もうすぐ Windows10 Fall Creators Update や macOS High Sierra がリリースされるという時期なのにこういうテストを行うのは今更感があるような気がしますが、下記5種類の環境を同一のハードウェアにセットアップして Unixbench を実行してみました。
- macOS Sierra
- Windows10 1703 の Bash on Windows
- Ubuntu 16.04 LTS
- macOS Sierra 上の VirtualBox にインストールした Ubuntu 16.04 LTS
- Windows10 1703 上の VirtualBox にインストールした Ubuntu 16.04 LTS
なお、macOS Sierra 向けの Unixbench を動かすには一部のファイルにパッチを当てる必要があるため、macOS の結果は参考程度とご理解ください。
比較に用いたハードウェアとOSのインストール方法
Macbook Pro Retina 13inch 2012 を使いました。具体的には以下のようなスペックです。
CPU: Corei5-4288U 2.60GHz
Memory: 8GB
少々古い機材ではありますが、手元でたまたま余っていたのでこれを使っています。今時は5年くらい前の機材でもそれなりに使えてしまうので、古さは案外感じないかと思います。
さて、今回の実験ではWindowsとUbuntuのインストールはMacbook上にパーティションを切って素で入れる必要がありますよね。macOS + Windows なら BootCamp でOKですが、BootCamp は Ubuntu までは面倒みてくれないっぽいので、今回は rEFind というブートマネージャーを使いました。
なお、rEFindの利用については Qiita にもいろいろな記事がありますので、興味のある方はそちらを参照していただくのがよいでしょう。
http://qiita.com/search?q=rEFind
このような環境構築により、同一機材でのOS違いによるパフォーマンス比較を macOS を含めて測れるようになります。
結果
結果の生ログを載せるだけでは比較しづらいので、Excelで条件付き書式でカラーバーをつけてみました。、
カラーバーは同一試験項目の結果が比較できるように、各行ごとにつけています。
結果からわかること
これを見ると、次のようなことが見て取れます。
- Drystone はいずれの環境でも大きな差が出ない。
- Whetstone は macOS Sierra 以外は少々低め。特に VirtualBox 環境が低い。
- File I/O や process の生成は Bash on Windows 上の Ubuntu はずいぶん悪い。
- 素の Ubuntu と macOS を比べると、macOS のほうがイマイチな感じ。(ただし前述の通り、macOS Sierra で動かすにはソースにパッチを当てる必要があるので、この結果を鵜呑みにしてはいけないかも)
- Ubuntu は実インストールでも仮想マシンでも同等だが、一部の結果は実インストールのほうが良いものもあるし、仮想マシンのほうが良いものもある。
講評?
結果の感想としては、WSL は普段遣いで感じていることではありますけど、やはりファイルI/Oが遅く、VirtualBoxは案外イケてるなあ、という感じですかねえ。
なお、この結果はGUI描画の性能は含みません。
そして、大切なことだから繰り返しますが、macOS で Unixbench を実行するためにはパッチをあてる必要があるので、macOS の結果はあくまで参考程度です。
Windows10 Fall Creators Update や macOS High Sierra が正式リリースされたら、そのうちアップデートしてみるかも。