技術士

技術士 二次試験 選択科目 コンピュータ工学

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2017年 (H29)

2-1-1

 組込みシステム用のリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)が利用する周期的な処理方式について、タイマ割込みに直接処理を記述する方式と周期ハンドラを用いてタスクコンテキストで処理する方式を比較し、技術的な特徴や注意点について列挙して説明せよ。

2-1-2

 通信機能の仮想化技術NFV(Network Functions Virtualization)とは何かを説明し、その利点と問題点、さらに通信専用機器をNFVで代替するための技術について説明せよ。

2-1-3

 自動車における自動運転に関する、もしくは自動運転で利用される、以下の用語のうちで2つ説明せよ。また、それらの用語を使用して、自動運転における制御方法を記述せよ。なお、ここでの制御方法は、実現されている方法でなくても概念の記述で構わない。
・レーントレース
・ダイナミックマップ
・LiDAR (Light Detection and Ranging, Laser Imaging Detection and Ranging)
・ポテンシャル法

2-1-4

 データセンターにFPGAを導入する流れが広まっている。その理由と、データセンターのアプリケーションにおいて従来処理をFPGAで代替する利点・欠点について説明せよ。

2-2-1

 拡張現実感(AR: Augmented Reality)に関する以下の問いに答えよ。

(1) ARの要件の1つ「現実と仮想の統合(実像と人工像の合成)」の手法を3つ挙げ、技術的な特徴、利点、欠点を説明せよ。

(2) ARの現実と仮想を統合するに必要なシステムへの入出力データ転送速度を見積もれ。ここで、転送速度計算に必要な画像フォーマット、圧縮率等は自ら仮定し、具体的な根拠を挙げて説明せよ。

2-2-2

 複数の監視カメラの接続を意図した、ネットワークカメラと呼ばれる分野の製品及びシステムがある。そこでは、カメラ内の画像処理やカメラ制御など、多くの部分でソフトウェアが使われている。また制御や画像認識処理などにおいて、サーバやカメラ内などのどの部分でどの程度処理させるかといった機能分散の検討を行うことが多い。
 ネットワークカメラシステムにおけるソフトウェア開発技術者を想定して、以下の問いに答えよ。なお担当する機能実現は、人間を含む動物の赤外線等の画像による侵入検出とその表示である。

(1) 侵入検出と表示の機能の実現方法を、機能分散の観点で複数示し説明せよ。

(2) 想定するネットワークカメラシステムの台数等を含む規模や用途、必要に応じて想定する自社の強みなどの背景を明記した上で、上記(1)で述べた実現方法のうちで採用した方法を述べ、それを選択した理由を説明せよ。

3-1

 認知症などによる高齢者の行方不明や危険運転が、社会問題となっている。これらの対応や予防のために、あなたが特定の市町村自治体向けに高齢者の行き先識別システムを構築する場合において、技術者の視点で以下の問いに答えよ。ここでの行き先識別とは、どこにいるかを識別する若しくはどこを通過したかを識別することを想定し、限定的な状況での利用のためにプライパシー侵害の課題は考慮しなくて良いものとする。

(1) 利用する行き先識別のための技術を2つ以上記載し、構築するシステムを述べよ。

(2) システム開発では、社会情勢及び要望や技術革新に応じて拡張や変更を行っていくことが少なくない。本システムも、その対志のために変更容易性を高めておきたい。変更容易性を高めるために、用いると良いと考える手法やツールを2つ以上述べよ。なお、ここでの手法やツールはソフトウェア技術向けでないものでも構わないが、その場合は々の用途分野も述べること。

(3) 本システムの拡張の1つとして、近隣市町村との連携を考えた場合、本識別システムでどのような変更が発生しそうか述べよ。また、その変更点と、変更容易性や(2)で記述した手法との関係について述べよ。

3-2

 機器製造分野において、モデルを統合したシステム開発が進んでいる。一方で、モデルを活用した開発方法や評価方法については、いまだに各社固有の方法によることが多く、同じ業界内であっても各企業の設計成果物や評価結果などが一様でないという問題が起きている。このため、類似の開発方法や成果物があっても標準化が進まず、業界全体での開発効率の問題や、国際競争力への影響が懸念されている。この事案について、以下の項目について記述せよ。

