LoginSignup
314

More than 3 years have passed since last update.

ほぼ新人があふれる意欲で毎朝の勉強会を立ち上げて成り上がる話

Last updated at Posted at 2019-07-21

はじめに

私のプロジェクトとは別のプロジェクトに、仲のいい後輩(仮にU君とします)がいます。
U君は、開発経験半年にして、プロジェクト内のベテランたちを相手にReactの勉強会を立ち上げ、確固たる地位を築きました。その勉強会のやり方と地位を築くまでのプロセスが素晴らしいと思ったので紹介します。
また、U君が自分の地位を築いた手法が、若手の方々にとって参考になれば幸いです。

U君とは

入社して1年3ヶ月のほぼ新人で、開発経験はたった半年の若手です。入社時点ではJavascriptを全く知らない状態でしたが、半年間でJavascriptとCSSとReactをひたすら勉強していました。
そして本人の意欲がとても凄いです。社内に「社内版Qiita」みたいなものがあるのですが、そこに学習した内容を次々と投稿しています。若手の中ではU君がダントツで投稿数No.1です。一般的に、学習効率を高めるためにアウトプットは有効と言われているため、たくさん投稿したことが成長を加速させたのだと思います。
そして今回のReact勉強会は、U君のプロジェクト内でReactの技術を持っている人が少ないこともあり、U君が勉強会を提案して毎朝実施することなりました。(ちなみに、参加者は全員U君より年上でベテラン社員も含みます)

勉強会の実施方法

毎朝アウトプットを伴う勉強会

参加者全員にノートPCを持ってきてもらって、その場でプログラミングさせて動くものを作らせるというアウトプット形式で実施しています。毎朝30分実施しています。
「よくある勉強会の形式」として「発表資料を作ってその資料の内容を紹介」というものがあります。そういう「よくある勉強会の形式」でなく、アウトプット形式にした理由をU君に尋ねると「実際に手を動かしてアウトプットしないと技術は身に付きません。だからアウトプットさせる勉強会が一番理にかなっています。」とのこと。素晴らしい。

ちなみに、私も自分のプロジェクトで毎朝、アウトプット勉強会を実施しています(詳細は以下)。
毎朝15分の勉強会で若手の行動が驚くほど改善した話
毎朝15分の勉強会で若手の設計力がメキメキアップした話

勉強会の資料はインデックスのみ作る

特に凄いなと思ったのは、この点です。勉強会を継続的に実施する上で、一番ネックになるのが「資料の作成時間を確保する」という点だと思います。勉強会を実施したくても、そのための資料を作るのが億劫で、なかなか勉強会を頻度よく実施できないことはよくあります。
それに対して、U君が出した答えは「勉強会の資料はインデックスのみ作る」というものです。
具体的には、Reactでの開発に必要な学習項目とそのポイントだけを列挙します。例えば、「条件付きレンダー」と「高階コンポーネント」という学習項目の場合、以下のように「学習する上でのポイント」だけを記載し、詳細は勉強会の中でコードを見せながら説明します。

  • 条件付きレンダー
    • 描画するコンポーネントを変数に代入して、JSX 内でその変数を利用
    • && 演算子や三項演算子を使用して JSX のインラインで分岐を記述
  • 高階コンポーネント(Higher Order Component)
    • 高階コンポーネント(HOC)の目的
    • React のライブラリでHOCが使われている例

上記のように、「学習項目の一覧」と「ポイント」のみを事前に作成するだけとすることで、勉強会の事前準備時間を極限まで減らしました。
この方式は、講師の頭の中に、しっかりと知識が入っていないと実施できないと思いますが、それができるほど半年間でしっかり学習したのは素晴らしいと思いました。しかも、参加者の反応を見ながら、理解不足に見える点を補足説明したり、実際の開発でよく使うノウハウを説明したり、柔軟に対応していました。

事前に勉強会の内容をシミュレーション

U君は自信家でありながらも用意周到です。
毎朝の勉強会の前に、その日に実施する勉強会の内容を脳内でシミュレーションします。その時に、理解が不十分な項目は、調べて理解し直してから勉強会に臨みます。

勉強会で作成するプログラム

勉強会で作成するプログラムは、ToDoアプリをベースに、そのアプリをどんどん成長させていく形式としています。毎回違うアプリを作るよりも、1つのアプリを成長させていく方が、効率が良いとのことです。

別のプロジェクトも育成

実施中の勉強会は、3ヶ月くらいで一区切りがつくそうです。そして勉強会で得た様々なフィードバック(勉強会のやり方や資料の改善点など)を「次」にも活かしたいと言っていました。
「次」というのは、別のプロジェクトのメンバーに、第2期、第3期の勉強会を実施していくことです。そうして社内でWebエンジニアをどんどん育成していくという構想でした。なお、第2期 勉強会に、私のプロジェクトを誘ってくれました(なんと素晴らしい後輩でしょう)。

まとめ

今後、U君は勉強会を通して次々とWebエンジニアを育成していくことでしょう。そうして、社内にU君の教えで育った「U君チルドレン」をたくさん排出することで、社内での確固たる地位を築いて成り上がっていくことでしょう(私もU君チルドレンになる予定です)。

今は別々のプロジェクトですが、いつかU君と一緒に開発してみたいです。ちなみに私は Lightning Review というレビュー支援ツール を作ったりしています。
Twitterでも情報発信しています → @kojimadev

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
314