Rubyでの例外処理内のreturnについて

例外処理内のreturnについて

Rubyの例外処理のreturnについてのメモ。

rescue節内でのreturn

まずはrescue節内でのreturnです。

class Return
  def test
    begin
      p "Begin"
      1/0
      return "return begin"
    rescue => ex
      p "Rescue"
      return "return rescue"
    ensure
      p ex
      p "Ensure"
    end
  end
end

obj = Return.new
p obj.test

実行結果がこちら

"Begin"
"Rescue"
#<ZeroDivisionError: divided by 0>
"Ensure"
"return rescue"

実行順として、
1. begin
2. rescue
3. ensure
4. return(rescue)
の流れになっており、rescue節内で処理が終了していることがわかります。

なお、begin~rescue~end内のスコープは同じなので、ensure節からrescue節の変数(オブジェクト)が見えています。

ensure節内でのreturn

次に、ensure節内でreturnです。

class Return
  def test
    begin
      p "Begin"
      1/0
      return "return begin"
    rescue => ex
      p "Rescue"
    ensure
      p ex
      p "Ensure"
      return "return ensure"
    end
  end
end

obj = Return.new
p obj.test

実行結果がこちら

"Begin"
"Rescue"
#<ZeroDivisionError: divided by 0>
"Ensure"
"return ensure"

実行順として、
1. begin
2. rescue
3. ensure
4. return(ensure)
の流れになっており、ensure節内で処理が終了していることがわかります。

rescue節内・ensure節内でのreturn

最後に、rescue節内・ensure節内でのreturnについてです。

class Return
  def test
    begin
      p "Begin"
      1/0
      return "return begin"
    rescue => ex
      p "Rescue"
      return "return rescue"
    ensure
      p ex
      p "Ensure"
      return "return ensure"
    end
  end
end

obj = Return.new
p obj.test

実行結果はこちら

"Begin"
"Rescue"
#<ZeroDivisionError: divided by 0>
"Ensure"
"return ensure"

実行順として、
1. begin
2. rescue
3. ensure
4. return(ensure)
の流れになっており、rescue内のreturnが実行されずにensure内のreturnで処理が終了していることがわかります。

また、rescue節を省いて例外を発生させない場合も考えて見ます。

class Return
  def test
    begin
      p "Begin"
      return "return begin"
    ensure
      p "Ensure"
      return "return ensure"
    end
  end
end

obj = Return.new
p obj.test

実行結果はこちら。

"Begin"
"Ensure"
"return ensure"

実行順としては、
1. begin
2. ensure
3. return(ensure)
となっており、begin節内のreturnは実行されず、ensure節内で処理が終了しています。

結論

上記からもわかるように、ensure内にreturn文を記述すると、その時点で処理が終了してしまうため、本来期待していた処理が行われません。
このため、ensure節内でのreturnは避けるべきです。