(1) 製品の開発にモデルを活用する利点や効果を3点挙げ、それぞれについて説明せよ。

(2) 単一企業内では解消が困難な問題を3点挙げ、業界として取り組むべき課題として述べよ。

(3) (2)で挙げた課題について、その対応策と留意点を述べよ。対応策を立てるに当たっては、自身の考えるところも述べよ。

2016年 (H28)

2-1-1

 組込みシステムの開発では、実機に近いシミュレーションが可能なHILS(Hardware-In-the-Loop-Simulation)を用いる場合がある。HILSの概要とこれを用いるメリットについて述べよ。

2-1-2

 音声認識処理の全体的な流れを示し、そのよで各処理内容の概要を述べよ。なお、主な想定は日本語単文の不特定話者とする。

2-1-3

 PLC(プログラマブルロジックコントローラ)に関して、PC等による制御ソフトウェア開発との相違を含めて特徴的な事項を示し、PLCでのソフトウェアに関する脆弱性問題若しくは規格化について述べよ。

2-1-4

 マイクロプロセッサの同期回路の動作原理と課題について簡単に説明し(5行以内)、それに対し非同期回路の特徴を述べよ。さらに、マイクロパイプラインの構造についても説明せよ。

2-2-1

 作業ロボットとかパワードスーツなどのファームウェア開発において、「機能安全」に沿った設計を導入する場合を想定し、下記の内容について記述せよ。

(1) 電気・電子・ソフトウェアの開発で適用される「機能安全」の概要を説明し、導入の際の具体的な方法を3点述べよ。

(2) 製品全体の「機能安全」を進めるに捺し、装置全体を導入する人の課題を述べよ。

(3) ロボット開発する際に、安全性に関して、他の部門との連携について問題点を述べよ。

2-2-2

 今日の自動車は多岐にわたる電子化によって多数のECUが搭載され、車庫入れ支援など接合的なサービスを提供するために複数のECUの連携も増えている。自動車の各所に使う一連のECU群を発注する開発者の立場で以下の問いに答えよ。

(1) ECUの増加や複合的なサーピスの登場によって、自動車に搭載するECUそのものにはどのような変化が求められているか、背景と変化について3点挙げて述べよ。

(2) 多数のECUを手当用するには、ECU間の通信に関する課題を解決する必要がある。どのような課題があり、どのように対策が進められるか、3点挙げて述べよ。

3-1

 橋や道路などの社会的インフラに対して、IoT(Internet of Things)技術を利用するケースが増えている。しかし我が国は、地形や四季が変化に富んでおり文化や観光に寄与している反面、自然災害への遭遇が少なくない。ここでは、特にこれら展外で利用されるIoT技術に関して、次の問いに答えよ。

(1) 自然災害への遭遇を想定して、IoT技術利用での技術的課題を、具体的に3つ以上述べよ。

(2) このようなシステムを自然災害へ備える場合、システムの動作確認若しくは動作保証の検討が必要である。自システムのみならず、利用する外部インフラの影響の検討も必要となる。技術者の立場で、システムの動作確認や動作保証のためにどのようにすればよいか述べよ。

(3) このようなシステムに対して、初期微動の検出のような、自然災害の過渡現象を含めた鵠報通知への要望の発生が考えられる。実現のための上記(1)以外での技術的課題しくは社会的課題を複数述べ、ここでの要望への対応に対する意見を述べよ。

3-2

 組込みシステムの大規模化や複雑化に対応するため、システム開発の上流工程の分析、設計、検証について技術導入による改善を図りたいと考えている。この事案について、以下の項目について記述せよ。

(1) 組込みシステムの大規模化や複雑化に伴う、上流工程における分析、設計、検証に関する課題を3点挙げよ。

(2) (1)で挙げた課題に対して、対応する技術や手法等の候補を2点以上挙げ、それぞれについて、概要と(1)のどの課題に対して効果が期待できるかについて述べよ。

(3) (2)で挙げた対応方法から、その策の実施にはどのような課題や留意点があるか述べよ。また、対応策を立てるにあたって自身の考えるところを述べよ。

2015年 (H27)

2-1-1

 コンピュータの仮想化でのベアメタルハイパーパイザ方式について、概要を示し、その方式の中でのマイクロカーネル型とモノリシックカーネル型に関してそれぞれ長所短所を述べよ。

2-1-2

 構造の改変などを困難にする耐タンパ性について概要を示し、ICチップ及び組込み機器等でのソフトウェアによる改変・不正取付に対する検出や対策について述べよ。

2-1-3

 リアルタイムOSのスケジューリングで使われているアルゴリズムでEDF(Earliest Deadline First)とRM(Rate Monotonic)の手法について、両者の違いを説明せよ。その場合に、タスク及びタスクの時間的な属性の説明もすること。

