連結な部分集合が共通部分を持つなら和集合も連結
皆さんは連結な集合、好きですか?私は普通です。
本稿では連結性に関する定理を、背理法を使わずに示します。
主張
$X$ を位相空間とする。連結な部分集合の族 $A_\lambda\subset X$ ($\lambda\in\Lambda$) が共通部分を持つなら、その和集合 $A:=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}A_\lambda$ も連結である。
要は「連結な部分集合が共通部分を持つなら和集合も連結」という定理です。連結性に関する基本的な定理で、直感的にも納得の行く内容かと思います。しかしながら、巷でよく見る証明には背理法が使われていて、少々分かりにくい気がします。以下では対偶を示すことで、背理法を使わずに証明します。
証明
対偶「共通部分を持つ部分集合の族 $A_\lambda$ について、その和集合 $A=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}A_\lambda$ が連結でないなら、ある $\lambda$ について $A_\lambda$ が連結でない」ことを示す。
仮定より共通部分が空でないので、共通部分の元 $p\in\bigcap_{\lambda\in\Lambda}A_\lambda\subset A$ が取れる。
また、仮定より $A$ は連結でないので、$X$ の開集合 $U, V$ が存在して $A\subset U\cup V$, $A\cap U\neq\varnothing$, $A\cap V\neq\varnothing$, $U\cap V=\varnothing$ を満たす。ここで、$p\in A$ は $U$ か $V$ のいずれか一方のみに含まれるから、必要なら名前を付けかえて、$p\in U$ としてよい。
一方 $A\cap V\neq\varnothing$ より $q\in A\cap V$ が取れる。$A=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}A_\lambda$ だったから、ある $\lambda_0$ について $q\in A_{\lambda_0}$ となる。
この $A_{\lambda_0}$ について、 $U$, $V$ は $A_{\lambda_0}\subset U\cup V$, $p\in A_{\lambda_0}\cap U\neq\varnothing$, $q\in A_{\lambda_0}\cap V\neq\varnothing$, $U\cap V=\varnothing$ を満たす。従って、この $A_{\lambda_0}$ は連結でない。□
感想
背理法による証明も対偶による証明も、論理的には同等です。が、対偶を使うことで、連結でない $A_\lambda$ を取ってきたり、連結でないことから存在する $U$, $V$ を具体的に確認できたりするのがいいですね。
おわり