NAG Fortran 7.0 は初期化漏れの検出をはじめ,コンパイラのチェック機能が秀逸と感じています.しかし,情報が少ないのが難点です.本記事は海洋流動モデル FVCOM 4 で必要となる NetCDF-3.6.3 (リンク切れのようですが,こちら からダウンロードできました)のインストールの備忘録です.NetCDF-3.6.3 と古いバージョンにしたのは 最新版の FVCOM 4.4.2 でも標準に採用されており,インストールの敷居が低いと思われるためです.
環境は Windows 10 Pro (64bit) の WSL2 の Ubuntu 20.04LTS とし,NAG Fortran Compiler 7.0 と GNUコンパイラ がインストールされていることを前提としています.また,netcdf-3.6.3.tar.gz を適当なディレクトリにダウンロード済みとします.以降の作業はこのディレクトリで行います.また,システムではなく,ホームディレクトリ(/home/teem/
とします)以下の /home/teem/local/netcdf-3.6.3-nag/
にインストールします.
ビルドスクリプトの作成と実行
ビルドスクリプト build_netcdf363_nag.sh を作成し,chmod a+x build_netcdf363_nag.sh
で実行権限を付与します.NAG Fortran 7.0 のコンパイラオプション情報は こちら です.
#!/bin/bash
# build_netcdf363_nag.sh
export CC=gcc
#export CXX=g++
export CFLAGS=-O3
#export CXXFLAGS=-O3
export F77=nagfor
export FC=nagfor
export F90=nagfor
export FFLAGS="-O3 -mismatch_all"
export CPP=cpp
export CPPFLAGS=-Df2cFortran
#export CXXCPP=cpp
tar xf netcdf-3.6.3.tar.gz
cd netcdf-3.6.3
./configure --prefix=/home/teem/local/netcdf-3.6.3-nag --disable-shared
make
make check
make install
このスクリプトを実行し,無事インストールに成功しました.
./build_netcdf363_nag.sh