2-1-4

 機械学習におけるディープラーニング(深層学習)について、従来のニューラルネットと対比してその特徴を簡潔に説明し、さらに、応用技術についてもその優位性を簡潔に述べよ。

2-2-1

 コピーとプリンタ、ファクスなどの機能を備えた複合機が広く使われており、MFP(Multi Function Peripheral/Printer)と呼ばれることがある。複合機にはパネル操作によるコピーが行えたり、ネットワークを経由してのプリント出力やスキャンデータの保存などが行える。また、複合機内部の構造として、携帯電話向けOSを利用してGUI処理を行いやすくしたり、高速処理のためにSoC(System on a Chip)が使われたりしている。また、オープンプラットフォームと呼ばれる、外部開発による機能拡張を行い易くする基盤技術を備えている機種が増えている。
 このようなオフィス向け複合機のソフトウェア開発を想定して、以下の問いに答えよ。

(1) 想定するソフトウェアの複合機内の位置づけを図示し、簡単に説明せよ。図示はハードウェアのブロック図に近いものでも複合機のソフトウェアに関する論理的な構造図でも構わないが、その中でのどの部分かが明確になるように示すこと。

(2) 新しい複合機シリーズの設計開始に際して、シリーズ内機種の開発コストの削減と1台当たりの製造コストの削減が言われた。あなたの想定するソフトウェアでそれらを検討することになった。開発時と製造時のそれぞれについて、どのような方法がコスト削減に結びつくか箇条書きで示せ。

(3) 上記(2)の箇条書きのうち、製品のライフサイクルの視点で、あなたが最も重要と考えるものはどれか、理由を明示して述べよ。

2-2-2

 SoC (System on a Chip)のハードウェアとソフトウェアの設計が同時に並行して行われる協調設計を想定し、以下の問いに答えよ。

(1) SoCの構成要素と基本原理について説明し、性能を向上させるために検討すべき課題を述べよ。

(2) (1)で挙げた課題の1つとして、シリコンIP間の通信に関するボトルネックがある。これを解決する技術的な提案を述べよ。

(3) 協調設計によりハードウェアとソフトウェアのギャップを埋める手法について述べよ。

3-1

 組込み製品及び組込みシステムのソフトウェア設計・開発では、小さな修正リリースと大きな修正リリースが行われることがある。大きな修正リリースは、ハードウェア開発フェーズとの同期や段階的な機能実装のために行われることが多い。市場投入後でも、不具合対策のための小さな修正もしくは機能向上のための大きな修正が行われることがある。
 組込み製品等のソフトウェア設計・開発の責任者として業務を進めるにあたり、以下の問いに答えよ。

(1) IT分野では、運用と開発を連携させるDevOps(Development Operation)が議論されることがある。組込み製品等の修正リリースについて、IT 分野でのDevOpsと比較しての課題を示せ。

(2) ここでは小さな修正及び大きな修正と表現したが、大きな修正には修正行数が少なくても修正影響が大きくなる場合が含まれる。組込み製品等での、そのような大きな修正を具体的に列挙せよ。

(3) 市場投入後の修正に関して、社内開発時と比較して留意すべき事項を述べよ。また、それが組込みシステムの国外への販売の場合、市場投入後の修正に備えてどのような対策を行えばよいと考えるか具体的に記述せよ。

3-2

 医療現場において、医師や看護師がタブレット端末などの情報機器を利用して、病理診断や診察支援に有効な情報を取得し、様々な条件における膨大な診療データを適切に利用して診察・診断を支援するシステムを開発することを考える。システムは、センサネットワークを利用して体温や血圧など個人のパイタルデータを収集し、大規模データベースとしてクラウドコンピュータに接続することを前提として、大規模データ解析を利用したシステムとする。また、医療現場の医師や看護師の他、保健師による健康指導、さらには個人の健康管理など、幅広いアプリケーションに対応可能なシステムとする。これに関して、以下の問いに答えよ。

(1) システムを開発する場合に検討すべき課題を3つ抽出せよ。

(2) 最も重要と思われる課題を1つ選び、その解決策について総合的な観点からを論ぜよ。

(3) こうした大規模システムにおいて、知識処理を有効に利用するための手法や考慮すべき留意点を述べよ。

2014年 (H26)

