や安定性を優先する場合は、今回紹介したような工夫がとても効果的です。