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React v16で実装された new Context APIを使って、Reduxへ別れを告げる

Last updated at Posted at 2018-04-07

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React v16でContext APIが新しくなりました。
このContextを使うことで、これまでサードパーティーのライブラリに頼っていたstate管理をreact本来の機能で実装できるようになりました。
しかしfacebookの例により、シンプルで柔軟性に富む代わりに実際の運用が難しいです。

それではreactのContext APIをstate管理に使う際のメリットデメリットについて書きます。

メリット
1. 記述量が圧倒的に少ない。reduxの1/3。
2. stateだけでなく、変数を渡せる。
3. 可読性が高くシンプルなコードが書ける。
4. 学習コストが低い。
5. react hookのuseReducerと共に使うとかなりスケールする。
デメリット
1. ContainerコンポーネントでJSXが純粋なViewでなくなり、ネストが2段深くなる。
2. 複数のstoreからcontextを利用しようとすると、記述が増える。
3. storeが一つでないのでスパゲッティになりやすい。
4. contextを親のstateに入れないと、renderが何回も呼ばれる。(後述)

Context APIの要素

Context APIは三つの要素のみで成り立ちます。

1. React.createContext

後述するProvider, Consumerをペアで作ります。
例 const {Provider, Consumer} = React.createContext;
// 以下のように名前をつけることもできます。
const RootCotext = React.createContext;

2. Provider

Consumerに、context(state)を渡す為のコンポーネントです。
reduxのprovider, createStoreの役割です。

3. Consumer

Providerからcontext(state)を受け取ります。
reduxのconnect,mapStateToProps,mapDispatchToPropsの役割です。

それでは実例を見てみましょう。

Text はReactNativeの要素で文字列を表示します。
従来はこのようにpropsをバケツリレーして渡していました。


// App.js
const Grandson = (props) => (
  <Text>{props.name}</Text>
);

const Son = (props) => (
  <Grandson name={props.name}/>
);

export default class Father extends Component {
  render() {
    return (
      <Son name='カバ' />
  );
}

次にContextを使って擬似global stateを実現してみます。

// App.js
import React, {Component} from 'react'
import {Text} from 'react-native'

// contextの作成。
const RootContext = React.createContext()

const Grandson = () => (
  <RootContext.Consumer>
    {context=> 
      <Text>{context.name}</Text>
    }
  </RootContext.Consumer>
)

const Son = () => (
  <Grandson />
)

export default class Father extends Component {
  render() {
    return (
      <RootContext.Provider value={{name: 'kaba'}}>
        <Son />
      </RootContext.Provider>
    )
  }
}

これで父コンポーネントから孫コンポーネントへstate(今回は変数)を渡すことができるようになりました。
このように擬似global変数を作れました。
ただ一つ注意点があって、valueに、オブジェクトを直に渡すと、画面描画時に、毎回オブジェクトが生成されメモリの無駄なので、

export default class Father extends Component {
  state = {name: 'kaba'}

  render() {
    return (
      <RootContext.Provider value={this.state}>
        <Son />
      </RootContext.Provider>
    )
  }
}

のように、contextはstateの中に入れておくとパフォーマンスの問題が起こりません。

結論

小規模アプリの開発には向いている。
非同期もasync, awaitで解決できそうだ。
combineReducerもどきも独自ルールで作れる。
しかし、それ以外の用途ではredux, mobxを使用した方が使い勝手がいい。
結局シンプルすぎて、独自ルールを追加しないとやっていけないのが辛い。
チーム開発では推奨できない。
だだし、疎結合なので、reduxへの移行も比較的簡単だ。
十分に実用的なので、個人では使っていきたい。

実務で使う場合は、以下の記事を参考にされたし!
React v16で実装された new Context APIを使って、Reduxへ別れを告げる②

Unstated

実は、このContext Apiを超薄く拡張し、実用レベルにまでしたライブラリがある。
unstatedだ。
reduxを捨ててunstatedを使う理由
2019年からreactを使う人はこれを使うといい。star5000越えで、今reactで一番人気のあるreduxの代用だ。
unstatedはわずか200行のライブラリだ。テストもしやすいのでベテランエンジニアにこそオススメしたい。
私は実務で使っている。

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