2-1-1

 ディザ法と誤差拡散法について説明し、インクジェットプリンタやレーザプリンタなどに利用する場合の得失を説明せよ。

2-1-2

 DLNA (Digital Living Network Alliance)について、基本的なアーキテクチャと利用形態について説明せよ。

2-1-3

 並列システムのアーキテクチャについて、共有メモリ型、分散メモリ型、両者を融合させた型について説明せよ。

2-1-4

 音声認識で用いる認識技術を2つ説明せよ。最近の音声認識に対して、ビッグデータやクラウドコンピューティング技術の貢献についても論ぜよ。

2-2-1

 多数の工程からなる大型の機械製造ラインにおいて、多品種生産に対応するため工程管理オペレータが各工程の作業工具等を品種毎に交換する必要があるなど、工程変更管理の効率化が求められる。これに関して以下の問いに答えよ。なお、工程変更作業はオフラインで行うものとする。

(1) オペレータは、タブレット端末を持ちながら工程管理を進めるとして、オペレータが工程聞を移動する行動動線を精度良く記録する方法を示せ。

(2) 電波環境が良好でない状況が生じても、確実に行動動線を記録するための対策を示せ。

(3) 得られた行動動線を利用して、工程管理を効率化する手順を提案せよ。

2-2-2

 自動車の先進運転支援システムADAS (Advanced Driver Assistance Systems)を構想して、以下の問いに答えよ。

(1) あなたが構想したADASについて、全体構成と共に機能上の特徴を3つ挙げて説明せよ。

(2) (1)で述べた特徴的な機能のうちの1つについて、それを実現するために必要となるセンサーを2つ挙げた上で実現方式を説明せよ。技術上の課題や解決策についても述べること。

(3) あなたが構想したシステムを実用化するとき、安全性の観点からの課題を2つ述べ、その解決策についても説明せよ。

3-1

 近年、農業生産におけるICT(情報通信技術)利用の試みが盛んに行われている。今後はさらに精度の良い生産環境制御技術開発と、農業生産者が有する生産ノウハウの蓄積を明示知化・可視化することなどにより、農業経営全体におよぶICT利用に範囲を広げ、農業技術の向上と経営力の強化を図る必要がある。これに関して、以下の問いに答えよ。

(1) 農地(田圃、畑を含む。)の生産力向上のために、高精度の生産環境制御技術開発に必要な技術要素を多様な観点、から検討せよ。

(2) ICT利用の観点から、農業の生産性向上や経営力の強化に向けた技術課題を抽出し、解決方法を具体的に示せ。

(3) 上記を踏まえ、ICT利用における安全面も含めて、農業生産・経営における知識利用について論ぜよ。

3-2

 日本国内の主要都市に事業所を展開している企業を考える。この企業では、社内の部署毎に独立したIT部門を持っており、各IT部門が独立的にシステムを運用している。

(1) エネルギー消費の観点、BCP (Business Continuity Planning)及びDR(Disaster Recovery)の観点からこの企業のIT運用の問題点を論じよ。

(2) (1)で指摘した問題点を改善するための解決策を理由を明確にして示せ。

(3) (2)で示した解決策を全社的に実現するまでのプロセスを示せ。予想される技術以外の問題も2つ挙げてその解決方法も論じること。

2013年 (H25)

2-1-1

 記憶階層はなぜ効率が良いのか、2種類の局所性と関連させて説明せよ。また、フラッシュメモリの価格低下や、磁気抵抗メモリ(MRAM)の実用化によって、将来の記憶階層はどのように変化していくと思われるかを述べよ。

2-1-2

 超解像技術について理論的背景を概観し、その応用例と有効性及び今後の課題について説明せよ。

2-1-3

 ダイナミックリコンフィギャラブル(動的再構成)デ、パイスの構成方法について説明せよ。また、その特徴を用いた応用例を説明せよ。

2-1-4

 機械学習における教師付き学習と教師なし学習について説明せよ。ただし、各々に属する具体的な学習手法を1つずつ取り上げて処理方法を説明し、応用例についても言及すること。

2-2-1

 駅のホームからの転落や車両との接触事故を防ぐため、ホームの端(長さ250m、幅30cm程度)に人がいることを検知するセンサーシステムを作ることとなった。この業務を担当者として進めるにあたり、以下の問いに答えよ。

