それってプロジェクトマネジメントできてる?
PMBOKの認知度はかなりあるかと思いますが、プロジェクトを回すための先人の教えですね。PMBOKの解説はいろいろとあるので譲るとして、ここでは雑談的な内容です。
プロジェクトには様々な立場の人が携わり、おのおのが自分の立場で意見を主張しています。そしてプロジェクトの成否や進行はQCDに基いて判断されます。ただ、いままで関わってきたプロジェクトの多くではコストや納期に対して厳しく見られることが多いですが、品質に関してはけっこう厳しく言う人がいないんですよね。せいぜいバグゼロにしろって言うぐらいで、バグゼロにするためにはどういう事をするべきかを示してくれません。
正直言ってソフトウェアプロジェクトにおいて品質が一番大事です。どの程度の品質レベルにおいて開発するかで終結に至るまでのプロセスや判断基準、採用する技術も大きく変わってきます。当然それはコストと納期に影響します。とはいえ無制限というわけにもいかないのでバランスを取りましょうということになるはずです。なのに品質の話は一切せずにコストと納期を先に決めてしまうなんて、一体どういったことでしょう?
プロジェクトマネジメントの知識体系
おのおのの立場でスケジュールがどうの、減価償却だどうの、でも品質のことを気にする人が居ないなんていう状態はあるべき姿ではないですよね。
そこでPMBOKです。
スコープ管理、リスク管理、要員管理、コミュニケーション管理、調達管理といった内容をプロセスとしてまとめあげて体系化されています。やることが多くて大変だぁ~とは思いますが、プロジェクトをマネジメントするということは、様々な要因が絡むわけです。
PMBOKとBABOKのスコープの違い
いろいろなBOKがありますが、PMBOKと一緒に取り組みたいのがBABOKです。
PMBOKはプロジェクト運営に関わるすべての知識体系として、上流工程の要求分析やコスト、品質、リスク、ステークホルダーといったマネジメントも含みます。
対してBABOKも上流工程の知識体系ですが、プロジェクトの運用といった部分には興味がなく、ビジネスの観点として必要な「ニーズ」に対してどのような「価値」を提供するかといった部分が焦点でしょう。プロジェクト運用について興味が無いというのはまぁ嘘でして、ビジネスを達成するための監視や妥当性確認の一部として見られますよね。
しかしながらPMBOKの第5版ではBABOKの内容も取り入れられ、スコープマネジメント、タイムマネジメント、コストマネジメント、ステークホルダーマネジメントといったプロセスが増えています。プロジェクトの運用には欠かせないということですね。
じゃぁBABOKはどうなの?というと、第3版でさらなるビジネスの発展を目指し、ニーズを実現するだけではなく、ニーズを自ら発掘しイノベーションを起こそうよという内容に改定されています。
BOKを勘違いして取り組まない
PMBOKもBABOKも、書いてある内容をそのままと取り入れるものではありませんね。
ともに世界レベルの知見の集まりなので使わない手はありませんが、あくまでもガイド=手引書の立場で、それぞれのプロセスを実現するための手法については一部を挙げつつも、それを使えばいいということではありません。ツールなんて日々新らしいものが出てくるものです。ガイドではあるべき姿を示しているわけで、それを実現する手段は別の話しでしょう。