(1) 利用可能なセンサーを2種類挙げ、その利点と欠点を比較せよ。

(2) センサーから駅事務室までのデータ伝送システムを設計し、なぜその方式を採用したか、理由を説明せよ。

(3) 安全性と誤検出についての方針を決定する手順について述べよ。

2-2-2

 民生用のコンパクトカメラに搭載する画像処理機能の設計プロジェクトに参画することになった。画像処理機能の設計には、ノイズ処理、階調補正、色調補正、解像度変換、画像圧縮、画像編集など、ハードウェアとソフトウェアが密接に関係した設計が求められる。このプロジェクトの推進責任者として業務を進めるにあたり、以下の問いに答えよ。

(1) 製品開発では、ハードウェアとソフトウェアの切り分けが重要になることが多い。切り分けに当たって検討すべき項目を3つ、具体例を用いて説明せよ。

(2) ハードウェアを複数の業者に分けて調達する場合、どのような問題の発生やリスクが考えられるか、回避の方法を含めて説明せよ。

(3) ハードウェアの調達先で発生した問題により、一部の機能を制限した製品を先行して発売することになった。考えられる課題やリスクを説明し、回避策も示せ。

3-1

 登山における遭難事故は、人命の危険はもちろん、救助できた場合でも捜索費用が多額になるなどの問題がある。一方、最近は登山者の多くが携帯電話などの電子機器を所持しているので、ITを利用した対策の検討が求められている。そのような状況を考慮して、コンピュータ工学の技術士として以下の問いに答えよ。

(1) 山岳でのITの利用は、都市部と比較してどのような技術的困難があるかを挙げ、その対応策について述べよ。

(2) 広域の無線通信が不可能であるという前提で、登山者の位置情報をなるべく多く収集するシステムの提案をせよ。

(3) 上述したシステムにおいて、保守や、登山者全員に使ってもらう工夫など、運用時に問題となる点を挙げ、その対応策について述べよ。

3-2

 インターネットの世界的普及により、ネットワークを経由した大量かっ多様な情報流通が誰でも自由に行えるようになった。この結果、ネットワークに接続されたサーバやクライアントPCなどすべてのコンピュータ機器が、悪意のある情報による攻撃を受けるいわゆるサイバー攻撃や、盗聴など情報搾取の危険にさらされ、情報セキュリティ喪失への対策が大きな問題となっている。こうした状況を考慮した上で、以下の問いに答えよ。

(1) 情報セキュリティにおける脅威に対して、コンピュータ工学の技術士として検討すべき項目を多面的に述べよ。ただし、通常のネットワーク接続以外の手段を用いる場合も含めて検討すること。

(2) 上述した検討すべき事項に対して、あなたが最も大きな技術課題と考えるものを2つ挙げ、それを解決するための技術的提案を図面を用いて示せ。また、その解決策に潜むリスクについても論述せよ。

2012年 (H24)

1-1-1

 組込みデータベースについて次の問いに答えよ。

(1)組込み用途以外のデータベースと比較して、組込みデータベースに特徴的な要件を3つ挙げ、それぞれについて簡潔に説明せよ。

(2)組込みデータベースで関係データベースではないものを1つ挙げ、その構造、問い合わせ(クエリ)方式、高速化の手法について概略を説明せよ。また、組込み関係データベースと比較してその利点と欠点を説明せよ。

1-1-2

 ハーバードアーキテクチャとノイマンアーキテクチャ(プリンストンアーキテクチャ)について各々図を用いて説明せよ。また、リトルエンディアンとビッグエンディアンについて説明せよ。

1-1-3

 最近のGPU(Graphics Processing Unit)について、そのアーキテクチャ上の特徴について述べ、それを利用するHPC(High Performance Computing)について、従来型HPCとの比較も含めて説明せよ。

1-1-4

 グレースケール画像処理におけるエッジ検出について次の問いに答えよ。

(1) エッジ検出の前処理としてガウシアンフィルタを適用することがあるが、その目的は何か、微分を用いたアルゴリズムの特徴と関連づけて説明せよ。

(2) ゼロクロス法で、ラプラシアンを適用するとなぜエッジの位置がわかるのか、その原理を図を用いて説明せよ。

(3) キャニー法で2つの閾値はどのように使用されるか説明せよ。

1-2-1

 電源にアルカリ乾電池を数本使用した超低消費電力の産業用組込み機器の開発を想定し、情報工学の技術士の立場で以下の問いに答えよ。ここで、機器の構成には必ず外部メモリを実装し、そのインターフェースには、SPI(Serial Peripheral Interface)もしくは、I2C(Inter Integrated Circuit)を採用し、ソフトウェアにはRTOS(Real Time Operating System)を採用するものとする。また、機器は極力コンパクトにまとめるものとする。ただし、(1)は答案用紙三枚以内、(2)は答案用紙1枚以内に解答せよ。

(1) 想定した産業用組込み機器についてブロック図を用いて概要を説明せよ。構成され
たチップ(chip)の中でアイドル(idle)状態において最も消費電力に影響を与えるものを1つ挙げ、それに対して選定するに当たって留意した点を述べよ。また、外部メモリのインターフェースに採用したSPIもしくは12Cについて説明せよ。外部ロジックにFPGA(Field-Programmable Gate Array)を採用した、もしくは採用しない理由を必ず説明せよ。

(2) 超低消費電力化を実現するためには、ハードウェアとソフトウェアの役割分担を検
討しながら設計する必要がある。ハードウェア及びRTOS、アプリケーションそれぞれについてどのような仕様にすべきか述べよ。

1-2-2

 自動車でのコンピュータシステム活用が進化しつつあり、単純な機器制御を大きく超える機能実現に向けた開発が進んでいる。情報工学の技術士としての立場から、以下の問いに解答せよ。ただし、(1)は答案用紙1枚以上、(2)は答案用紙五弦弘庖に解答せよ。

(1) 車載LANに使われるCAN(Contro2er Area Network)及びARCNET(Attached Resource Computer Network)について説明せよ。

(2) 自動車走行中の危機回避を実現する新たなシステムを構想して、実現できる機能を明確にして、システム構成を図示して説明せよ。その際、開発上の技術的課題とその解決策及び信頼性の確保に関する留意点を述べよ。ただし、現時点での公知な技術に基づく実現可能なシステムとすること。

2011年 (H23)

1-1-1

 仮想化機構により1台の物理的コンピュータで複数の論理的なコンピュータを稼働させる方法が実用化されている。次の問いに答えよ。

(1)仮想化機構の原理を簡潔に説明せよ。

(2)仮想化による情報システムのサーバが実現されているが、その目的、利点、及び技術的に注意すべき点などを説明せよ。

1-1-2

 画像に関する次の問いに答えよ。

(1)BMP(Microsoft Windows Bitmap Image)ファイル内の主要となる情報を4種類挙げ、説明せよ。

(2)GIF(Graphic Interchange Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)の中から2つを選択し、各々の特徴を説明せよ。

1-1-3

 半導体式加速度センサーに関する次の問いに答えよ。

(1) MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)について説明せよ。

(2) MEMSを応用したセンサーから2方式を選択し、各々の原理、特徴、精度を説明せよ。

(3) MEMSを応用したセンサーの適用例を述べよ。

1-1-4

 人工知能分野の機械学習技術を応用した迷惑メールの自動振り分けシステムについて、次の問いに答えよ。

(1) 単純ベイズ分類器を用いた迷惑メールの自動振り分けシステムについて、その概要を説明せよ。

(2) 上記のシステムと、送信アドレスのブラックリストによる振り分け方式とを比べて利点と欠点を述べよ。

1-2-1

 あなたが民生用のPC(Personal Computer)のマザーボードと同等のマザーボードを用いて産業用の製品を開発する場合を想定し、次の問いに答えよ。ただし、(1)は答案用紙1枚弘庖とし、(2)と(3)の解答は合わせて答案用紙2枚以内とする。

(1) 民生用PCに採用されているPC/AT互換機などのマザーボードの構成要素を5つ以上挙げ、それらをブロック図として示せ。また、各々のブロックの機能を説明せよ。

(2) 想定した産業用製品の概要及び目標とする項目を具体的に説明せよ。

(3) 上記の産業用製品にPC/AT互換機などのマザーボードを使用する際、民生用マザーボードにおける課題を示し、その課題解決策をハードウェア、ソフトウェアの視点から述べよ。なお、解決策として僅体に関する解答を含ませてもよい。

1-2-2

 ひとり暮らしの老人の見守りサービスの一環として、浴室での事故に対応するシステムを作りたい。前提条件として、浴室内に設置したセンサーのデータから、転倒や長時間動きがないなどの異常を中継器が自動的に検出して、警備センターにおいて警告を発し、警備員が音声回線での呼びかけや現場に向かうなどの対応措置を取るものとする。また、浴室の壁には配線等の穴を開けないこととし、浴室内外の通信(数メートル以内)は無線で行う。以下の問いについて、(1)と(2)の解答を合わせて答案用紙1枚以内とし、(3)は答案用紙三政弘直とする。

(1) 上記の前提条件を考慮、した上で、どのようなセンサーが適しているか挙げ、その機能を説明せよ。ただし、防水・結露対策については考慮しなくてよいものとする。

(2) 浴室内外の無線通信方式について、適しているものを3種類挙げ、その特徴を説明せよ。

(3) 上記の異常を自動検出するシステムについて、その構成図を描き、動作を説明せよ。ただし、警備センターからの音声回線については考慮しなくてよいものとする。

2010年 (H22)

1-1-1

 多重割り込みの目的と仕組みについて説明し、あなたが想定したRTOS(Real Time OS)での多重割り込み時の状態遷移を説明せよ。また、多重割り込み処理を実装するためには、ハードウェアとソフトウェアをトレードオフしながら設計する必要がある。設計するに当たり、ハードウェア及びソフトウェア各々の留意点を簡潔に述べよ。

1-1-2

 自動認識技術のRFID(Radio Frequency Identification)、バーコード、2次元コード、指紋認証、静脈認証の5つの中からRFIDを含め、3つを挙げその原理と応用例を述べよ。また、RFIDの現時点での課題も述べよ。

1-1-3

 入出力装置、例えば、磁気ディスクなどへのアクセスは、一般的にある一定の時聞を必要とするために、頻繁なアクセスを必要とする処理では性能上のボトルネックとなる可能性がある。そこで、ソフトウェアによる工夫でボトルネックの回避が行われている。次の問いに答えよ。

(1) ブロッキング(blocking)、バッファリング(buffering)によるボトルネックの回避技法の要点を各々簡潔に説明せよ。

(2) 磁気ディスクなどへの入出力用キャッシング(caching)によるボトルネックの回避技法の要点を簡潔に説明した後に、この技法におけるソフトウェア上の技術的課題を述べ、その解決策に関して説明せよ。

1-1-4

 次の2つの問いのうち1つを選んで、答えよ。

(1) 隠れマルコフモデルの概要を述べよ。次に1つの応用例を挙げて説明し、その応用例の長所と短所を説明せよ。

(2) 文字列から自然な音声を合成する方法を1つ挙げて概要を説明し、その長所と短所を述べよ。

1-2-1

 高性能なマイクロプロセッサ(microprocessor)を実現するマルチコア(multiple core)に関して次の(1)~(3)の問いに答えよ。ただし、(1)と(2)の解答を金色主エ答案用紙1枚以内とし、(3)は答案用紙2枚以内とする。

(1) マルチコアの目的、構成、利点、欠点を簡潔に説明せよ。

(2) マルチコアを有効に活用するためには制御プログラムとしてどのような機能を備える必要があるか簡潔に説明せよ。

(3) マルチコアが適していると思われるコンピュータの利用形態を想定し、その概略を図と文章を用いて説明せよ。その後、上記の(1)に関連させて、どの部分がマルチコアに適しているのか、その理由を説明せよ。最後に、この利用形態において、上記の(2)で説明した制御プログラムの機能との関係を説明せよ。

1-2-2

 A社では、IP電話機を開発することになった。ハードウェアは、SOC(System on a chip)を採用し、ソフトウェアは、市販品のRTOS(Real Time OS)やLinux等の組み込み系OSを採用することを検討している。あなたが設計を担当する場合に、次の(1)~(3)の問いに答えよ。ただし、(1)は答案用紙1枚弘度とし、(2)と(3)については、主主主主と1-':::)企関心空選悲L-、答案用紙主主込rtgに答えよ。

(1) SOCの概要を述べよ。また、その長所と短所も述べよ。IP電話機の機能として設定値や各種ログを循環リンクリスト(circular linked list)のデータ構造として不揮発性メモリへ記憶する必要がある。その際、フラッシュメモリ以外のメモリを採用することにした。それはどのような理由が考えられるか説明し、どのようなメモリを採用すべきかを技術的観点から述べよ。

(2) 市販されているRTOSやLinux等の組み込み系OSを採用する場合に、その目的と採用の選択基準について述べよ。また、通信機能部の開発については、IP電話機に関連して重要視すべき検討事項について述べよ。

(3) A社では、次のステップとして当該端末を複数台接続する多地点音声会議用のMCU(Multipoint Communication Unit)を開発することになった。VoIP(Voice over Internet Protocol)で用いられる音声CODECについて説明せよ。また、MCUでの音声CODECは、どのように処理されるかを説明せよ。その際、どのような課題があるかを述べ、その解決策を述べよ。なお、解決策として仕様を限定してよい。

2009年 (H21)

1-1-1

クラウドコンピューティングについて、次の問いに答えよ。

(1) 米国セールズフォース社が提唱し、サービスを提供している「クラウドコンピューティング」とはどのようなものか。その特徴及び利点を説明し、さらにその問題点について答案用紙l枚で答えよ。

(2) 自身が直接関わった事例あるいは間接的に知り得ている事例の中から、クラウドコンピューティングを適用することによってメリットが得られるものを1つ取り上げて、その利害得失について具体的に答案用紙2枚以内で論ぜよ。

1-1-2

 多数の単純な素子を結合して作成するニューラルネットワークは、学習法を工夫することによって性能を上げて、従来から多くの分野で使用されている。次の問いに答えよ。

(1) ニューラルネットワークにおける学習法について、例を挙げて答案用紙1枚で説明せよ。

(2) ニューラルネットワークを実用的なシステムに使用するとき、その利点と問題点についてそれぞれ例を挙げて答案用紙旦枚以内で説明せよ。

1-1-3

 音声認識システムについて、次の問いに答えよ。

(1) 音声認識システムでは、従来からその性能を表すために様々な評価法が提案されて使われている。できるだけ正確に性能を評価するためにシステムの認識精度を表す方法について、具体的に答案用紙1枚で答えよ。

(2) 音声認識システムでは、ユーザによる音声入力が雑音などによって正しく聞き取れないときは、システムからユーザに再入力を促してタスクを遂行する場合が多い。しかし、あまり多くの聞き直しがあると使用者はそのシステムを使用しなくなる。そこで、継続的に使用してもらうために必要なシステムの性能やシステムが持つべき機能について、答案用紙2枚以内で考察せよ。

1-1-4

 コンピュータの割込みについて、次の問いに答えよ。

(1) 割込みを分類すると内部割込みと外部割込みがある。各々の代表的な例を列挙し、それらが割込み抑止可能か否かを答案用紙1枚で説明せよ。

(2) 組込みシステムとしてハードディスクを内蔵したDVD(Digital Versatile Disc)
レコーダの設計をするとき、複数のタイマ予約を可能にし、また、2つの番組を同時に録画できるようにしたい。このような要求を満たすソフトウェア機能と割込み処理の関係を考え、処理方式の概要を答案用紙2弦以内で説明せよ。ただし、録画はハードディスクに一旦格納するものとする。

1-2-1

 浮動点小数の表現について数を仮数部aと指数部bを組み合わせた±a×10^bや±a×16^bなどと表現する。ただし、仮数aは先頭の符号と絶対値(1より小さい値)で、指数bは2の補数表現で表すものとする。次の問いに答えよ。

(1) 仮数に先頭の符号1ビットと絶対値aの部分に3ビットを使い、指数bに2ビットを使って、±a×2^bとして、全部で6ビットで表現できる数を、数直線上にプロットせよ。その留からどんな問題点が指摘できるか、どうすれば問題を解決できるかについて具体的に答案用紙1枚で説明せよ。

(2) 全体で64ビットが使えるとき、符号を含む仮数のビット数と指数のビット数とを固定したアーキテクチャと、それを動的に変えることができるアーキテクチャを比較して説明せよ。後者の方法を採用するときのメリット及びデメリットを説明せよ。現実に、市販のコンピュータが前者の方法を採用している主要な理由を論ぜよ。以上について答案用紙2枚以内で答えよ。

1-2-2

仮想記憶方式について、次の問いに答えよ。

(1) ページ化されたメモリにより仮想記憶を実現しているコンピュータでは、論理アドレスを物理アドレスに変換する動的アドレス変換装置が必要となる。そこで、そのメカニズムを、ページテーブル(もしくはアドレス変換テーブル)、TLB(Table/Translation Look-aside Buffer)、ページフォールトなどの用語を用いて答案用紙1枚で説明せよ。

(2) 実装されているメモリよりも大きなサイズの仮想記憶を提供している場合、プログラムの実行性能を左右する要因はどこにあるか考察し説明せよ。さらに、性能を低下させる要因について、ソフトウェアとしての改善法についても説明せよ。これらの説明は答案用紙2枚以内とする。